●市場メカニズムを組み込んだ枠組みづくりの重要性
―― まさに、例えばテンミニッツTVですと、座長の小宮山宏先生が、もう日本は再生エネルギーで100パーセントいけるのだというようなお話もされています。
そうなってきた場合には、社会としてはこのような(スライドにあるような)仕組みがないと、先ほどの余った、足りないというような話も含めて、うまく処理できないので、同時にこういうことも進めていかないといけないということになるわけですね。
岡本 そうですね。再生可能エネルギーの比率をもっと高めるということを政府は目標にされていますので、それに合わせる形で、例えば電気自動車というか、運輸部門の電化や熱についても電化を進めて、制御可能な形で電化していって、サイバー空間上でAIやマシンラーニングを使ってそれを自動で制御するということをやると、再生可能エネルギーの電気を比較的活用しやすくなるのは確かだと思います。
―― これ(スライド)を拝見すると、おそらく個々別々の技術としては、全て今あるものだと思うのですが、これを組み合わせたり、社会の設計をしたりしなければいけないということで、こういう形にもっていくためには、今後どういうことが必要になってくるのでしょうか。
岡本 今申し上げたことをどうやって協調するのかということで、分散している主体がものすごい数ですから、中央集権で誰かが全部指示するということはあり得ないわけです。そうすると、何らかの価格シグナルといったものを使って、分散している対象を協調させていって、それが全体最適につながるという仕組みと不可分なのではないかと思います。
だから、デジタルのテクノロジーをそういった市場メカニズムと組み合わせるということで、皆さんの行動変容が促されて、そこにいろいろなイノベーションが入ってくるといいというか、そういう仕掛けを採ったほうがイノベーションは促されると思うのです。
そういった仕組み、枠組みを考えないと、分散型エネルギーがただ入ればいいとか、EVがただ入っても有効には使えません。だから、その仕組みをどう考えるかということがポイントになると思います。
●一般の消費者と全国市場の「遠さ」が課題
―― それで、これ(上のスライド)が実...