ケルト神話の基本を知る
この講義シリーズの第1話
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
小さな神々と精霊…ケルト神話と日本神話の不思議な共通性
ケルト神話の基本を知る(2)精霊信仰的な多神教
鎌田東二(京都大学名誉教授)
ケルト神話はさまざまな伝承を寄せ集めて再構成されたものなので、世界の始まりや人間の起源について分かっていないことも多い。では神についてはどうだろうか。宗教学的分類でいうと多神教で、アニミズム的要素を持っている神話の伝承群だという。そこで今回は、ギリシア神話や日本神話と比較しながら、ケルト神話の輪郭として英雄クー・ホリンの物語、フィアナ騎士団の話、オシーンの物語について解説し、日本とのつながりを考える。(全3話中2話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:13分06秒
収録日:2022年4月12日
追加日:2023年7月30日
≪全文≫

●人間の始まりも世界の始まりもはっきりしないケルト神話


―― そのような中で、人間の始まりはどのように描かれるのでしょうか。

鎌田 そこは先ほど言ったように、いわゆる天地創造神話みたいなものがはっきりとしません。なので、人間の始まりというのも、そういう意味でケルト神話の場合にははっきりとしません。

 日本神話の場合だと、イザナギ・イザナミの国産み神話というものがあります。高天原が原始の混沌のようなところからできてきたとか、天地開闢と神々の立ち現れと、その神々の子孫である人間の世界とか、人間が住むところの葦原の中つ国の国土が大八洲国(オオヤシマノクニ)としてできたとか、明確なつながりが非常にわかりやすく『古事記』や『日本書紀』に描かれています。だから、『日本書紀』を基準にして考えると、とても分かりやすいのです。

 ところが、ケルト神話の場合は断片的な伝承の寄せ集めをして、再構築をしなければいけません。そのため、人間の始まりもよく分からないし、世界の始まりもよく分からない。つまり、欠損部分を含んでいる。神話がもともとあったと思われますけれど、そのもともとあったものが全部拾われて、全部体系的に伝承されているわけではないのです。その非常に偏った一部分の神話を集めてきて、その中にあるケルト神話としてわれわれが再構成している。そのようなものですから、そんなに簡単に、日本神話のように『古事記』に基づいてこう言えるというものとは違う。ですから、なかなかそこのところは明確にはいえないということになります。


●ケルト神話は多神教神話でアニミズム的要素を持っている


―― そうしますと、神様の種類も比較的に明確ではないのですか。

鎌田 神様は、もちろん宗教学的分類でいえば多神教ということになります。ギリシア、メソポタミア、エジプト、中国、インド、日本も含めて、多神教です。そういう意味では、ユダヤのヘブライ神話の中にあるものが明確な一神教の体系で特異なもので、それ以外はほぼ多神教的な神話や物語なのです。

 そういう点では、多神教神話が多数派で、ユダヤのほうが少数派になります。

 けれども、その多神教にも大きな特色があります。神々は不死であるとか、あるいは不死でないとか、神々も殺戮されて死んでしまうといった話は例えば北欧神話に...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「哲学と生き方」でまず見るべき講義シリーズ
ギリシア神話の基本を知る(1)「ゼウス以前」の神々の戦い
ギリシア神話…ゼウスの「父親殺し」とオリュンポス十二神
鎌田東二
日本人が知らない自由主義の歴史~後編(1)ニューリベラリズムへの異議
ハーバート・スペンサーとダイシー…20世紀の危機の予言者
柿埜真吾
「幸福とは何か」を考えてみよう(1)なぜ幸せになりたいのですか
「幸福」について語り合う「哲学カフェ」を再現
津崎良典
『「甘え」の構造』と現代日本(1)「甘え」のインパクト
『「甘え」の構造』への誤解…甘えはダメなものなのか?
與那覇潤
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
死と宗教~教養としての「死の講義」(1)「自分が死ぬ」ということ
世界の宗教は死をどう考えるか…科学では死はわからない
橋爪大三郎

人気の講義ランキングTOP10
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
仏教とキリスト教が照らし出す日本の宗教(5)「原則なし」の日本
世界は「原則」でできているが、日本は「原則はなし」にする
橋爪大三郎
「講義ページ」と「便利機能」の使い方(1)講義ページの便利な使い方
「講義ページ」の便利な使い方…講義テキストの出し方、各話への飛び方、再生速度
テンミニッツ・アカデミー編集部
人生100年時代の「ライフシフト概論」(1)人生100年時代のインパクト
80歳まで現役でいるために大切なこと…人生100年時代の発想法
徳岡晃一郎
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
お金とは何か?…金本位制とビットコイン(3)ビットコインの革新と矛盾
暗号通貨は従来の通貨と何が違うか…ビットコインの矛盾点
養田功一郎
死と宗教~教養としての「死の講義」(1)「自分が死ぬ」ということ
世界の宗教は死をどう考えるか…科学では死はわからない
橋爪大三郎
「ホメロス叙事詩」を読むために(1)ホメロスを読む
2700年前のホメロスの叙事詩が感動を与え続ける理由
納富信留
ブラックホールとは何か(1)私たちが住む銀河系
太陽系は銀河系の中で塵のように小さな存在でしかない
岡朋治
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