歴史の探り方、活かし方
この講義は登録不要無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
次の動画も登録不要で無料視聴できます!
図書館の便利な活用法…全国の図書館からの「お取り寄せ」
第2話へ進む
日本は素晴らしい歴史史料の宝庫…よい史料の見つけ方とは
歴史の探り方、活かし方(1)歴史小説と史料探索の基本
「歴史を探索していく」とは、どういうことなのだろうか。また、「歴史を活かしていく」とはどういうことなのだろうか。歴史作家の中村彰彦氏に、歴史を探り、活かしていく方法論を、具体的に教えてもらう本講義。第一話は、歴史文学と時代小説の違いはどこにあるのかから始まり、きちんと史料を集めて読み抜くという流儀をお話しいただく。具体的にどうやって進めればいいのか。歴史好きなら特に知っていると大変役立つ文献史料の探し方、活かし方の基本とは。(2025年4月26日開催:早稲田大学Life Redesign College〈LRC〉講座より、全7話中第1話)
※司会者:川上達史(テンミニッツ・アカデミー編集長)
時間:8分59秒
収録日:2025年4月26日
追加日:2025年11月14日
≪全文≫

●歴史文学と時代小説の違い


―― 皆さま、どうぞよろしくお願いいたします。

中村 よろしくお願いします。

―― ありがとうございます。この講義は、中村彰彦先生のお話をお聞きする第1回目に当たります。今回のテーマは「歴史探索から考える…視点と分析」となっています。

 中村先生は1949年、栃木県のお生まれでいらっしゃり、東北大学在学中に『風船ガムの海』で第34回文學界新人賞、佳作に入選されました。その後、文藝春秋で編集者を務められまして、1987年に『明治新選組』で第10回エンタテインメント小説大賞をご受賞。1991年より、執筆活動に専念されます。1994年、『二つの山河』で第111回(1994年上半期)直木賞。それから、2005年に『落花は枝に還らずとも』で第24回新田次郎文学賞を受賞されています。

 というところで、中村先生は資料を読み解いてお書きになる執筆スタイルで非常に名高い先生です。今日は、その見地から講義をいただきたいと思っています。中村先生、どうぞよろしくお願いいたします。

中村 よろしくお願いします。

―― では早速講義に入りたいと思います。まず先生、最初に「歴史の探り方、活かし方」ということで、歴史の史料にはいかに当たっていくかというところをお聞きしたいと思っています。その前に、「歴史は繰り返さないが、韻を踏む(マーク・トウェイン)」という言葉もあるようですが、先生は史料に当たることの意味をどのようにお考えでしょうか。

中村 特に歴史を材料にして小説を書く場合、大きく分けると、猿飛佐助が空を飛んでもいいといった「時代小説」の書き方と、歴史上で実際に起こったことを忠実に読み抜いて書いていく「歴史小説(文学)」の表現の二つに分かれると思います。

 いわゆる時代小説は率直にいって通俗的なもので、書く方は金が儲かればいいし、読む方も暇つぶしになればいいという程度のものです。一方、歴史文学は人間の生き方、特に苦しかった人間の生き方を紙の上で看取ってあげたいというような思いから書かれていくものです。そのため、きちんと史料を集めて読み抜くという事前作業が必要になります。

 史料を集めて読み、メモをし終えたところで、大体は自然に「この作品はどこから書き始め、どこで終わるのがいいか」ということも頭に入ります。そこまで行ってしまえば、実際に書き始めて原稿用紙に向かう前から、頭の中...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
「三国志」の世界とその魅力(1)二つの三国志
三国志の舞台、三国時代はいつの・どんな時代だったのか?
渡邉義浩
百姓からみた戦国大名~国家の本質(1)戦国時代の過酷な生存環境
戦国時代、民衆にとっての課題は生き延びること
黒田基樹
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(序)時代考証が語る『豊臣兄弟!』の魅力
2026年大河ドラマ『豊臣兄弟!』秀吉と秀長の実像に迫る
黒田基樹
天下人・織田信長の実像に迫る(1)戦国時代の日本のすがた
近年の研究で変わってきた織田信長の実像
柴裕之
弥生人の実態~研究結果が明かす生活と文化(1)弥生時代はいつ始まったのか
なぜ弥生時代の始まりが600年も改まった?定説改訂の背景
藤尾慎一郎
歌舞伎はスゴイ(1)市川團十郎の何がスゴイか(前編)
歌舞伎の魅力とサバイバル術…市川團十郎の歴史から考える
堀口茉純

人気の講義ランキングTOP10
インフレの行方…歴史から将来を予測する(2)明治以降の物価推移とインフレ率
戦後日本のハイパーインフレの真実…その時、何が起きたのか
養田功一郎
ソニー流「人的資本経営と新規事業」成功論(1)人を真に活かす人事評価とは
ソニー流の「人材論」「新規ビジネス論」を具体的に語ろう
水野道訓
AI時代と人間の再定義(2)仏法僧の三宝と対話による道徳的進歩
考えるとは相手の頭を使って考えること…共同で思考する意義
中島隆博
こどもと学ぶ戦争と平和(2)「本当の平和」とは何か
「平和」には2つある…今の日本は本当に平和なのか?
小原雅博
危機のデモクラシー…公共哲学から考える(6)政治と経済をつなぐ公共哲学
どのような経済レジームを選ぶか…倫理資本主義の可能性
齋藤純一
平和の追求~哲学者たちの構想(7)いかに平和を実現するか
国際機関やEUは、あまり欲張らないほうがいいのでは?
川出良枝
産業イニシアティブでつくるプラチナ社会(4)社会課題の解決に取り組む人財産業
メダカの学校・総合的な学習(探究)の時間・逆参勤交代
小宮山宏
大統領に告ぐ…硫黄島からの手紙の真実(2)翻訳に込めた日米の架け橋への夢
アメリカ人の心を震わせた20歳の日系二世・三上弘文の翻訳
門田隆将
AI時代に甦る文芸評論~江藤淳と加藤典洋(1)AIに代わられない仕事とは何か
江藤淳と加藤典洋――AI時代を生きる鍵は文芸評論家の仕事
與那覇潤
生成AI・大規模言語モデルのしくみ(2)機械学習と大規模言語モデル
常識を初めて知った!?生成AIの大規模言語モデルとは
岡野原大輔