ギリシア神話の基本を知る
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
「無理難題物語」としての神話、解決する鍵は2つ
ギリシア神話の基本を知る(5)無理難題物語としての神話
鎌田東二(京都大学名誉教授)
世界の神話にはさまざまな「無理難題物語」が登場する。その典型はギリシア神話の苦難の道を歩む「ヘラクレスの選択」で、日本ではオオクニヌシ神話である。なぜ神話には無理難題物語が数多くあるのか。そしてそれが私たちに伝えるメッセージとは何か。最終話ではその問いに迫る。(全5話中5話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:14分15秒
収録日:2022年3月29日
追加日:2022年9月15日
≪全文≫

●無理難題物語と日本のオオクニヌシ神話


鎌田 このようなエピソードがいろいろと語られ、それをプラトンが再引用しながら『国家』の中で語り、あるいはアンドロメダを救出して結婚したペルセウスの話をしてきましたが、そのペルセウスの子孫のヘラクレスの問題と、日本でのオオクニヌシの問題は少し似ているのです。

「無理難題物語」というものが世界中にあります。これだけでも一つの哲学的な思想のヒントになるもので、無理難題が必ず与えられます。テンミニッツTVの講義の中でも、日本神話の中でスサノオのところに行くオオクニヌシの話をしましたね。

―― そうですね。オオクニヌシは本当にいろいろな無理難題を課されますね。

鎌田 お兄さんに「荷物を持て」と言われるなど、一番辛い目に遭ってきました。お兄さんたちに「ここ(上)で、イノシシを追い払うから、お前は下で受け止めろ」と言われ、大きな焼き石を上から転がされて、焼け死んでしまい、お母さんたちの力で蘇ります。ところが、お兄さんたちの嫉妬で、木の股に挟み込まれ、ズタズタに体が傷ついて、また死んでしまいます。ということで、2回も殺されているのです。

 日本の神様はギリシアの神様と違って不死ではありませんから、死ぬことがあります。イザナミも死にます。ギリシア神話での神様と人間の違いは「不死か、死か」です。日本神話はギリシア神話と違って、神と人間との間が死によって切り分けられていないのです。

―― そうですね、確かに。

鎌田 日本神話のその部分は不思議で、命の両面性が常にあることを認識していたことになるのでしょうが、神々も死んだりします。でも、死んでも終わりではありません。死んでも一つの存在としての変容はあるので、黄泉の国で別の形で生きている、別の姿・形に変えて存在するという話になりますが、しかし死なないわけではありません。そういったことが語られています。

 今、ヘラクレスの無理難題物語をオオクニヌシの話とつなげて語っているのですが、オオクニヌシはスサノオの家に入れられ、蛇の部屋に入れられる、頭のムカデを取れと言われる、あるいはスサノオの放った鳴鏑の矢を取りに行くように言われる、その際にスサノオが火を放って焼き殺されそうになる。

―― 草原の真ん中で射かけられて、という話ですよね。

鎌田 そうです。そこでネズミに助けられたなど、全てが無...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「哲学と生き方」でまず見るべき講義シリーズ
楽観は強い意志であり、悲観は人間の本性である
これからの時代をつくるのは、間違いなく「楽観主義」な人
小宮山宏
「50歳からの勉強法」を学ぶ(1)大人の学びの心得三箇条
大人の学び・3つの心得=自由、世間が教科書、孤独を覚悟
童門冬二
死と宗教~教養としての「死の講義」(1)「自分が死ぬ」ということ
世界の宗教は死をどう考えるか…科学では死はわからない
橋爪大三郎
北欧神話の基本を知る(1)世界でもっとも悲観的な神話
世界滅亡を予言!?人類史上もっとも悲観的な北欧神話とは
鎌田東二
西洋哲学史の10人~哲学入門(1)ソクラテス 最初の哲学者
ソクラテス:「フィロソフィア」の意味を問う最初の哲学者
貫成人
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ

人気の講義ランキングTOP10
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(1)サイバー・フィジカル融合と心身一如
なぜ空海が現代社会に重要か――新しい社会の創造のために
鎌田東二
歴史の探り方、活かし方(6)江戸時代の藩校レベルを分析
史料読解法…江戸時代の「全国の藩校ランキング」を探る
中村彰彦
熟睡できる環境・習慣とは(2)酒、コーヒー、ブルーライトは悪者か
ブルーライトは悪者か?近年分かった「第3の眼」との関係
西野精治
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
編集部ラジオ2025(29)歴史作家の舞台裏を学べる
歴史作家・中村彰彦先生に学ぶ歴史の探り方、活かし方
テンミニッツ・アカデミー編集部
内側から見たアメリカと日本(6)日本企業の敗因は二つのオウンゴール
日本企業が世界のビジネスに乗り遅れた要因はオウンゴール
島田晴雄
戦争と暗殺~米国内戦の予兆と構造転換(3)未解決のユダヤ問題
「白人vsユダヤ人」という未解決問題とトランプ政権の行方
東秀敏
習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(7)不動産暴落と企業倒産の内実
不動産暴落、大企業倒産危機…中国経済の苦境の実態とは?
垂秀夫
徳と仏教の人生論(1)経営者の条件と50年間悩み続けた命題
宇宙の理法――松下幸之助からの命題が50年後に解けた理由
田口佳史
習近平―その政治の「核心」とは何か?(1)習近平政権の特徴
習近平への権力集中…習近平思想と中国の夢と強国強軍
小原雅博