古事記・日本書紀と世界神話の類似
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
アメリカのエネルギーを作り出している神話のせめぎ合い
古事記・日本書紀と世界神話の類似(6)神話とアメリカの関係
鎌田東二(京都大学名誉教授)
われわれはなぜ類似するほど神話を持つ必要があるのだろうか。神話がわれわれに伝えようとしたメッセージ、与えた影響など、人類が世界各地で神話を持ち続けてきた意味を、アメリカという世界と神話の関係から読み解く。(全10話中6話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:7分54秒
収録日:2021年9月29日
追加日:2022年4月24日
≪全文≫

●人類の創造を生み出す根源的なイメージの力は神話にある


―― そもそも論として、各文化圏に神話があること自体が不思議な話ですよね。なぜそういった話を作らなければいけなかったのでしょうか。

鎌田 それは先ほど言ったように、生きるためですよ。

―― 生きるためなのですね。

鎌田 生き抜くためです。なぜかというと、私たちは苦しんでいるとき、生き抜いていくために、その出口を探していくわけです。出口を探していくときに一番のきっかけになるもの(力の根源、考え方の根源になるもの)が神話なのです。考え方の類型の根拠(拠り所)になっているのです。

 神様がこのような苦しい目に遭っていた。天岩戸の前で太陽神が隠れてしまって世界が真っ暗闇になって冷却化してしまい、さまざまなパンデミックな災いが起こってきた。そのようなどうしようもないクライシスの中で、そのクライシスを切り抜けるために祭を行うことになって、その祭を通して光がもう1回再生していった――。

 このような話を持つことによって、われわれの生きる力、発想の新たな展望・展開を生み出してくれる。ものの考え方、発明、発想、新しい地平の形成、新しい関係性の形成、新しいシステムの構築といったものを全て、神話が教えてくれている、神話が支えてくれているのです。

 こうして神話がメッセージとして伝えてくれているものは、過去の人類の最大の知の遺産です。英雄神話であれ何であれ、われわれの世界がどんなに苦しい状況の中にあっても、もう1度ゼウスの神が金の雨を降らせてペルセウスがやってくる、ヘラクレスがやってくる、あるいはスサノオがよみがえる。そういった物語を持つことで、われわれが生きていくビジョン、勇気、探求心、忍耐心、さらなる冒険心といったものを持つことができる。それによって、その先に新しい世界が創造されていく。

 だから、人類の創造を生み出す根源的なイメージの力は神話にあると、私は思っています。


●神話が「生きるためのエネルギー源」になっている


―― たしかにそうですね。冒険心といったものも含めて、全部込められているということですよね。

鎌田 例えば、アメリカという国はとても難しい国ですが、何が難しいのか。メイフラワー号に乗ってアメリカ東部のボストンあたりに着いた最初の人たちは、イギリスに住み続けることが苦しくて、新天地を求めてい...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「哲学と生き方」でまず見るべき講義シリーズ
世界神話の中の古事記・日本書紀(1)人間の位置づけ
世界神話と日本神話の違いの特徴は「人間の格づけ」にある
鎌田東二
道徳と多様性~道徳のメカニズム(1)既存の道徳の問題点
多様性の時代に必要な道徳とは…科学的アプローチで考える
鄭雄一
今こそ問うべき「人間にとっての教養」(1)なぜ本を読むことが教養なのか
『人間にとって教養とはなにか』に学ぶ教養と本の関係
橋爪大三郎
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(1)サイバー・フィジカル融合と心身一如
なぜ空海が現代社会に重要か――新しい社会の創造のために
鎌田東二
逆境に対峙する哲学(1)日常性が「破れ」て思考が始まる
逆境にどう対峙するか…西洋哲学×東洋哲学で問う知的ライブ
津崎良典
学びとは何か、教養とは何か
教養の基本は「世界史」と「古典」
本村凌二

人気の講義ランキングTOP10
こどもと学ぶ戦争と平和(2)「本当の平和」とは何か
「平和」には2つある…今の日本は本当に平和なのか?
小原雅博
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博
プロジェクトマネジメントの基本(10)大脳生理学によるモチベーション理論
論理的?計画的?社交的?冒険的?利き脳による4タイプ
大塚有希子
これから必要な人材と人材教育とは?(2)AI時代に必要とされる能力
AI時代に必要なのは「問いを立てる能力」…いかに育成するか
柳川範之
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(4)全てをつなぐ密教の世界観
密教の世界観は全宇宙を分割せずに「つないでいく」
鎌田東二
これからの社会・経済の構造変化(2)経済的利益と社会課題解決の両立へ
利益か社会課題解決か…かつての日本企業の美点を取り戻せ
柳川範之
経験学習を促すリーダーシップ(2)経験から学ぶ力
米長邦雄のアンラーニング、弟子の弟子になってV字成長
松尾睦
「進化」への誤解…本当は何か?(3)進化学説史と近代の生物実験
ラマルクの進化論…使えば器官が発達し、それが子に伝わる
長谷川眞理子
おもしろき『法華経』の世界(2)『法華経』と「神道」の共通性
『法華経』と「神道」はアバター!?通底する世界観とは
鎌田東二
危機のデモクラシー…公共哲学から考える(5)共存・共生のための理性
共生への道…ジョン・ロールズが説く「合理性と道理性」
齋藤純一