イラン戦争と終末論
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イラン戦争で反ユダヤ主義が加速!?トランプ政権へのリスク
イラン戦争と終末論(2)終末論とトランプ政権への影響
東秀敏(米国大統領制兼議会制研究所(CSPC)上級フェロー)
聖書の物語を引用し、戦争を神聖な義務と位置づけるイスラエルのネタニヤフ政権。一方、アメリカでもトランプ大統領が宗教右派の支持を背景に、エルサレムへの大使館移転など、終末論的意義を持つ政策を断行してきた。軍内部でも戦争を「神の計画」と捉える思想が浸透しており、宗教が政治権力の強固な盾となっている実態が浮き彫りになる。第2話では、混迷を極めるイラン戦争の背景にある、アメリカとイスラエルに共通した「終末論」とトランプ政権への影響について解説する。(全3話中第2話)
時間:9分54秒
収録日:2026年3月16日
追加日:2026年5月11日
カテゴリー:
≪全文≫

●ユダヤ教終末論とイスラエル政治


 先ほどまでキリスト教終末論について話しましたが、ユダヤ教終末論も結構重要な要素であり、これがどのようにイスラエル政治と絡むかを見ていきたいと思います。

 まずメシア的枠組みがあり、マシアッハ、つまりメシアなのですが、ダビデ家の人間の指導者がメシアの血統に当たります。正義を回復してユダヤ人を故郷の地に帰還させ、そして神殿を再建するという役割をメシアは果たします。

 マイモニデスの3要件があり、ダビデ王家の指導者、神殿再建、ディアスポラの帰還、このような3要件を満たすのがメシアです。

 イランを「アマレク」(と呼んだということですが、)これはユダヤ人の敵なのですけれど、ネタニヤフ首相は聖書の宿敵の物語を採用しまして、妥協を排除して戦争を神聖的な義務として枠組みするということです。ユダヤ教にはプリム祭が3月の初頭にあるのですけれど、このタイミングに合わせて開戦したのです。これはどういうことを意味するかといいますと、古代ペルシャ、つまり今のイランでの生き残りのユダヤ人を記念する祭りに合わせた開戦なのです。

 ネタニヤフ首相は、攻撃後の会見を「シェマ・イスラエル」(「イスラエルよ、聞け」を意味するユダヤ教の祈りの言葉)で開始しました。彼は今まで世俗主義で政治をやっていたわけなのですけれど、これはかなり宗教色が強くなっている(ということです)。

 第三の神殿運動があります。「神殿の丘」といわれるところが今、イスラエルにあるのですが、現在、岩のドームとアル=アクサー・モスクが建ち、地球上で最も“爆発的”な聖地になっています。

 ここで、イスラエル軍の兵士がメシア的文様を入れた第三の神殿のパッチを腕に付けているのです。これは、イスラエル軍としては公式に禁止しているのですが、各兵士が結構メシア思想に感化されて第三の神殿のパッチを腕に付けているということです。ということは、米軍と同じようにこのような終末思想がイスラエル軍にも浸透しているということなのです。

 ベン・グビルとスモトリッチというネタニヤフ政権の閣僚も神殿の丘の主権変更を強烈に推進しています。スモトリッチは、イスラエルを「コーヘン(祭司)の国家」にすることを目標としています。

 クネセットというイスラエルの議会の議員が各党...

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