イラン戦争と終末論
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なぜイラン戦争がこのタイミングなのか?戦略的背景に迫る
イラン戦争と終末論(1)イラン戦争の戦略的背景と米国の政策
東秀敏(米国大統領制兼議会制研究所(CSPC)上級フェロー)
2026年2月、アメリカ軍とイスラエル軍の奇襲空爆によりイラン戦争が勃発し、イランの最高指導者ハメネイ氏が殺害された。この衝撃的事態の背後には、宗教的終末論が加速要因として深く関わっている。聖書の預言を現実の軍事作戦に重ね合わせ、「第三の神殿」再建を渇望する宗教右派の動向は、米軍の指揮文化までも変貌させている。第1話では、キリスト教シオニズムやメシアニズムが米国の国家政策に与える影響について解説する。(全3話中第1話)
時間:10分00秒
収録日:2026年3月16日
追加日:2026年5月11日
カテゴリー:
≪全文≫

●なぜ今か?――イラン戦争の戦略的背景


 よろしくお願いします、東秀敏でございます。本日は「戦争と終末論」というテーマで、宗教的終末論と今回の2026年イラン戦争に関して説明させていただきます。

 まず要旨として戦争、神学、政治という三つに分けられるのですが、今回の戦争における一つの重要な要素として宗教があります。今の戦争を見ていきますと、かなり宗教戦争の形に移行しています。

 ここで、宗教戦争における大事な概念である終末論に焦点を当てて見ていきたいのですが、まず戦争に関していいますと、2026年2月28日にアメリカとイスラエルはイランへの奇襲空爆を実施しまして、ハメネイ・イランのハメネイ最高指導者を殺害しました。

 ここで、世俗的な戦略的論理が決定を主導したのですが、宗教的終末論は分析上、重要な加速要因であるということで、宗教の要素がどのように戦略に影響するのかを詳しく見ていきます。

 まず戦略的背景を見てみますと、世俗的戦略論理と宗教的レイヤーに分けられます。世俗的戦略論理を見ていきますと、2026年2月28日にアメリカとイスラエルがイランに奇襲攻撃をしました。

 当初の目標は政権交代と核およびミサイル計画の破壊を狙ったものです。侵攻の機会は、制裁と2025年6月の「12日間戦争」後のイランの脆弱化で、弱いうちに叩いてしまうという、一つのチャンスの窓を開けたわけです。ここで、ハメネイ最高指導者が開戦劈頭の攻撃で死亡しました。これは、イスラエルの作戦が主導したものといわれています。アメリカの作戦のコード名は「オペレーション・エピック・フューリー」というものです。

 ここでどのように宗教が絡んでくるかを見ていきたいと思います。

 まず「なぜ今か?」ということですが、タイミングとしては3月初旬にある「プリム祭」というユダヤ教における記念日があるのです。これは何かといいますと、古代ペルシャ(今のイラン)での生き残りを記念するユダヤの祭りです。生き残りは当時の古代イスラエル人のことを指しており、プリムはイランを古代のイスラエル人がやっつけたという、旧約聖書の話に則っています。 ネタニヤフ首相は、演説でも確認できるのですがイランを「アマレク」と...

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