「進化」への誤解…本当は何か?
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
欧州では不人気…木村資生の中立説とダーウィンとの違い
「進化」への誤解…本当は何か?(6)木村資生の中立説
長谷川眞理子(総合研究大学院大学名誉教授)
ダーウィンの進化論以降、生物の進化に関する議論はどのように発展してきているのか。重要な議論として、木村資生(国立遺伝学研究所名誉教授)の中立説がある。生物の生存と繁殖に必ずしも関連しない、分子レベルでの変異を計算科学で探究した木村理論の画期性を解説する。(2025年5月15日開催:早稲田大学Life Redesign College〈LRC〉講座より、全9話中第6話)
※司会者:川上達史(テンミニッツ・アカデミー編集長)
時間:6分53秒
収録日:2025年5月17日
追加日:2026年1月20日
カテゴリー:
≪全文≫

●変異をシミュレーションした木村資生の中立説


長谷川 ダーウィン以後にすごく重要な変化がいくつかあるのですけれど、ダーウィン以後で私が最も重要だと思うのは、木村資生先生(編注:国立遺伝学研究所名誉教授)の中立説です。

 まずは、ダーウィン以後の一番(の変化)は遺伝子というものが分かって、DNAの螺旋構造が分かったということだと思います。

 けれど、その次に進化の理論としてすごく重要なのは、木村先生が先ほどの4つをやると、変異がたくさんあり、変異の中には生存と繁殖に有利なものや不利なものもあるということが前提で、変異はあるけれど生存と繁殖に有利でも不利でもない変異もあるだろう、(つまり)生存と繁殖に関係ない変異があるだろうということで、それはどういう運命をたどるでしょうかということを、計算科学、(つまり)計算することによっていろいろやったことです。

 (生存と繁殖に)関係ないのだから、それがうまく伝わるか伝わらないかは偶然であり確率です。なので、サイコロを振るのと同じで、消えるか、増えるか、同じかの3方向しかないわけです。それをずっとやっていくと、どこかで全部なくなってしまうというか、全員が持つようになるというか、そういう極端なことが起こるでしょうということで、それがみんな確率で起こるとしたら、何万年に何個とかと計算できるのではないかということを中立説として確立しました。

 だから、ほとんど生存と繁殖に関係ない変異は、分子レベルでの、(つまり)体の中の奥にある分子のレベルでの変異です。目の色とかそういう外の表現型にはあまり上がってこないけれど、私たちの遺伝子にはたくさんの変異があるのです。その分子レベルでの変異では中立であるということはたいへん重要で、その運命がどうなるかということを確率で計算してやると、分子時計ができるのです。

 直接生存や繁殖に関係のないところの遺伝子で、いくつの遺伝子が違うと何万年前に別の道を歩み始めたかが計算できる。(しかし、)そのことが、淘汰がかかっていると、(つまり)うまく生き延びる・生き延びない、繁殖できる・繁殖できないに関係があると、(生存や繁殖が)できないものはさっとなくなり、できるものはさっと広がってしまうので、その速度は速いのです。でも...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「科学と技術」でまず見るべき講義シリーズ
ヒトの性差とジェンダー論(1)「性」とは何か
MLBのスーパースターも一代限り…生物学から迫る性の実態
長谷川眞理子
「進化」への誤解…本当は何か?(1)進化の意味と生物学としての歴史
実は生物の「進化」とは「物事が良くなる」ことではない
長谷川眞理子
生成AI・大規模言語モデルのしくみ(1)生成AIとは何か
10年で劇的な進歩を遂げた生成AIと日本の開発事情
岡野原大輔
新しい循環文明への道(1)採掘文明から循環文明へ
2026年頭所感~循環文明の「三つの柱」…いよいよ実現へ
小宮山宏
ブラックホールとは何か(1)私たちが住む銀河系
太陽系は銀河系の中で塵のように小さな存在でしかない
岡朋治
ChatGPT~AIと人間の未来(1)ChatGPTは何ができて、何ができないか
ChatGPTは考えてない?…「AIの回答」の本質とは
西垣通

人気の講義ランキングTOP10
インフレの行方…歴史から将来を予測する(6)高市政権誕生の影響
ポイントは財政悪化よりインフレ?…高市政権でどうなるか
養田功一郎
これから必要な人材と人材教育とは?(1)人手の供給不足とマクロ経済への影響
ごく一部の人手不足が「致命的」になる…Oリング・セオリー
柳川範之
「Fukushima50」の真実…その素顔と誇り(4)ベントの死闘とプロの責任感
「これからベントをやる。メンバーを決める!」…決死の現場
門田隆将
こどもと学ぶ戦争と平和(4)人間はなぜ戦争をするのか
人間はなぜ戦争をするのか?2つの要因から問う平和の条件
小原雅博
高市政権の進むべき道…可能性と課題(1)高市首相の特長と政治リスク
歴史的圧勝で仕事人・高市首相にのしかかるリスク要因
島田晴雄
明治維新から学ぶもの~改革への道(1)五つの歴史観を踏まえて
明治維新…官軍史観、占領軍史観、司馬史観、過誤論の超克
島田晴雄
編集部ラジオ2026(3)高市政権の行方と「明治維新」
高市政権の今後は「明治維新」の歴史から見えてくる!?
テンミニッツ・アカデミー編集部
プロジェクトマネジメントの基本(1)国際標準とプロジェクトの定義
プロジェクトマネジメントとは?国際標準から考える特性
大塚有希子
ポスト国連と憲法9条・安保(1)国連の構造的問題
核保有する国連常任理事国は、むしろ安心して戦争できる
橋爪大三郎
ハラスメント防止に向けた風土づくり(2)ハラスメントと心理的安全性の関係性
ハラスメントを助長する全体主義、無関心、属人思考、圧力…
青島未佳