外交官として国家間の問題、対立を平和的に解決していく仕事をしてきた小原氏。そうした努力もあり、戦後約80年間、戦争がなかった日本だが、もし他国が攻めてきたら、私たち一人ひとりはどのように行動すべきなのだろうか。あるいは、それ以前に国家間の衝突を未然に防ぐためにどうずればいいののか。こどもたちへのメッセージとして、「小さな外交官」としての考え方と少年兵の問題について考える。(2025年8月23日開催:紀伊國屋書店トークイベントより、全6話中第3話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツ・アカデミー編集長)
≪全文≫
●一人ひとりが「小さな外交官」になる
小原 私は外交官として、外交という分野でいろいろな国と話をして、平和的にいろいろな問題、対立を解決していくという仕事をしてきました。したがって、皆さんにもぜひ学校で、例えばけんかがあったり、対立があったり、難しい問題が解決できなかったりしたとき、絶対に暴力に訴えることがあってはいけないし、いじめがあってはいけないし、みんなで仲良く、話し合いをしながら問題を解決していく、そんな努力をしていただきたいのです。それが、私は将来の、未来の平和につながっていくことだと思います。
そうした努力が、みんなの努力が、学校だけではなくて、もっと広い社会に広がり、そして世界に広がっていきます。そういうことが未来の平和をつくっていくことになるのではないかと思うのです。
ということで、ぜひ皆さんにここで、みんなが学校のクラスの中で、例えば、けんかを止めたことがあるとか、あるいは対立があったり、難しい問題が起きたときに、みんなで一生懸命話し合って解決したことがあるという、そんなことがあったお子さんは「はい」を挙げてください。
―― けんかを止めたとか、「そんなことしちゃダメだよ」と言ったとか、そういうところでしょうかね。これは両方ですね。「いいえ」の方もいますし、「いいえ」の方が多いですね。「はい」の方がお一人でしょうか。先生、これは本当に難しいですよね。
小原 難しいですね。
―― 例えば、けんかを止めてしまって巻き込まれたりとか、いじめを止めていじめに巻き込まれたりということもありますから、そのあたりも本当に難しい。
小原 そうですね。だから、それは1人で考えないで、みんなと相談する。あるいはお父さんお母さんと相談することがとても大事です。私は外交官として戦争を止めたい、あるいは対立を和らげたいと思ったときには、いろいろな国の人たちとお話をするわけです。一緒になって問題を解決していこうとするのです。だから、皆さんも1人で抱えないで、同じような気持ちを持っている友だちと話し合い、あるいは先生と話し合い、クラスあるいは学校を少しでも良くしていくという努力、こういうことをやっていただきたいのです。
そうすると、みなさんは「小さな外交官」になれるかなと思うのです。そんな小さな外交官がたくさん増えていってくれることが、たぶん日本の平和...