なぜ『古事記』と『ギリシア神話』は似ているのか 古事記・日本書紀と世界神話の類似(1)オルフェウスと死 追加日:2022/03/20 ユーラシア大陸の東方にある日本と、西方にあるギリシアにおいて、神話の筋立てが非常に似ているという不思議な事実がある。なぜ遠く離れた二つの地で類似した神話が生まれたのか。その謎に迫るために、まずは日本神話とギリシア神話... スサノオとオルフェイス、悲しみと歌でつながる男神の物語 古事記・日本書紀と世界神話の類似(2)詩の文化の共通点 追加日:2022/03/27 日本神話とギリシア神話の類似点として、スサノオとオルフェイスという、夫(男)の神の存在が挙げられる。この2神はどのようなつながりがあるのか。スサノオの物語を通して、ギリシア神話との共通点をさらに挙げていく。(全10話中2... 世界の英雄神話に共通する「異常出生物語」の不思議 古事記・日本書紀と世界神話の類似(3)英雄神話の特性 追加日:2022/04/03 世界神話のパターンの1つに英雄神話がある。その英雄神話に共通するのが、現在の常識では考えられない、不思議な「異常出生物語」である。英雄の出生秘話について、世界神話から類似のポイントを読み解いていく。(全10話中3話) ※イ... ホモ・サピエンス「出アフリカ」による神話伝播説の可能性 古事記・日本書紀と世界神話の類似(4)不思議な道具と神話伝播説 追加日:2022/04/10 英雄神話には「不思議な道具」が登場する。それは世界を変容させるきっかけとなるものだが、それも世界の神話における類似点の1つである。さらに、その類似点がなぜ出てくるのかについて、その可能性の1つとして「神話伝播説」を紹介... ユング的な生得説の可能性――深層心理に神話の原型がある 古事記・日本書紀と世界神話の類似(5)2つの類似要因 追加日:2022/04/17 世界神話の類似には2つの要因が考えられる。一つは経験論的な「神話伝播説」で、もう一つがユング的な考え方による「生得説」だ。なぜ人類が違った場所で違った時代に同じ夢を見るといった、シンクロニシティのようなことが時空間を超... アメリカのエネルギーを作り出している神話のせめぎ合い 古事記・日本書紀と世界神話の類似(6)神話とアメリカの関係 追加日:2022/04/24 われわれはなぜ類似するほど神話を持つ必要があるのだろうか。神話がわれわれに伝えようとしたメッセージ、与えた影響など、人類が世界各地で神話を持ち続けてきた意味を、アメリカという世界と神話の関係から読み解く。(全10話中6話... 「浦島伝説」と「オシーン伝説」の類似、その背景に迫る 古事記・日本書紀と世界神話の類似(7)日本神話とアイルランド神話の類似 追加日:2022/05/01 日本とアイルランドはユーラシアの両端に位置するが、両国には類似する神話が存在するという。その神話とは日本の「浦島伝説」とアイルランドの「オシーン伝説」である。なぜこれほど遠く離れた両国にそうした類似する神話が生まれた... 「開けるな」という玉手箱を渡した浦島伝説の不思議 古事記・日本書紀と世界神話の類似(8)浦島伝説と死生観の関係 追加日:2022/05/08 日本に古くから伝わる浦島伝説。しかし、そこにはとても不思議な点がある。なぜ「開けるな」という玉手箱をわざわざ渡すのか。それは、不老不死や長寿といった人間の死生観と関係があるのではないだろうか。この伝説から発せられるメ... 不老不死から老人の語り部へ、神話が語る「長老の死生観」 古事記・日本書紀と世界神話の類似(9)オシーン伝説と死生観の関係 追加日:2022/05/15 日本の浦島伝説に似た話がアイルランドのオシーン伝説である。オシーン伝説とはどういった内容で、どの点が浦島伝説と似ているのか。また、両方の神話から読み取れるメッセージとは何だろうか。(全10話中9話) ※インタビュアー:川... 神話には問題解決のヒントとなる物語類型がたくさんある 古事記・日本書紀と世界神話の類似(10)神話の普遍的要素と役割 追加日:2022/05/22 悲劇的な物語である浦島伝説。これを語ることによって、人々にどのようなことを伝えようとしたのか。また、そもそも神話の普遍的要素とは何か。現代に生きる私たちにも神話は意味を持ち、学ぶべきことが多くある。最終話では神話の役...
