内側から見たアメリカと日本
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偉大だったアメリカを全否定…世界が驚いたトランプの言動
内側から見たアメリカと日本(2)アメリカの大転換とトランプの誤解
アメリカの大転換はトランプ政権以前に起こっていた。1980~1990年代、情報機器と金融手法の発達、それに伴う法問題の煩雑化により、アメリカは「ラストベルト化」に向かう変貌を果たしていた。そこにトランプの誤解の背景があるが、もっとさかのぼれば、1971年のニクソン・ショックも、戦後のパックス・アメリカーナからアメリカを引きずり落としたといえよう。(全7話中第2話)
※インタビュアー:神藏孝之(テンミニッツ・アカデミー論説主幹)
時間:8分51秒
収録日:2025年9月2日
追加日:2025年11月11日
カテゴリー:
≪全文≫

●アメリカ大転換後に登場したトランプの誤解


島田 (ですから)「これからの商売で何がいい?」とアメリカで聞くと、情報をやって、金融をやって、弁護士をやるのが一番いい(と答える)。製造業で働くのは、どんどん仕事がなくなる一方なので、一番不利であると。だから、製造業の人たちがみんなラストベルトになり、(勝つのは)シリコンバレーかニューヨークということになる。その資源配分が10年間ぐらいで急速にアメリカ中を席巻したのですが、それらの意思決定をして、実際に実行したのは全てアメリカの経営者です。

―― アメリカのCEOですね。

島田 CEOです。それから、技術者もそうです。だから、ラストベルトは誰がつくったかというと、当然アメリカの経営者です。ただ、経営者が使った道具は情報機器で、情報機器を開発したのはシリコンバレーです。だから、私は「情報産業と金融」と言いましたが、金融は意思決定が速く莫大なお金が動くウォールストリートに代表されます。シリコンバレーとウォールストリートと弁護士(弁護士は、一流大学が山ほどつくっています)、そういう仕事につかないと、アメリカではろくな生活ができないとみんなが思うようになったのが、1980年代~1990年代です。

―― なるほど。

島田 それでアメリカが大転換しました。トランプ氏はそれから10年ぐらい後に選挙に打って出ています。これをトランプ氏は「中国や日本がアメリカの労働者の仕事を持っていった」と言ったけれど、それは全く誤解で、アメリカの経営者がアメリカの労働者の仕事を中国など他の国に持っていってしまったのです。そこで作った安いものをアメリカに売り戻しているのは、これもまたアメリカの経営者がやっていること。原因も結果も全部経営者なのです。

 だから、もし、「ラストベルトをつくって労働者を被害に落とし込んだのは誰か?」といえば、両方とも「アメリカの経営者だ」と本当はいうべきだというのが私の(考えです)。

―― これは先生の素晴らしい卓見だと思います。

島田 そうですか。

―― こういう形で、(悪いのは)カナダでもなければメキシコでもない。

島田 そうです。おっしゃる通りです。

―― 中国でもなければ日本でもない。ヨーロッパでもない。

島田 そうですね。

―― 実際にやっているのは、あなたたち(アメリカの経営者たち)でしょうと。これに、理論的...

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