豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
秀吉の「異例すぎる出世」の背景と秘密…秀でていた武功と戦略
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(3)秀吉出世譚の背景
黒田基樹(駿河台大学法学部教授/日本史学博士)
草履取りから異例の出世を遂げたとされる秀吉は戦嫌いで、情報通で、口八丁手八丁の人たらし…。織田家中での秀吉の一般的イメージはそう集約できるが、これらは後世に描かれたものに過ぎない。当時、出世するためにはあくまでも武功を挙げることが必須であるからだ。また、秀吉の出自は前田・柴田などと変わらないことが研究で明らかになっている。今回は秀吉出世の背景について解説する。(全10話中第4話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツ・アカデミー編集長)
時間:10分53秒
収録日:2025年10月20日
追加日:2025年12月25日
≪全文≫

●「草履取りから」の出世話の真相


―― (前回は秀吉の生い立ちについて聞きましたが、)今度は信長のいわゆる家臣になっていくプロセスに入ります。

 一般的なイメージでは「草履取りから」という話もあったりしますが、そもそもあの当時は、尾張の中にもいろいろな織田家がありますし、織田信長の系列ではないところの織田家に父親は仕えていた。その秀吉が、どうやって信長のところに行くかというところなのですが…。

黒田 それは『太閤記』によると弘治2(1556)年ぐらいでしょうか。二十歳ぐらいのときに遠江の松下家に仕えていたのが追い出されて、生まれ故郷に戻る。そこは清洲領で、そこの殿様として存在するようになっていたのが信長なので、彼に仕えたという話です。

 また、時期についても――他の史料ではもっと早い段階になっていますが――弘治2年に松下家に仕えていたのは間違いないようです。それを勘案すると、『太閤記』や『明智軍記』に書かれている永禄元(1558)年が、一番妥当性があるかと思います。

 ただ、『太閤記』ではいきなり信長の前に行って、「自分は木下藤吉郎秀吉だ」と言って仕えさせてもらったというのですが、それはもうめちゃくちゃ(な話)です。別の史料では、同じ中中村の出身で信長の小人頭(奉公人頭)をやっている人がいたので、その人の紹介で奉公人にさせてもらったという話が出てくる。そちらはあり得る話なので、多分そういう経緯で、まずは信長の奉公人になったのではないか。これは、下級兵士にも届かない雑用係です。

―― そうすると、あの「草履取り」というのもあながち…(間違いではないと)。

黒田 そうですね。それは、江戸時代が進む中、どういう仕事をしていたのかというところで、思いついたのではないでしょうか。ただ、戦国時代の中では下級奉公人の仕事として一番よく認識されているのが「草履取り」なので、もしかしたら本当かもしれません。

―― なるほど。先ほど秀吉の父親は農村にはいるけれど、被官でいわゆる家臣になったとありましたが、そういう人でも1回出てしまうと、(再びは)なかなか家臣としては取り立てられないということになるのですか。もともとお家が違うということはあるかと思うのですが…。

黒田 清洲織田家は信長によって滅亡させられているので、全く伝手がない状態での仕官ということになると思います。


●「異例...


スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
昭和の名将・樋口季一郎…ユダヤ人救出編(1)決断と信念のユダヤ人救出
毅然として人道を貫き、命を救う…樋口季一郎のユダヤ人救出
門田隆将
戦史に見る意思決定プロセス~日本海軍の決断(1)日本海海戦・東郷平八郎
なぜ東郷平八郎はバルチック艦隊を対馬で迎え撃ったのか?
山下万喜
「三国志」の世界とその魅力(1)二つの三国志
三国志の舞台、三国時代はいつの・どんな時代だったのか?
渡邉義浩
昭和の名将・根本博…内蒙古・終戦後の戦い(1)軍人の本義を貫いた根本博中将
ソ連軍から在留日本人4万人を守れ…内蒙古での「戦後」の激闘
門田隆将
大統領に告ぐ…硫黄島からの手紙の真実(1)ルーズベルトに与ふる書
奇跡の史実…硫黄島の戦いと「ルーズベルトに与ふる書」
門田隆将

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(27)昭和の名将・根本博
【10min解説】根本博…戦後の内蒙古での激闘と台湾での義戦
テンミニッツ・アカデミー編集部
大統領に告ぐ…硫黄島からの手紙の真実(2)翻訳に込めた日米の架け橋への夢
アメリカ人の心を震わせた20歳の日系二世・三上弘文の翻訳
門田隆将
近現代史に学ぶ、日本の成功・失敗の本質(6)東條内閣で行われた行政改革
悲惨な末路につながった東條英機内閣での兼職と省庁再編
片山杜秀
おもしろき『法華経』の世界(2)『法華経』と「神道」の共通性
『法華経』と「神道」はアバター!?通底する世界観とは
鎌田東二
昭和の名将・根本博…内蒙古・終戦後の戦い(1)軍人の本義を貫いた根本博中将
ソ連軍から在留日本人4万人を守れ…内蒙古での「戦後」の激闘
門田隆将
昭和の名将・根本博…台湾での恩義の戦い(5)1人の力で歴史を変えた男たち
大義にもとづく「個人の決断と行動」が歴史を動かす…名将の教訓
門田隆将
資本主義の再定義…哲学で考える(2)今の時代の人間観と共生
「共生」の本当の意味とは?…人間はHuman Co-becoming
中島隆博
地政学入門 歴史と理論編(1)地政学とは何か
地政学をわかりやすく解説…地政学の「3つの柱」とは?
小原雅博
死と宗教~教養としての「死の講義」(5)仏教の死:日本編
極楽往生、坐禅、法華経…日本人はいかに死を乗り越えるか
橋爪大三郎
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