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職場への不満は6割以上~ポイントは隠蔽、心理的安全性…

組織心理学~「不満」を生かす(1)不満・相談・予防

山浦一保
立命館大学スポーツ健康科学部・研究科 教授
情報・テキスト
「職場に不満を持っている人が6~7割いる」というデータがある。経営者にとっては衝撃的なデータだが、実はリーダーのリーダーシップによってその割合は大きく変わるという。いったいどういうことなのか。不満にも妬み同様「いい・悪い」があり、不満が問題になってしまうのは隠蔽するケースで、組織内の「不満」は実に扱いの難しい問題である。だからこそ、それを爆発させないために何をすればいいのか、この機会に考えてみよう。(全2話中第1話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:15:56
収録日:2023/06/21
追加日:2023/12/08
キーワード:
≪全文≫

●衝撃!? 組織に不満を持つ人の割合は6割以上


―― 山浦先生、続いては「不満」というテーマでお話し願いたいと思います。これも「妬み」と似ていて、誰もがある程度「不満は持ってはいけない」と思っているかもしれないけれども、誰もが絶対何かしら持っているというところがあると思います。

 この『武器としての組織心理学』の中で、非常に衝撃的といえば衝撃的、そうではないというとそうではない(記述があります)。

山浦 はい、それは何でしょうか。

―― リーダーから見ると衝撃的で「ええっ」と思ったりするのですが、下の立場からすると「ああ、そんなもんだよね」ということになるのが、「組織の中で不満を持ってる人が何割いますか」と。

山浦 そうですね。学生時代にそういう研究をしていて、社会人の方々のデータを採ったことがありました。

―― はい、何割ですか。

山浦 6割から7割。

―― (6割から7割)は不満を持っている。経営者の立場からすると、「そんなに持っているのか」と思うかもしれませんが、先ほど言ったように自分が下の立場のときは「絶対不満持ってるよね」というケースもあったりすると。

山浦 そうですね。

―― 立場によっても違うでしょうね。この数字をどう見るかというところですが、先生はどのように見ておられますか。

山浦 そうですね。まあ普通かなと思います。もっと(不満を)持っていてもいいかもしれません。

―― なるほど。


●誰もが自然に持つ「不満」を向上心につなげる


山浦 これもまたリーダーのリーダーシップによって割合が大きく変わるところが面白いのです。

―― それはどのように変わるのですか。

山浦 一般的にいえば民主的なリーダー、要するに指示も的確で心配りも上手というリーダーであれば、不満の割合はぐっと下がります。それでもゼロにはならないところが、また面白いところです。

 (指示も心配りも)両方なかなかやってくれないリーダーの下で働いている方々は、8~9割まで(不満の割合が)飛び上がります。ですから、このあたりがポイントになるかと思いますけれども、基本的に(人間は)いろいろなことに不満を持ちます。

―― 持たないと、人間ではないというところもあるでしょうね。

山浦 あると思います。「今日食べにいったご飯は…」とか、「自分で作ったご飯はイマイチ」というのは不満です。でも、そういうことがあることによって、「もうあんな思いはしたくない」と次の日には思うわけですから、妬み同様、向上心につなげようと思えばつながるわけです。やはり「(不満を)持ってしまう」感情には、何かしら意味があると思っています。

―― 意味があると。

山浦 はい。その意味を、自分の中でもチームの中でも引き立たせてやりたいと思います。何かいい方向に変えることのできる起爆剤のようなものと捉えていただけるといいと思います。


●隠蔽された不満は組織も自分も不幸に導く


―― まさに妬みと一緒で、「いい不満、悪い不満」というものがあると考えた場合、組織として見たときに不満が問題になってしまうのはどういうケースでしょうか。

山浦 一番はやはり隠蔽することだと思います。

―― 隠蔽ですか。

山浦 はい。不満を持つ状態とは、対人的なこと、あるいはチームのことに対して不満を持つということであり、言い方を変えると「改善点がある」ということでもあります。「より楽しく、より生産的に働きたいと思っているのに、どうしてこうなのだろう」ということですから、その部分を解消していくことがぜひ必要になるだろうと思います。

―― それが悪い方向に回転するときはどうなってしまうのですか。

山浦 その思いというのは、せっかくのいい気づきだと思うのですが…。

―― 一つひとつの不満が、ですか。

山浦 はい。わがままかどうかは見極めなければなりませんが、それも表現しないと分かりませんよね。それを隠して自分の中で解消させようとしていると、おそらくご自身がつぶれるのです。

―― なるほど。

山浦 やり甲斐も感じられず、楽しい職場に見えず、バラ色で入ったはずなのに今はどす黒くなっている。おそらくそのような風景としてだんだん見えてくるようになってくると思いますから、それは組織にとっても不利益だと思います。

―― はい。

山浦 せっかくの人的パワーを削いでしまうわけですから、それは一番やってはいけないことですし、ご自身でも注意なさったほうがいいことかと思います。


●自分もチームも不満を「言える」ように


―― そういうようにしないためには、どうすればよろしいですか。

山浦 一つは、ご自身のスキルを磨いて、(不満を)言えるようにする。

―― 「(不満を)言える...
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