エネルギーと医学から考える空海が拓く未来
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
雄大で雄渾な生命の全体像…その中で点滅する個々の生命
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(5)『秘蔵宝鑰』が示す非二元論的世界
全ては光だと説く空海が、なぜその著書『秘蔵宝鑰』で、「死に死に死に死んで死の終りに冥(くら)し」と書いたのか。『秘蔵宝鑰』については、以前のテンミニッツ・アカデミー講義でも解説したが、そこから半年かけてこの書を読み返して、新たな解釈に至り、これまでの疑問が解けたという。個別生命における認識の限界を自ら設けることこそが「暗さ」であり、生命の光に覚醒すれば真如の世界となるのである。しかし個々人は、どうしても「分割」したものの見方に囚われて、それが見えていないのだ。空海が至った境地はいかなるものであったのか。その真髄を求めていく。(全6話中第5話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツ・アカデミー編集長)
時間:8分29秒
収録日:2025年3月3日
追加日:2025年11月26日
≪全文≫

●「死に死に死に死んで死の終りに冥し」の新しい解釈


鎌田 『秘蔵宝鑰(ひぞうほうやく)』ですが、以前テンミニッツ・アカデミーでも少し述べましたけれど、あれから半年以上たって、私、新しい解釈ができたのです。『秘蔵宝鑰』を読み直しました、何度も。

 冒頭にこの詩があるのですね。漢詩ですね。これを書き下せば、こうなります。

《悠々たり悠々たり太(はなは)だ悠々たり 内外(ないげ)の縑緗(けんしょう)千万の軸あり
杳々(ようよう)たり杳々たり甚だ杳々たり 道をいい道をいうに百種の道あり
書死(た)へ諷死(ふうた)へなましかば本何(もといかん)がなさん
知らじ知らじ吾れも知らじ……(欠文)
思い思い思い思うとも聖(しょう)も心(し)ることなけん
牛頭草を嘗めて病者を悲しみ 断菑(だんし)車を機て迷方を愍(あわれ)む
三界の狂人は狂せることを知らず 四生の盲者は盲なることを識(さと)らず
生れ生れ生れ生れて生(しょう)の始めに暗く
死に死に死に死んで死の終りに冥(くら)し》

 この最後の言葉はあまりにも有名な言葉なのですが、最後の言葉がよく分からなかったのです。「光が全てだ。通信もモビリティも情報も全部1つだ。光なんだ」と言っている、空海ほどの人が、「生れ生れ生れ生れて生の始めに暗く」とは何ごとか、と。なぜ分からないのか。暗いということが分からない、不明ということなのでしょう。つまり全部オンになりきっていないということなのです。暗いというのは限界があるということなのです。

 そして、「死に死に死に死んで死の終りに冥し」。つまり、生の始まりもよく分からない、死の終わりもよく分からない、ということを言っているのです。言っていることは、「生死不明」ということなのです。これでは解決にならないじゃないかと。

 でも、解決(の道)はあるはずだと考え直して、それで読み返しました。

《悠々たり悠々たり太だ悠々たり 内外の縑緗千万の軸あり
杳々たり杳々たり甚だ杳々たり 道をいい道をいうに百種の道あり》

 ここに秘密があるなと思ったのです。つまり、命、生命と光はもう本当に雄渾で、雄大で、甚だ雄大で、もうこれは理解を超えている、人間の認識の限界を超えているものなのだという...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「哲学と生き方」でまず見るべき講義シリーズ
「心から幸せになるためのメカニズム」を学ぶ(1)心理学研究と日本の幸福度
実は今、「幸せにも気をつける」べき時代になっている
前野隆司
人の行動の「なぜ」を読み解く行動分析学(1)随伴性
「なぜ人は部屋を片付けられないか」を行動分析学で考える
島宗理
キケロ『老年について』を読む(1)キケロの評価と「老年の心構え」
老年が惨めと思われる4つの理由とは…キケロの論駁に学べ
本村凌二
世界の語り方、日本の語り方(1)なぜ「語り方」なのか
今後身に付けるべき知性として「新しい語り方」を考える
中島隆博
神話の「世界観」~日本と世界(1)踊りと物語
世界の神話の中で異彩を放つ日本神話の世界観
鎌田東二
禅とは何か~禅と仏教の心(1)アメリカの禅と日本の禅
自発性を重んじる――藤田一照師が禅と仏教の心を説く
藤田一照

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(10)ユダヤ人特集~鶴見太郎先生
【10min解説】鶴見太郎先生《教養としてのユダヤ人の歴史》
テンミニッツ・アカデミー編集部
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
イラン戦争とトランプ大統領の戦争指導(3)戦争終結シナリオと大統領選挙の行方
MAGA連合に亀裂!?イラン戦争が及ぼす大統領選への影響
東秀敏
イスラエルの歴史、民族の離散と迫害(1)前編
古代イスラエルの歴史…メサイア信仰とユダヤ人の離散
島田晴雄
経験学習を促すリーダーシップ(1)経験学習の基本
成長を促す「3つの経験」とは?経験学習の基本を学ぶ
松尾睦
大統領に告ぐ…硫黄島からの手紙の真実(2)翻訳に込めた日米の架け橋への夢
アメリカ人の心を震わせた20歳の日系二世・三上弘文の翻訳
門田隆将
ラフカディオ・ハーン『神国日本』を読む(1)なぜ『神国日本』なのか?
ラフカディオ・ハーンが解明した「美しい日本」の秘密と未来
賴住光子
日本人とメンタルヘルス…心のあり方(7)若者の引きこもりと日本の教育問題
日本の引きこもりの深い根源…「核家族」構造の問題とは?
與那覇潤
これから必要な人材と人材教育とは?(2)AI時代に必要とされる能力
AI時代に必要なのは「問いを立てる能力」…いかに育成するか
柳川範之
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(序)時代考証が語る『豊臣兄弟!』の魅力
織田家中一の武略者…『豊臣兄弟!』秀吉と秀長の知られざる実像
黒田基樹