戦争とディール
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「武器商人」となったアメリカ…ディール至上主義は失敗!?
戦争とディール~米露外交とロシア・ウクライナ戦争の行方
東秀敏(米国大統領制兼議会制研究所(CSPC)上級フェロー)
2025年8月、米露、米ウクライナ、EUの首脳会談が相次いで実現した。その成果だが、中でもロシアにとって大成功と呼べるものになった。ディール至上主義のトランプ政権を手玉に取ったロシアが狙う「ベルト要塞」とは何か。事実上、「武器商人」となってしまったアメリカが撤退に向かうウクライナ支援は、今後どうなるのか。
時間:13分48秒
収録日:2025年9月24日
追加日:2025年12月21日
カテゴリー:
≪全文≫

●首脳会談で生まれた合意とディール


 CSPC(米国大統領制兼議会制研究所)上級フェローの東秀敏です。今回は「戦争とディール 米露ディール外交の復活」という題目でお話しします。

 まず問題提起なのですけれど、2025年8月中旬に米露、米ウクライナ、EU首脳会談が連続であり、この成果とウクライナ戦争に対する影響はどういうものなのか、こういう問題提起があるわけです。その一つの回答として、アメリカに関しては関与から中立へ移行しました。これは事実上ということなのですけれど、ロシアに関しては戦争に関する交渉における主導権の回復があり、ウクライナに関しては孤立化が今後必至になって、EUに関しても、その戦争負担の倍増が不可避になっていきます。

 (ここで)4つのポイントを見ていきたいと思うのですけれど、まず各国首脳会談の成果、各国の戦略の変遷、ウクライナ戦争に対するその影響、そして米国の和平ディール外交の今後を考えていきたいと思います。

 要旨として、まず各首脳会談の成果をまとめようと思うのですけれど、まず2025年8月15日に行った米露首脳会談は、1番目にディールはなかったわけなのですけれど、アグリーメントを意味する合意は実現しました。2番目に経済合意、つまり経済アグリーメントは実現しました。3番目に、そもそも米露首脳会談が実現したことが一つの成果でもあります。

 (続いて)8月18日に米国、ウクライナ、EUの首脳会談があったわけなのですけれど、第1番目に、あいまいな安全の保障(security guarantee)が一応、合意になりました。2番目にEUの軍事的負担が倍増したわけですが、武器供与についてアメリカが供与する武器に対してEUが払うということになりました。(次に)停戦(ceasefire)なのですけれど、停戦ディールが破棄されて、つまり和平(peace)ディールの案が今後浮上することになります。アメリカ、ロシア、ウクライナの3カ国首脳会談の可能性も、会談の結果、浮上したわけです。

 ウクライナ戦争に対する影響を見ていきたいと思うのですけれど、アメリカに関しては、今後、関与から中立へ事実上移行することになり、長期的には撤退の方向性で、仲介者としてはディールを通じ、ロシアとウクライナに...

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