世界の神話の中で異彩を放つ日本神話の世界観 神話の「世界観」~日本と世界(1)踊りと物語 追加日:2021/09/19 日本の神話と世界の神話とでは、大きく異なる部分も多い。各国、各文化圏の神話は、それぞれにとても興味深い特徴を持っている。この講座では、その違いから日本の本質に迫っていく。第1話で語られるのは、神話はなぜ奇想天外な話に満... 北欧神話に登場する三神と日本の神々には共通性がある 神話の「世界観」~日本と世界(2)北欧神話との共通性 追加日:2021/09/26 北欧神話の中にはオーディン、トール、フレイという重要な三神がおり、この三神は日本神話に登場する神ととても似た面を持っている。なぜ北欧ではこれらの神々が奉られているのか。日本神話との共通性とともに見ていこう。(全8話中第... 日本神話と北欧神話の決定的な違いは終末論があるかないか 神話の「世界観」~日本と世界(3)北欧神話との違いと日本神話の構造 追加日:2021/10/03 世界の神話にはその地域の気象的特徴や地形的特徴との相関関係がある。そのような中、北欧神話と日本神話には共通する部分も多いのだが、決定的な違いも存在する。それは終末論があるかないかだと鎌田東二氏は言う。いったいどういう... 不老不死と「黄金のリンゴ」…神話が意味するものとは 神話の「世界観」~日本と世界(4)不老不死と「黄金のリンゴ」 追加日:2021/10/10 北欧神話と日本神話の決定的な違いは終末論の有無であり、そこから死の問題へとつながっていく。不老不死は人間の探求する一つの究極の理想ともいえるが、それと関連する神話として「黄金のリンゴ」という物語がある。それはどういう... 寺田寅彦が指摘する日本神話の具体的解釈とは 神話の「世界観」~日本と世界(5)寺田寅彦の日本神話解釈 追加日:2021/10/17 物理学者・寺田寅彦はかつて「地球物理学的にわが国の神話を見ていくと、日本の国土にふさわしい自然現象が随所に見られる」と述べた。それはどういうことなのか。話は彼が指摘する日本神話の具体的解釈へと進んでいく。(全8話中第5... 「くらげなす漂える島」日本は「吊り橋国」である 神話の「世界観」~日本と世界(6)日本人を日本人たらしめたもの 追加日:2021/10/24 大正時代、『古事記』に魅せられたロシア人のワノフスキー。彼もまた日本神話を自然主義的に解釈した。そして、それが、わが国において次々に自然が起こす災難が「日本人を日本人たらしめた」という寺田寅彦の解釈とつながっていくこ... 日本人を日本人たらしめた災難教育とは何か 神話の「世界観」~日本と世界(7)神代から続く日本人の「災難教育」 追加日:2021/10/31 日本人は神代の時代からずっと災難教育をやってきた、と寺田寅彦は指摘した。自然災害の多い日本には四季の循環がある。そこに「揺るがない巡りがある」というムスヒの生命力に対する絶対的な信頼が生まれてくるのではないか。そして... 世界でも稀な日本の王権システムが1300年続いている理由 神話の「世界観」~日本と世界(8)現代にも生きている日本神話 追加日:2021/11/07 日本神話は現代の私たちの生活の中に無意識に息づいている。それは「集合的無意識」ともいうべきもので、『古事記』や『日本書紀』の中にいろいろなレベルで物語として注ぎ込まれている。シリーズ最終話では、その代表例でもある天皇...
