組織心理学とは何か~『武器としての組織心理学』と概論
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なぜ組織に「心理学」が必要か?多様化と個の時代の処方箋
組織心理学とは何か~『武器としての組織心理学』と概論
経営ビジネス
山浦一保(立命館大学 スポーツ健康科学部 教授/博士(学術:広島大学))
組織のモチベーションやパフォーマンスをあげるために、「組織心理学」が注目されている。なぜ組織に「心理学」が必要なのかといえば、組織が人で構成され、人は心に左右されるからだ。妬みや温度差などのネガティブな感情が及ぼす影響も含め、学校や企業など、組織間の人間関係の問題に迫っていく。
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:12分08秒
収録日:2023年6月21日
追加日:2023年10月27日
≪全文≫

●組織になぜ「心理学」が必要か~見えにくいところこそ一番の根幹~


―― 皆さま、こんにちは。本日は山浦一保先生に組織心理学の話を伺いたいと思います。山浦先生、どうぞよろしくお願いいたします。

山浦 よろしくお願いいたします。

―― 山浦先生は『武器としての組織心理学 人を動かすビジネスパーソン必須の心理学』(ダイヤモンド社)というご本をお書きになっています。組織心理学というお話で、組織になぜ心理学が必要なのかというところですが、いきなりこの議題から入ると…。

山浦 なかなか難しいご質問を、ありがとうございます(笑)。

―― いえいえ(笑)。なぜ組織に心理学が必要か、先生はどのようにお考えでいらっしゃいますか。

山浦 まず、組織が何で動いているかということを考えたときに、何と考えられますか。

―― 組織は当然、人でできていますので…。

山浦 そうですね。では、人は何で動くのでしょう。

―― これは難しいですが、モチベーションということですよね。 会社であれば当然、給料をいただきたいというのもあるでしょうし、自分の自己実現をしたいということもあるかもしれません。多分いろいろな動機をお持ちの方が集まっているところですよね。

山浦 そうですね。私自身が考えておりますのは、「組織は人で動き、人は心で動く」。

―― 心で動くと。

山浦 はい。そう思っています。おっしゃったようなモチベーションがあり、お給料が上がったり下がったりすることによって心が揺れ動く。その揺らぎの部分で、パフォーマンスが上がったり下がったりもしていくし、人付き合いが良くなったり悪くなったりもする。

 そういうことを考えると、できるだけ組織をうまく円滑に運営したいときには、やはり人の心を知るための心理学が必要だろうと思い、組織心理学についていろいろ現場を見せていただいています。

―― さらに、このご本で非常に印象深かったのが、いわゆるビジネス書では見かけない「妬み」という言葉です。心理学の世界では当然「妬み」はあるのですが、あまりクローズアップされることはありません。そういう話を真正面から取り上げておられるあたり、非常に印象深い本だと思いました。

山浦 ありがとうございます。

―― こういうものを入れていかれたこころ(意図)というのは、どういうところにあるのでしょうか。

山浦 はい。...

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