AI時代と人間の再定義
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考えるとは相手の頭を使って考えること…共同で思考する意義
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AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
中島隆博(東京大学東洋文化研究所教授)
AIは考えているのか、考えていないのか――この問いについて議論する前に、そもそも「考える」とは何なのかという大問題がある。この問題について、マルクス・ガブリエル氏は身体と結びつけて「考覚」という表現で考えている。ではAIにとって「考える」こと、思考をどう捉えればいいのか。そこで今回から「AI時代と人間の再定義」というテーマで、7回にわたって講義を進めていく。第1話では、AIと人間の思考の違いについて議論を深めていく。(2025年7月12日開催:早稲田大学Life Redesign College〈LRC〉講座より、全7話中第1話)
※司会者:川上達史(テンミニッツ・アカデミー編集長)
時間:11分36秒
収録日:2025年7月12日
追加日:2026年1月23日
≪全文≫

●AIは考えているのか、考えていないのか


―― おはようございます。どうぞよろしくお願いいたします。本日のテーマは「AI時代と人間の再定義」です。皆さん、AIをお使いになっていて、AIは考えていると思いますか。考えていないと思いますか。という質問です。

 AIは考えていると思う方は挙手をお願いできますか。

(聴講者の反応を見て)……案外少ないですね。

 では、AIは実は考えていないのではないかと思っていらっしゃる方は。

(聴講者の反応を見て)……ほとんど。なるほど。

 今日はそのあたりのお話も含めてということになります。まず、AIは考えているか、考えていないかというところでいうと、先生のご見解はどういう感じですか。

中島 どうもありがとうございます。考えるということ自体が何なのかという大問題があります。また後でこれは詳しく述べてみたいと思いますけれど、やはり人間が考えるという仕方でAIが考えるということは、なかなかないのではないかと思います。

―― その見解がある一方、実際AIをお作りになっている、岡野原大輔さんはどういう方かといいますと、Preferred Networksという会社で、実際に日本版の生成AIをお作りになっている技術者の方でいらっしゃいます。この方の(テンミニッツ・アカデミーでの)講義はどういう講義かといいますと、実際どういうプロセスで生成AIを作っているのか、どういう勉強をさせて生成AIが動いているのかというのをかなり詳しく、分かりやすく解説いただいた講義です。

 その方によると、どうもまさに先生がおっしゃった答えも一部あるのですが、人間が考えるということ自体がまだ科学的に分かっていないので、何とも分からないけれど、やればやるほど、どうもAIは考えているのではないかとしか思えなくなってきたというのが、その人の答えなのですね。

中島 それはどういう理由で?

―― (それは)どうも出てくる結果のようです。そこで挙げている事例が、どう勉強させるかというところです。要は人間が与えられる問題には限度がありますから、もうコンピュータに勝手に勉強させるのです。それで、どういう勉強をさせているかというと、膨大なテキストを自分たちで穴埋め問題にすると、勝手に自分で「ここの問題を、(ここの)言葉を抜いて、それを埋める」ようなことを延々とやらせるそうです。

 そうすると、いろんな文脈を読...

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