●衝撃!? 組織に不満を持つ人の割合は6割以上
―― 山浦先生、続いては「不満」というテーマでお話し願いたいと思います。これも「妬み」と似ていて、誰もがある程度「不満は持ってはいけない」と思っているかもしれないけれども、誰もが絶対何かしら持っているというところがあると思います。
この『武器としての組織心理学』の中で、非常に衝撃的といえば衝撃的、そうではないというとそうではない(記述があります)。
山浦 はい、それは何でしょうか。
―― リーダーから見ると衝撃的で「ええっ」と思ったりするのですが、下の立場からすると「ああ、そんなもんだよね」ということになるのが、「組織の中で不満を持ってる人が何割いますか」と。
山浦 そうですね。学生時代にそういう研究をしていて、社会人の方々のデータを採ったことがありました。
―― はい、何割ですか。
山浦 6割から7割。
―― (6割から7割)は不満を持っている。経営者の立場からすると、「そんなに持っているのか」と思うかもしれませんが、先ほど言ったように自分が下の立場のときは「絶対不満持ってるよね」というケースもあったりすると。
山浦 そうですね。
―― 立場によっても違うでしょうね。この数字をどう見るかというところですが、先生はどのように見ておられますか。
山浦 そうですね。まあ普通かなと思います。もっと(不満を)持っていてもいいかもしれません。
―― なるほど。
●誰もが自然に持つ「不満」を向上心につなげる
山浦 これもまたリーダーのリーダーシップによって割合が大きく変わるところが面白いのです。
―― それはどのように変わるのですか。
山浦 一般的にいえば民主的なリーダー、要するに指示も的確で心配りも上手というリーダーであれば、不満の割合はぐっと下がります。それでもゼロにはならないところが、また面白いところです。
(指示も心配りも)両方なかなかやってくれないリーダーの下で働いている方々は、8~9割まで(不満の割合が)飛び上がります。ですから、このあたりがポイントになるかと思いますけれども、基本的に(人間は)いろいろなことに不満を持ちます。
―― 持たないと、人間ではないというところもあるでしょうね。
山浦 あると思います。「今日食べにいったご飯は…」とか、「自...