経験学習を促すリーダーシップ
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教え上手の指導法に学ぶ!成功の再現性を高める4ステップ
経験学習を促すリーダーシップ(3)成功の再現性と教え上手の指導法
松尾睦(青山学院大学 経営学部経営学科 教授)
「経験から学ぶ」と聞くと、それは失敗を反省することだと思われがちだが、実はより重要なのは成功を振り返ることで、ポイントは「成功の再現性」ということだ。今回は人の成長を促す指導法について、水泳の平井伯昌コーチやコールセンターなどの実例を挙げて、成功の振り返り、その方法を解説する。(全4話中第3話)
時間:15分39秒
収録日:2025年6月27日
追加日:2025年9月24日
≪全文≫

●育て上手は経験学習を促している


 ここからが本番ですけれど、育て上手の人がどうやって育てているかです。大きくいうと、成功を振り返らせています。(つまり)失敗だけでなくて成功も振り返らせているということをPart 3で扱いますけれど、「強みを伸ばす」ということです。こういうところです。

 ピーター・ドラッカーがこんなことを言っています。

 「他人の育成を手がけないかぎり、自分の能力を向上させることはできない」

 これはいい言葉です。私は昔、ピーター・ドラッカーがあまり好きではなかったのです。読んでいたら「大袈裟なことばかり言っているな、このおじさん」と思っていたのですけれど、だんだん年を取ってくると沁みるのです。この人は本質的なことを言うからです。

 他人を育てるということは、自分も育つということなのだ、同期することなのだ。特にマネジャーは他者を通して事を成し遂げるのが役割なので、同期しているのです。部下が育つということは、いいマネジメントができているということで、深い言葉だと思います。

 私は、ダイヤモンド社と一緒に「育て上手の人がどうやって育てているのか」の調査をしたのです。まず企業の人事の人に「教え上手の人を紹介してください」と(伝えて)、「この人の下についたらガンガン伸びる」というような人を紹介してもらって、30人ぐらいインタビューをしました。

 その人たちの教え方を質問紙に落として、22社の協力を得て、700人ぐらいの人のデータを採りました。この中には育て上手の人もいれば、そうでない人もいるのです。その中の育て上手の人の育て方を解明するということをやっています。

 この方は水泳の平井コーチ(平井伯昌氏)です。元ナショナルコーチをやっていて、北島康介さん、萩野公介さん、大橋悠依さん、といったメダリストをたくさん育てている人です。この人の育て方にすごい共通点が出てきました。あとで紹介します。

 アンケートはどういう構成かというと、PDCAをもう少し細分化し、仕事の流れを設定して、その仕事の各段階でどういう指導をしていますかというものになっています、回答してもらって、この回答者...

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