戦国武将の経済学
この講義は登録不要無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
次の動画も登録不要で無料視聴できます!
南蛮貿易の真実…奴隷貿易とバテレン追放、朝鮮出兵の理由
第2話へ進む
織田信長の資金源…楽市楽座だけではない経済力と軍事力の秘密
戦国武将の経済学(1)織田信長の経済政策
小和田哲男(静岡大学名誉教授/文学博士)
群雄割拠の戦国時代、並みいる武将たちの戦いぶりは話題になっても、懐具合やお金の回し方を論じることはこれまでなかった。しかし、戦を行うにも領国経営をするにも、経済的な戦略がなければかなわない。第1回では織田信長の経済政策を見ていく。(全4話中第1話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:12分26秒
収録日:2019年11月22日
追加日:2020年2月23日
≪全文≫

●「富を制する者が天下を制す」


―― 皆さま、こんにちは。本日は小和田哲男先生に「戦国武将の経済学」についてお話をうかがいたいと思います。さて先生、一般には戦国武将を経済で見るということはあまりないと思いますが。

小和田 そうですね。そこは、どうやって戦って勝ったかということが主ですね。

―― しかし、普通に考えれば、経済がないことには立ち行かない、と。

小和田 よく「富国強兵」と言いますからね。

―― 「富国」も、例えば金山を見つけたとか、農民を働かせたとか、どうしてもそういうステレオタイプの考えになってしまいますけれど、実は非常にいろいろなことを考えていたはずです。当時は南蛮貿易もありましたし、いろいろな道がありました。

 小和田先生は、NHK出版『さかのぼり日本史』7巻目の「戦国」を担当され、サブタイトルを「富を制する者が天下を制す」にされています。それぞれの武将がどんな経済的な戦略を行ったか、非常に面白くまとめておられるので、今日はそのお話をうかがいたいと思います。


●織田家の経済力は「港」から始まった


―― まずは、やはり織田信長ですね。信長の経済政策をお聞きしたいのですが、信長というと鉄砲をいきなり三千挺もそろえたといわれています。当時の鉄砲は相当高価だったというイメージですから、それだけの規模でそろえたのはすごかったともいわれています。しかし、そもそもなぜ織田家にそれだけの財力があったのでしょうか。

小和田 信長は、よく突然変異のように降り立った天才めいた言い方をされますが、実は信長の父親の織田信秀がそういう商品流通経済に長けていた人なのです。

 信秀の最初の居城が、今の津島(愛知県津島市)の近くで、愛西市と稲沢市の境に勝幡城という城を構えました。そのすぐ近くに「津島湊」という、当時の木曽川の有名な港町があります。そこを押さえていたので、結構財力がありました。それを見て育った信長自身も、商品流通経済に早くから目覚めていたということです。

 父親が押さえた津島湊と熱田湊という二つの港は、伊勢湾舟運のメッカでした。そこを信長もちゃんと押さえたので、港から、あるいは港の商人から上がる冥加金などで、兵農分離を進めたり、鉄砲を買ったりすることができたと思います。

―― 田畑に依拠しない経済だったのですね。当時は、どのようにそこでお金を集めた...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
『昭和16年夏の敗戦』と『昭和23年冬の暗号』
『昭和16年夏の敗戦』『昭和23年冬の暗号』が映す未来とは
猪瀬直樹
本当のことがわかる昭和史《1》誰が東アジアに戦乱を呼び込んだのか(1)「客観的かつ科学的な歴史」という偽り
半藤一利氏のベストセラー『昭和史』が持つ危険な面とは?
渡部昇一
「三国志」の世界とその魅力(1)二つの三国志
三国志の舞台、三国時代はいつの・どんな時代だったのか?
渡邉義浩
独裁の世界史~ギリシア編(1)世界史の始まり
「独裁政から始まる」という世界史の諸相に迫る
本村凌二
中国史概説~『皇帝たちの中国』を読む(1)なぜ「中国史はつまらない」のか?
驚きの中国史~「中国史はつまらない」という通説の裏の波乱の真実
宮脇淳子
戦史に見る意思決定プロセス~日本海軍の決断(1)日本海海戦・東郷平八郎
なぜ東郷平八郎はバルチック艦隊を対馬で迎え撃ったのか?
山下万喜

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(21)中西輝政先生:アメリカの本質
【10min解説】独立250年、アメリカの理念と本質とは?
テンミニッツ・アカデミー編集部
【入門】日本仏教の名僧・名著~源信編(1)末法思想と浄土信仰
末法直前に法華一乗思想と浄土信仰を両立した源信の教え
賴住光子
中国史概説~『皇帝たちの中国』を読む(2)三大要素は「皇帝」「都市」「漢字」
中国皇帝の実像は都市ネットワークを握る「最大の資本家」だった
宮脇淳子
中国春秋戦国時代と始皇帝(序)映画『キングダム』の中国史監修
中国古代史の真実と『キングダム』…史実がわかれば物語はもっと面白い
鶴間和幸
アメリカの理念と本質(1)西洋文明の行き着いた先と三つの建国
アメリカの理念と本質とは?…まず「三つの建国」から原点に迫る
中西輝政
日本の財政の真実を検証する(2)なぜ財政危機は起きていないか
なぜ財政危機は起きていないのか…国債の金利のトリックを読み解く
宮本弘曉
AI大格差~最新研究による仕事と給料の未来(1)最新研究から見えてくる未来像
AI大格差…なぜ日本の雇用環境では「ショックが大きい」のか?
宮本弘曉
老子の神髄(4)生成化育と突破力
生成化育――「自ずと然り」のメッセージと「突破する力」の歓喜
田口佳史
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か(7)自分の人生のために
AI時代こそAIでなく「生きた学び」で自分の人生を膨らませる
橋爪大三郎
ウェルビーイングを高めるDE&I(1)人と組織を取り巻く環境変化:前編
人材はコストではない!人的資本経営が注目されている背景
青島未佳