戦争の不安が渦巻く中、防衛力の強化という問題について私たちはどのように考えればいいのか。参加者の子どもたちと一緒に考えながら、最後に大事な言葉としてビスマルクの名言を取り上げる小原氏。個人の経験には限りがあるが、人類の歴史はたくさんの教訓を与えてくれるという。歴史に学ぶことの重要性を改めて訴える。(2025年8月23日開催:紀伊國屋書店トークイベントより、全6話中第5話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツ・アカデミー編集長)
≪全文≫
●なぜ戸締りをするのか――防衛力の強化という問題
小原 1つ簡単な質問なのですけれど、皆さんのおうちは、夜になると戸締まりしますよね。なぜ戸締まりするのでしょうか。そこにはどんな感情が生まれて、戸締まりするのでしょうか。簡単にその紙に書いてみてください。先ほど書いたような、怖いというのでもいいですよ。
―― いかがでしょうか。では発表していただきましょう。
【会場からの意見】
不審者が入ってこないようにするため
知らない人が入ってきたら怖いから
悪い人が入ってこないように
誰かが勝手に入らないようにするため
泥棒が家に入ってきて、金品を盗まれるかもしれないから
泥棒や不審者が入ってこないようにするため
自分の身を守るため
―― そうですね。本当にそうです。最近はなかなか怖いご時世でございますから、皆さん、そういう答えになるのはそうだと思います。先生、これで見えてくるものはどういうことでございますか。
小原 こちらは、本(『こども戦争と平和 戦争と平和について考えるきっかけとなる本』)の120ページです。「日本は防衛力を強化すべきか、すべきでないか」という問題です。これは大人が考える話なのですけれど、ここの世論調査を見たら分かるように、昔とは違って、国を守るための防衛力を日本はもっとつけるべきではないかという声がだんだん強くなってきているわけです。
それは先ほど言ったように世界で戦争が起きてきている。それから、先ほどの世論調査にもあったように、日本も戦争に巻き込まれるかもしれない、そんな不安が広がっている。そうすると今、子どもたちが答えてくれたが、自分のおうちも戸締まりをするのと同じように、日本という国も戸締まりをしっかりしないと、攻撃されてしまうかもしれません。そんな空気が今、広がっているのだなということを感じるわけです。
ということで、実はもう時間が来てしまったので、私自身はもっと皆さんとお話をしたいのですけれど、そろそろお開きにしないといけないということで、最後締めていただいて、よろしくお願いします。
●経験ではなく歴史に学ぶことの重要性
―― そうですね。最後に先生からこの言葉を伝えたいというひと言があるので、それだけ、ではご解説をいただきます。
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