ハラスメント防止に向けた風土づくり
この講義は登録不要無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
ハラスメントを助長する全体主義、無関心、属人思考、圧力…
ハラスメント防止に向けた風土づくり(2)ハラスメントと心理的安全性の関係性
青島未佳(一般社団法人チーム力開発研究所 理事)
ハラスメントを助長している組織風土には、全体主義、無関心風土、属人思考風土、圧力的雰囲気があり、これらの根底にあるのは「心理的安全性の欠如」だと青島氏は語る。心理的安全性はコミュニケーションの基盤となるものだが、では「心理的安全性が高いチーム」と「心理的安全性がないチーム」ではどのような違いがあるのか。今回は、ハラスメントを助長している組織風土として、全体主義の弊害についてハンナ・アーレントの『エルサレムのアイヒマン』を例に解説しながら、ハラスメントと心理的安全性の関係性を掘り下げていく。(全5話中第2話)
時間:12分22秒
収録日:2023年2月3日
追加日:2023年8月20日
≪全文≫

●ハラスメントを助長している組織風土と心理的安全性の欠如


 では、この改善の中でハラスメントを助長する企業文化にはどんなものがあるのだろうということを、今日は簡単にご紹介したいと思います。

 私の考えでは、ハラスメントを助長している組織風土には、「全体主義」「無関心風土」「属人思考風土」「圧力的雰囲気」、それから「心理的安全性の欠如」があります。こういうところがハラスメントを助長している組織風土ではないかと思います。

 では、最初の「全体主義」についてです。全体主義は個人の利益よりも組織や、その共同体の持っている利益を優先しましょうという考え方です。これは、哲学者のハンナ・アーレントが『全体主義の起源』という書籍を出されたことで非常に有名になってきた概念かと思います。

 全体主義の概念の悪さを説明するにあたって何がいいかと思っていましたが、やはりハンナ・アーレントが分析しているアイヒマンですね。彼がなぜホロコーストのような残忍な事件の責任者になってしまい、ああいう事件を起こしたのかを分析したのがハンナ・アーレントです。『エルサレムのアイヒマン』という本があり、そこでは、アイヒマンはあのような残忍な事件を起こしているので(彼は)いかに極悪でいかなる悪人だったのだろうかということが検証されています。

 しかし、裁判を傍聴したハンナ・アーレントからすると、アイヒマンは一般的なサラリーマンの中でも気の弱いようなタイプの人であり、ごくごく普通の人でした。そういう人間が、こうした非常に残忍な事件の首謀者ではなく責任者となっているというところに、一つのポイントがあると。

 書籍にも書いていますが、どんなに普通の人間であっても、または善意を持った人だとしても、こうした権威への服従が起こってしまうと。そんなところが人間の弱さではないかと考えられていて、そのように権威への服従をさせてしまうのが、全体主義の悪さです。

 本人の善意や思想に関係なく、全体主義においては共同体が持つ思想に侵されていってしまう。どんなにいい思想や普通の考えを持っていた人間でも、悪の思想に侵されてしまう。そうした観点から、全体主義というものは、ハラスメントを助長しやすい文化にある根底といいますか、一つの要因になっていると考えられるかと思っています。...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「経営ビジネス」でまず見るべき講義シリーズ
メンタルヘルスの現在地とこれから(1)「心を病む」とはどういうことか
なぜ「心の病」が増えている?メンタルヘルスの実態に迫る
斎藤環
これから必要な人材と人材教育とは?(1)人手の供給不足とマクロ経済への影響
ごく一部の人手不足が「致命的」になる…Oリング・セオリー
柳川範之
ハラスメント防止に向けた風土づくり(1)ハラスメントの概要
増え続けるハラスメント…その背景としての職場の特徴
青島未佳
重職心得箇条~管理職は何をなすべきか(1)時代に請われ、時代に応えた佐藤一斎
リーダーの心得…幕末の偉人たちを育てた佐藤一斎に学べ!
田口佳史
組織改革の要諦~活性化と人材活用(1)準備、スピード、タイミング
組織改革は最初に全体像と将来像を示すのが重要
秋池玲子
プロティアン~最先端の自律的キャリア形成(1)変幻自在のキャリア論
なぜ第二の人生のためにキャリアの棚卸しが必要か~組織から自律へ
田中研之輔

人気の講義ランキングTOP10
昭和の名将・樋口季一郎…ユダヤ人救出編(1)決断と信念のユダヤ人救出
毅然として人道を貫き、命を救う…樋口季一郎のユダヤ人救出
門田隆将
イラン戦争と終末論(2)終末論とトランプ政権への影響
イラン戦争で反ユダヤ主義が加速!?トランプ政権へのリスク
東秀敏
編集部ラジオ2026(13)心の「柔軟性」を高めるヒント
【10minでわかる】心の「柔軟性」を高めるヒント
テンミニッツ・アカデミー編集部
人の行動の「なぜ」を読み解く行動分析学(1)随伴性
三日坊主、部屋が片付かない…なぜできないか行動分析学で考える
島宗理
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(9)ユダヤ人の多様性
ユダヤ人は一枚岩ではない…米国ユダヤ人のイスラエルへの違和感
鶴見太郎
インフレの行方…歴史から将来を予測する(2)明治以降の物価推移とインフレ率
戦後日本のハイパーインフレの真実…その時、何が起きたのか
養田功一郎
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博
生き抜くためのチカラ~為末メソッドに迫る(4)人生の勝敗を考える
幸せの鍵「なにげなさ」とは何のことか
為末大
こどもと学ぶ戦争と平和(1)私たちに必要な想像力と戦争体験
なぜ戦争が起こるのだろう…大切なのは想像力と生の声
小原雅博
デジタル全体主義を哲学的に考える(6)概念の普遍化に必要なこと
なぜ論語の中の「道」は世界的に役立つ普遍的概念なのか
中島隆博