世界神話の中での日本神話の特徴は「人間の格づけ」にある 世界神話の中の古事記・日本書紀(1)人間の位置づけ 追加日:2021/03/31 日本神話の特徴とはいったい何だろうか。世界神話と比べた際にもっとも大きな違いは、「人間の格づけ」である。では世界神話の中での人間の位置づけ、さらには日本神話の中での人間の位置づけは、どのようなものだろうか。(全9話中第... 『古事記』と『日本書紀』の大きな違い…その神話と構造 世界神話の中の古事記・日本書紀(2)『古事記』と『日本書紀』の違い 追加日:2021/04/07 人間と神との距離感が非常に近い日本神話。その日本神話の代表的なものが『古事記』『日本書紀』であるが、この2作は全く性質が異なるものだと鎌田東二氏は言う。『古事記』と『日本書紀』は、どのような点がどのように異なるのだろう... 『日本書紀』に見る日本の忖度文化の原型 世界神話の中の古事記・日本書紀(3)談合の国の「史書」と「秘書」 追加日:2021/04/14 オペラ的な物語性のある『古事記』に対し、記録的な性質の『日本書紀』。この『日本書紀』を見ていくと、さらに”日本らしさ“が浮かび上がってくる。鎌田東二氏が「日本の忖度文化の原型」「談合」と述べる『日本書紀』の性質とは。(... 『古事記』『日本書紀』におけるスサノオの位置づけとは 世界神話の中の古事記・日本書紀(4)スサノオの重要性 追加日:2021/04/24 『古事記』『日本書紀』を細かくみていくと、どのような違いがあるのだろうか。『古事記』は国生み、国づくり、国譲り、国治めという流れで、いわゆる国家ができあがる物語だ。そうした物語の大きな流れは、『日本書紀』もおおかた踏... スサノオなしに日本の祭も歌もなかった 世界神話の中の古事記・日本書紀(5)『古事記』の中のスサノオ像 追加日:2021/05/01 スサノオはスクラップ・アンド・ビルド、つまり世界を展開させていく破壊的な役割を果たすと同時に、世界をつくり上げていく役割も果たす、一番のキーとなる神様だと鎌田東二氏は言う。また、「八雲立つ 出雲八重垣 妻籠みに 八重垣作... 『日本書紀』ではなぜ出雲神話がカットされているのか 世界神話の中の古事記・日本書紀(6)出雲神話をめぐる古事記・日本書紀の違い 追加日:2021/05/08 『古事記』には国生みから国づくりまでのプロセスの中に、スサノオ、オオクニヌシの波乱万丈の物語、つまり「出雲神話」と呼ばれる部分がとても手厚く描かれている。一方、『日本書紀』はその部分がカットされている。スサノオが『古... 藤原氏は『古事記』をサポートする家だったのではないか 世界神話の中の古事記・日本書紀(7)国家の正統性はどこにあるのか 追加日:2021/05/19 『古事記』と『日本書紀』の違いの1つは、国譲りの記述にあると鎌田氏は言う。『古事記』では国譲りで壮大な物語が描かれ、『日本書紀』では非常にあっさりとした記述に留まる。その理由はいったい何だろうか。一国の歴史を考えるとき... 『古事記』が当時の現代史を縮小した意味とは 世界神話の中の古事記・日本書紀(8)『古事記』の信憑性 追加日:2021/05/26 『古事記』を読むと、冒頭の壮大なストーリー性に比べ、崇峻天皇や推古天皇などの記述が少ないなど当時の現代史に関しては非常に手薄になっている。ある意味で、非常に不思議なアンバランスさである。また、『古事記』は偽書説も唱え... 「三部の本書」と『古語拾遺』の特徴と面白さに迫る 世界神話の中の古事記・日本書紀(9)四書四様の面白さ 追加日:2021/06/02 長らく『日本書紀』が国家の公式文書であった一方、『古事記』が注目されるようになったのは江戸時代、本居宣長によってであるとされている。だが、『古事記』も『日本書紀』も、それ以前にも読まれていたのではないかと語る鎌田氏。...
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