習近平―その政治の「核心」とは何か?
この講義は登録不要無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
次の動画も登録不要で無料視聴できます!
「紅二代」「太子党」…習近平の生い立ちと経歴
第2話へ進む
習近平への権力集中…習近平思想と中国の夢と強国強軍
習近平―その政治の「核心」とは何か?(1)習近平政権の特徴
小原雅博(東京大学名誉教授)
国際社会における中国の動きに注目が集まっている。新冷戦ともいわれる米中摩擦が激化する中、2021年7月に中国共産党は創立100周年を迎えた。毛沢東以来、初めて「思想」という言葉を党規約に盛り込んだ習近平。彼が唱える「中国の夢」とはいかなるものなのか。(全6話中第1話)
時間:10分48秒
収録日:2021年7月7日
追加日:2021年9月7日
カテゴリー:
≪全文≫

●力を増す一党支配体制


 皆さん、こんにちは。東京大学名誉教授の小原雅博です。今日は国家主席であり、総書記でもある、習近平の話をしたいと思います。この講義は10分なので、彼の人となりとしてスライドを少し見ていただきまして、また時間があれば詳しくお話をしたいと思います。

 彼はいろんな地方で勤務をしてきていて、特に福建省は長かったです。

 習近平の政治の特徴として言えるのが、党があらゆる分野に全面的に出てきたということです。上に「領導(リンドウ)」と書いてありますが、これは「強制力を伴った指導」という意味です。専門家がよく「党国体制」という言葉を使いますが、党が国家を裏から統治する、つまり党が全ての分野において決定権を持って政治を進めていく体制です。

 例えば人民解放軍があります。天安門事件の時にも明らかになりましたが、これは国軍ではなく党軍です。それまでにいろいろな議論はありましたが、最終的には国軍ではなくて党軍という位置づけです。全てが党の存続のために動いているのが習近平総書記の下で、非常に明確になってきています。

 今9500万人ぐらいの党員がいて、その頂点に習近平総書記がいるピラミッド体制になっています。「集団指導体制」というのが胡錦濤総書記の時代には言われましたが、今はまさに彼が党の「核心」となって、権力を習近平のところに集中しています。例えば「小組(しょうそ)」という、いろいろな委員会を作ります。いろいろな分野において、彼が全てを取り仕切るということです。特に軍についてはいろいろな改革をします。

 例えば七つの軍区があったのを、五つの戦区にします。「軍事主席責任制」はもともとありましたが、実際には2人の制服の副主席が責任を持って軍を見ていました。それを軍事委員会の主席である習近平が軍をしっかりとコントロールするようになります。軍が習主席に絶対に忠誠を誓う体制を作っていきます。

 彼は地方で勤務してきたと先ほど少し言いましたが、そうした地方で仕えた部下をどんどん抜擢をして、それでもって自分の権力基盤を固めてきたのが、これまでの流れです。


●習近平思想と中国の夢


 2017年の党大会で、党の憲法でもある党の規約に、習近平思想を盛り込みました。「思想」とい...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
衰退途上国ニッポン~その急所と勝機(1)安いニッポンと急性インフレ
世界で一人負け…「安い国」日本と急性インフレの現実
宮本弘曉
グローバル環境の変化と日本の課題(1)世界の貿易・投資の構造変化
トランプ大統領を止められるのは?グローバル環境の現在地
石黒憲彦
外交とは何か~不戦不敗の要諦を問う(1)著書『外交とは何か』に込めた思い
外交とは何か…いかに軍事・内政と連動し国益を最大化するか
小原雅博
民主主義の本質(1)近代民主主義とキリスト教
なぜ民主主義が「最善」か…法の支配とキリスト教的背景
橋爪大三郎
過激化した米国~MAGA内戦と民主党の逆襲(1)米国の過激化とそのプロセス
トランプ政権と過激化した米国…MAGA内戦、DSAの台頭
東秀敏
日本の財政政策の効果を評価する(1)「高齢化」による効果の低下
高齢化で財政政策の有効性が低下…財政乗数に与える影響
宮本弘曉

人気の講義ランキングTOP10
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
編集部ラジオ2026(9)「トランプ大統領」の視点・論点
【テンミニッツで考える】「トランプ大統領」をどう見るか?
テンミニッツ・アカデミー編集部
万葉集の秘密~日本文化と中国文化(1)万葉集の歌と中国の影響
『万葉集』はいかなる歌集か…日本のルーツと中国の影響
上野誠
日本人とメンタルヘルス…心のあり方(6)日本人の当たり前と山本七平の違和感
日本の異様さ…フィリピンから復員した山本七平が驚いたこと
與那覇潤
これから必要な人材と人材教育とは?(1)人手の供給不足とマクロ経済への影響
ごく一部の人手不足が「致命的」になる…Oリング・セオリー
柳川範之
高市政権の進むべき道…可能性と課題(1)高市首相の特長と政治リスク
歴史的圧勝で仕事人・高市首相にのしかかるリスク要因
島田晴雄
インフレの行方…歴史から将来を予測する(1)インフレの具体像を探る
270年の物価の歴史に学べ…急激な物価上昇期の特徴と教訓
養田功一郎
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(序)時代考証が語る『豊臣兄弟!』の魅力
2026年大河ドラマ『豊臣兄弟!』秀吉と秀長の実像に迫る
黒田基樹
ラフカディオ・ハーン『神国日本』を読む(7)日本の倫理こそ未来の理想
他人の幸福実現に喜びを見出す日本の道徳こそ未来の理想だ
賴住光子
ドンロー・ドクトリンの台頭(1)トランプ系論と2025年度版NSS
ドンロー・ドクトリンとは?トランプ系論と西半球の重要性
東秀敏