教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」
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一神教とは、選民思想の真相とは…ユダヤ教の「最終目的」を考える
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ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
鶴見太郎(東京大学大学院総合文化研究科 地域文化研究専攻 准教授)
ユダヤ人とはいったい誰のことなのか。ユダヤ教とはどのような宗教なのか。彼らはどんな歴史をたどってきたのか――「世界史の教養」として知っておくべき、これらの重要な問いに対して、私たち日本人にはうまく答えられないという現実があるのではないだろうか。そこで今回のシリーズ講義ではそれらに答える形で、サントリー学芸賞(2025年)、新書大賞(2026)第2位に輝いた『ユダヤ人の歴史』(中公新書)の著者・鶴見太郎氏に、著書を参照しながら分かりやすく丁寧に解説いただいた。まず第1話では、「ユダヤ人とは誰か」「ユダヤ人と世界の歴史とは」「ユダヤ教とは」という概論を解説いただく。(全9話中第1話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツ・アカデミー編集長)
時間:15分06秒
収録日:2025年12月5日
追加日:2026年4月13日
≪全文≫

●ユダヤ人の全体像を知る


―― 皆さま、こんにちは。今回は鶴見太郎先生に「ユダヤ人の歴史」についてお話を伺います。先生、どうぞよろしくお願いいたします。

鶴見 よろしくお願いします。

―― こちらの『ユダヤ人の歴史-古代の興亡から離散、ホロコースト、シオニズムまで』(鶴見太郎著、中公新書)ですが、ユダヤ人ということで、それこそドイツのホロコーストがあったりとか、差別問題があったり、その半面、逆に陰謀論みたいなものがあったりして、いろいろな情報が来てしまうところもあると思うのです。

 一方で、日本人からするとやや身近でないというところもあって、いろいろな誤解も生じがちだと思うのです。このご本を出されて、そのあたりのご反響というか、何か印象深いことはございましたか。

鶴見 ユダヤ人についてまったく聞いたことがないという方はいない一方で、だいたい断片的にしか知らなかったという方がほとんどです。それは世界史の教科書でも最初のほうと、ホロコーストぐらいの時期、あるいはイスラエル建国とシオニズムみたいなもの、あと中東戦争です。そこにしか出てこないので、その間何をやっていたのかとか、全体像というのが全然分からなかった中で、1冊でそこがスッキリ分かったという感想が一番多かったかなと思います。

―― 例えば、一般的なイメージでいうと、(ユダヤ人は)差別されますよ、みたいなイメージもあれば、一方で、金融系で多いですねとか、商業が多いとか、お金持ちが多いとか、そういうイメージもあります。それがどういう歴史的背景なのかというのもこの本を読むとすごく(分かりますよね)。

鶴見 そうですね。歴史とか社会、世界の中で目立つ局面があるのがユダヤ人なのですけれど、最近でいうとイスラエル関連で非常に目立っているわけです。どうしても目立つところだけで判断しがちになってしまうので、例えば金融関係も確かに金融業者、ユダヤ人の世界の中での人口が少ない割には金融関係でユダヤ人はそれなりにいるということはあるのです。でも、ユダヤ人全体の中で金融をやっている人は本当にごく一部なのです。ですから、そこだけ見て、ユダヤ人全体を判断するというのはかなり、本当はずれてしまう話なのです。


●キリスト教徒の間で流布する陰謀論…古典に見るユダヤ人差別


―― ユダヤ人の差別ということを考えたときに、この『ユダヤ人の...

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