逆境に対峙する哲学
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
モンテーニュの告白「学が邪魔をすることがある」と百姓の力
逆境に対峙する哲学(7)試練と祟りと弱さの力
西洋では逆境を神からの「試練」と捉えたが、神道では「祟り」と捉える。祟りに対しては下手の考え休むに似たり、儀式の中で和解するしかない。16世紀の哲学者モンテーニュは、ペストの流行や宗教戦争の中、たくましく生きる百姓たちに憧れを抱いた。そして彼は自分が固定観念にがんじがらめになっていると告白している。そこにあるのは「弱さの力」ではないだろうか。(全10話中第7話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツ・アカデミー編集長)
時間:16分25秒
収録日:2025年7月24日
追加日:2026年1月9日
≪全文≫

●信仰と哲学の関係、日本ではどうだったのか


―― ここで最初のお話に戻るのですが、「逆境は何の逆だろう」という話になったときに、板東先生のほうから、日本の神道においては神様が出てくるのがそういうシーンだというお話がありました。そして、これもまた前半のほうの話でしたけれども、超越者、全知全能、要するに創造主としての神がいる場合、特にプロテスタントなどの場合は「全てを神が決めている」と。だから試練があったとき、「この試練は神様が作ったものですから」と、本当に心の底から思えるかどうかというところがある。

 本当に心の底からそう思っている方であれば、今ご指摘のあったネガティブ・ケイパビリティを多分持っているはずなんですよね。「それは神様がお作りになった試練ですから、それを感受するのが私の務めでございます」ということになるでしょう。あるいは日本の神道のように、そこに神がいるということになる場合には、その神様に来ていただいて、おもてなしで去っていただけるかどうかは分からないですが、何らかの対処をしなければいけない局面だという認識になってくるでしょう。

 今日のお題は「逆境に対峙する哲学」ですが、逆境ということでみた場合に、自分で考えたり、何かする哲学の部分と、信仰的な部分というのでしょうか。日本の神様であれ全知全能の神様であれ、「それがあると、いわゆるネガティブ・ケイパビリティが持てます」ということになった場合、方法論はいろいろあるような気がします。その部分について哲学するとなると、信仰の部分と哲学の部分はどういう関係性になるのだろうか。ここのところを神道のほうから言うと、板東先生、いかがなものですか。

板東 そうですね。神道というか、「逆境と対峙する哲学」のテーマをいただいたときに私が思ったことです。逆境に陥ったときに哲学するというのが原理的に考え抜くということだとすると、何かの日常が破れて危機に陥ったときに、「考えることで救われることはあるのだろうか」という気がちょっとしました。つまり、逆境に陥ったときに哲学するべきなんだろうかということです。

 「信じる」というのは、古典的には昔は信じていたわけです。逆境に陥ったらとりあえず、日本なら神仏ですし、別の宗教圏では別の神様でしょうが、心から信じることで救われる。それにより、逆境に対するある程度の対処ができる。...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「哲学と生き方」でまず見るべき講義シリーズ
『「甘え」の構造』と現代日本(1)「甘え」のインパクト
『「甘え」の構造』への誤解…甘えはダメなものなのか?
與那覇潤
神話の「世界観」~日本と世界(1)踊りと物語
世界の神話の中で異彩を放つ日本神話の世界観
鎌田東二
日本人が知らない自由主義の歴史~後編(1)ニューリベラリズムへの異議
ハーバート・スペンサーとダイシー…20世紀の危機の予言者
柿埜真吾
「ホメロス叙事詩」を読むために(1)ホメロスを読む
2700年前のホメロスの叙事詩が感動を与え続ける理由
納富信留
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
『還暦からの底力』に学ぶ人生100年時代の生き方(1)定年制は要らない
仕事をするのに「年齢」は関係ない…不幸を招く定年型思考
出口治明

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(30)AI時代の企業と道徳
【10minで考える】CPO(最高哲学責任者)…AI時代に必須の哲学とは
テンミニッツ・アカデミー編集部
資本主義の再定義…哲学で考える(1)アダム・スミスの「市場と感情」
資本主義を哲学する…まずアダム・スミスの見えざる手と道徳感情論
中島隆博
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
仏教とキリスト教が照らし出す日本の宗教(2)教義の宗教と覚りの宗教
キリスト教は教義の宗教、仏教は覚りの宗教…仏教はなぜ普遍宗教か
橋爪大三郎
新撰組と幕末日本の「真実」(6)新撰組結成と清河八郎、芹沢鴨
清河八郎と芹沢鴨…乱闘事件や大和屋焼討事件の真相とは?
堀口茉純
徳川将軍と江戸幕府~井伊直弼編(1)桜田門外の変と井伊直弼の人物像
「桜田門外の変」の謎…井伊直弼の警護に問題はなかったのか
山内昌之
もののあはれと日本の道徳・倫理(1)もののあはれへの共感と倫理
本居宣長が考えた「もののあはれ」と倫理の基礎
板東洋介
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か(2)大規模言語モデルが孕む問題
AIは頭のないオウム?…AIがAIを引用する世界に創造性はあるか?
橋爪大三郎
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博
中国春秋戦国時代と始皇帝(序)映画『キングダム』の中国史監修
中国古代史の真実と『キングダム』…史実がわかれば物語はもっと面白い
鶴間和幸