古事記・日本書紀と世界神話の類似
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
世界の英雄神話に共通する「異常出生物語」の不思議
古事記・日本書紀と世界神話の類似(3)英雄神話の特性
鎌田東二(京都大学名誉教授)
世界神話のパターンの1つに英雄神話がある。その英雄神話に共通するのが、現在の常識では考えられない、不思議な「異常出生物語」である。英雄の出生秘話について、世界神話から類似のポイントを読み解いていく。(全10話中3話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:9分12秒
収録日:2021年9月29日
追加日:2022年4月3日
≪全文≫

●英雄神話に共通する「異常出生物語」


鎌田 もう1つ、類似の物語としてペルセウスの話をしておきましょう。ペルセウスの英雄神話をどのように読まれていますか。

―― 一種の冒険譚でもありますし、課題を次々と与えられて、それをクリアして大きくなっていくイメージでしょうか。神話によくあるパターンなのかなと思って読んでいました。

鎌田 2回目のシリーズ講義(神話の「世界観」~日本と世界)の中でジョセフ・キャンベルの話をしました。日本の神道とは踊りの世界のようなものだ、ダンスをしている世界のようなものだ、宇宙のダンスを表現する世界だ、と。

 このジョセフ・キャンベルの有名な研究に英雄神話があり、それがあの『スター・ウォーズ』にも大きな影響を与えています。そういった英雄神話のパターンに、難題解決の過程があります。先ほど(第1話)のオオクニヌシについても、スサノオが難題を与え、その難題をクリアしていくイニシエーション・ストーリーなのです。

 イニシエーションとは、例えば子どもが大人になっていく、あるレベル・位階に到達する、あるいは入学試験や入社試験に合格して新しい組織に入る、または新しい地位を得る、新しい資格を得る、といったことです。そういったイニシエーション・ストーリーを英雄神話は持っています。

 ペルセウスの英雄神話も、課題解決型のイニシエーション・ストーリーの性質を持っています。

―― しかも、生まれの部分ですでに英雄になるべき要素が仕込まれているところがありますね。

鎌田 これは世界中の偉大な宗教家にいえることで、例えば、空海も空海伝説(弘法大師伝説)の中で不思議な「異常出生物語」を持っています。お釈迦さまには、摩耶夫人(母親)が自分の中に白象が入ってくる夢を見て、脇から生まれ、また生まれた途端に7歩歩いて、「天上天下唯我独尊」と言ったという話があります。これは異常であり、考えられないですよね。

―― (笑)不思議な出来事ですね。

鎌田 イエス・キリストの誕生については、マリア様が処女懐胎し、キリストが生まれてくる、聖霊によって身ごもるなど、どう考えても合理的ではありませんし、理解できません。神はこの天地を創造するほどの力があるので、そのような奇跡を起こして神の威力を示すことができる、といった極限思考からすれば可能な物語なのだけれど、われわれの通常の経験...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「哲学と生き方」でまず見るべき講義シリーズ
学びとは何か、教養とは何か
教養の基本は「世界史」と「古典」
本村凌二
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博
世界の語り方、日本の語り方(1)なぜ「語り方」なのか
今後身に付けるべき知性として「新しい語り方」を考える
中島隆博
「徳」から生まれる「感謝の人間関係」
「徳」の本質とは「自己の最善を他者に尽くしきる」こと
田口佳史
今こそ問うべき「人間にとっての教養」(1)なぜ本を読むことが教養なのか
『人間にとって教養とはなにか』に学ぶ教養と本の関係
橋爪大三郎
禅とは何か~禅と仏教の心(1)アメリカの禅と日本の禅
自発性を重んじる――藤田一照師が禅と仏教の心を説く
藤田一照

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(14)小宮山宏先生:知識の構造化のために
【10min名作探訪】テンミニッツ・アカデミーの意義と発想法
テンミニッツ・アカデミー編集部
イラン戦争と終末論(1)イラン戦争の戦略的背景と米国の政策
なぜイラン戦争がこのタイミングなのか?戦略的背景に迫る
東秀敏
知識の構造化のために(1)テンミニッツTVの問題意識
「知識の爆発」の時代、不可欠なのは世界の全体像の把握
小宮山宏
小澤開作と満洲事変・日中戦争(2)朝鮮人への迫害と闘う
「万宝山事件」朝鮮人を迫害から救うべく決起し、満洲事変へ
小澤俊夫
ロシアのハイブリッド戦争と旧ソ連諸国(1)ロシアの勢力圏構想とNATO拡大
「ハイブリッド戦争」の実像…ロシアが考えていることとは何か?
廣瀬陽子
昭和の名将・樋口季一郎…ユダヤ人救出編(5)陸軍悪玉論の中の名将たち
武力を持ったエリート官僚たち…陸軍悪玉論と個々人の決断
門田隆将
イノベーションの本質を考える(3)イノベーション事例
カシオのデジカメが起こしたイノベーション
楠木建
「逆・タイムマシン経営論」で見抜く思考の罠(1)同時代性の罠を乗り越える
『逆・タイムマシン経営論』が訴える「同時代性の罠」とは
楠木建
ウェルビーイングを高めるDE&I(1)人と組織を取り巻く環境変化:前編
人材はコストではない!人的資本経営が注目されている背景
青島未佳
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(4)ユダヤ人と金融
金融業にユダヤ人が多い理由、そして大国興亡史の裏面のユダヤ人
鶴見太郎