ハラスメント防止に向けた風土づくり
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
NGワードを知ってハラスメントがない職場づくりに生かす
ハラスメント防止に向けた風土づくり(5)ハラスメントがない職場作りに向けて
青島未佳(一般社団法人チーム力開発研究所 理事)
人間は2つの思考システムが普段から働いており、だからこそバイアスが引き起こされているという。そのバイアスから逃れるのは難しいが、見直していくにはどうしたらいいのか。そこで今回は、信念・固定観念が生み出す「関係の4毒素」についての解説を聴きながら、リーダーにとって大切な意識と行動のポイント、また避けるべきNGワード集を学んでいく。(全5話中第5話)
時間:12分15秒
収録日:2023年2月3日
追加日:2023年9月10日
≪全文≫

●バイアスの前提~人間には2つの思考システムが働いている


 今回は、バイアスの正体ということを少しお伝えしたいと思います。バイアスは拭い去れるのかというと、そうはいきません。人間には2つの脳、システム1とシステム2の思考システムが働いているといわれています。

 この考えはダニエル・カーネマン氏が『ファスト&スロー』という本の中に書いたことで一般的に有名になった概念かと思います。システム1は、いわゆる「直感」で働く思考です。システム2は「熟慮」で、一生懸命考えて意思決定をする考え方です。

 例えば、「1+1=2」のようなところが直感で、「128+156」のようなところが熟慮です。われわれは普段生活していると、9割ぐらい直感のほうに頼って意思決定をしています。もちろん、ずっと熟慮でやっていたら、脳は疲れてしまいます。エコシステムの中で自動運転処理が行われるように、われわれはほぼ直感で物事を判断しているわけです。

 このような脳のシステムが普段から働いているからこそ、前回申し上げた認知バイアスといったものが引き起こされている。こういうところが前提になるかと思います。

 ですから、こういったバイアスが一人ひとりに働いてしまうわれわれとしては、チームや集団の規範をちゃんとつくること、周りの人が指摘し合うといったチーム全体としての規範、先ほどお話しした心理的安全性をチームの中でつくっていくことが、非常に重要なのではないかと思っています。


●原因や結果ではなく、プロセスに介入する「論理療法」



 このバイアスについて、もう一つ。では、バイアスをどのようにわれわれが変えていけばいいのかというと、(実際には)変えていくことはできないのです。では、どのような観念で、これを少し見直していくといいのかというところを、一つご紹介したいと思います。

 これはアルバート・エリスの「ABCモデル」で、「論理療法」ともいわれています。人間は、例えば想定しない相手の行動(A)があったとき、B(Belief)のところで自分の価値観や信念に合わせて評価する。それで、結果(C)のところになると、いわゆる不快な行動や不快な感情が湧いてくる。ですから、論理療法の中では、(図の)真ん中に入る自分の価値観や信念・基準を見直していこうと...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「経営ビジネス」でまず見るべき講義シリーズ
バブル世代の現実とこれからの生き方
バブル世代は「バブル崩壊世代」、苦労の先に見えるものがある
江上剛
億万長者への道(1)お米屋さんから不動産業界へ
「背広を着てビジネスがしたい」との思いから宅建取得
高橋誠一
メンタルヘルスの現在地とこれから(1)「心を病む」とはどういうことか
なぜ「心の病」が増えている?メンタルヘルスの実態に迫る
斎藤環
東洋の叡智に学ぶ経営の真髄(1)経営とは何かをひと言で?
経営をひと言で?…松下幸之助曰く「2つじゃいけないか」
田口佳史
野獣の経営、家畜の経営(1)経営センスが育つ土壌
ファーストリテイリングで経営者が育つ理由
楠木建
会社人生「50代の壁」(1)“9の坂”とまさかの坂
サラリーマン人生「50代の壁」を乗り越える生き方
江上剛

人気の講義ランキングTOP10
平和の追求~哲学者たちの構想(5)カント『永遠平和のために』
カント『永遠平和のために』…国連やEUの起源とされる理由
川出良枝
戦争とディール~米露外交とロシア・ウクライナ戦争の行方
「武器商人」となったアメリカ…ディール至上主義は失敗!?
東秀敏
逆境に対峙する哲学(1)日常性が「破れ」て思考が始まる
逆境に対峙する哲学カフェ…西洋哲学×東洋哲学で問う矛盾
津崎良典
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(1)史実としての豊臣兄弟と秀長の役割
豊臣兄弟の謎…明らかになった秀吉政権での秀長の役割
黒田基樹
生成AI「Round 2」への向き合い方(1)生成AI導入の現在地
生成AIの利活用に格差…世界の導入事情と日本の現状
渡辺宣彦
渡部昇一の「わが体験的キリスト教論」(1)古き良きキリスト教社会
古き良きヨーロッパのキリスト教社会が克明にわかる名著
渡部玄一
インテリジェンス・ヒストリー入門(1)情報収集と行動
日本の外交には「インテリジェンス」が足りない
中西輝政
熟睡できる環境・習慣とは(4)起きているときを充実させるために
夜まとめて寝なくてもいい!?「分割睡眠」という方法とは
西野精治
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
健診結果から考える健康管理・新5カ条(1)血管をより長く守ることが重要な時代
健康診断の結果が悪い人が絶対にやってはいけないこと
野口緑