教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
歴史の中のユダヤ人大量虐殺…ポグロムとホロコーストの違い
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(7)ポグロムとホロコースト
鶴見太郎(東京大学大学院総合文化研究科 地域文化研究専攻 准教授)
「ポグロム」と「ホロコースト」と呼ばれる19世紀末から20世紀の大戦期にかけて起こったユダヤ人虐殺。なぜその時期にそのような負の歴史が繰り返されたのか。その違いと意味を丁寧に解説しながら、政治状況や権力との関係性の中で差別され、暴力のターゲットにされたその歴史を振り返る。(全9話中第7話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツ・アカデミー編集長)
時間:11分03秒
収録日:2025年12月5日
追加日:2026年4月28日
≪全文≫

●ユダヤ人への敵視から生まれたポグロム


―― 今の見方ともつながってくる話になりますが、それこそヨーロッパ各地のいわゆる「ポグロム」といわれる虐待現象が起きる。あるいは、ナチス・ドイツが典型的ですけれど、「ホロコースト」ということで大量虐殺が行われるということで、そのポグロムとホロコーストということがありますけれど、言葉としてのポグロム、ホロコースト(についてお聞きしたいと思います)。まずポグロムとは何語になるのですか。

鶴見 もともとはロシア語です。それでだいたい民衆暴力というか、民衆が別の民衆を集団で襲ったりすることをポグロムと呼びます。ほとんどそのターゲットになるのがユダヤ人だったので、だいたいポグロムといえば、特に説明がなければ、だいたいユダヤ人がやられる事件のことを指します。

―― これは年代でいうといつぐらいが中心になるのですか。

鶴見 ポグロムと呼ばれる中で犠牲者が一番多かったのは、ロシア革命の後に起こった内戦期、あるいは第一次世界大戦からその内戦期にかけての時期、そこがピークと考えられます。その頃にはポグロムという言葉は非常に流通しています。中世に起こったユダヤ人襲撃事件も遡及的にというか、ポグロムと呼ばれたりもするので、そういう意味ではいつが最初のポグロムかはなかなか難しいのですけれど、特に吹き荒れたのは19世紀の、1881年にけっこう大きなものが起こって、(そのあとは)1903年から1906年にかけて、あとは内戦期です。そのあたりが大きなポグロムがあった時期です。

―― その言葉がある意味遡って、中世期などのユダヤ人虐待もポグロムという言葉が使われるようになったといいますが、この2つ、(つまり)中世期のユダヤ人虐待と20世紀初頭の(ユダヤ人)虐待とでは、何か違いはあるものなのですか。

鶴見 襲われたユダヤ人からするとあまり違いは感じなかったと思います。構造として、昔あった、民衆がユダヤ人の商店を襲うみたいなことはだいたいポグロムといわれるので、そこだけ切り取れば、基本的には同じことです。背景も複雑なので、なかなか一概にいえないのですが、何かしら三者構造、三者関係の中で民衆の間に、ユダヤ人が非常に敵視される状況が高まったときに爆発して起こるのは基本的には同じです。中世でも農民が不満をためて、というパターンが基本的なところです。


●ポグロムの背景に...


スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
ソフトな歴史学のすすめ(1)グローバル・ヒストリーと民俗学
グローバル・ヒストリーの中で日本の歴史を俯瞰する意味
上野誠
本当のことがわかる昭和史《1》誰が東アジアに戦乱を呼び込んだのか(1)「客観的かつ科学的な歴史」という偽り
半藤一利氏のベストセラー『昭和史』が持つ危険な面とは?
渡部昇一
「三国志」の世界とその魅力(1)二つの三国志
三国志の舞台、三国時代はいつの・どんな時代だったのか?
渡邉義浩
百姓からみた戦国大名~国家の本質(1)戦国時代の過酷な生存環境
戦国大名と民衆の過酷な課題…飢饉の常態化をどう生き延びるか
黒田基樹
技術と民生から見た明治維新(1)遠藤謹助
遠藤謹助―造幣局をつくった「造幣の父」
山内昌之
天下人・織田信長の実像に迫る(1)戦国時代の日本のすがた
織田信長の「天下」とは…最新研究で激変する人物像・時代像
柴裕之

人気の講義ランキングTOP10
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か(3)リベラルアーツの伝統と教育
身につけるべきリベラルアーツとは?…欧米の伝統と変遷から探る
橋爪大三郎
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫
飽食時代の「選食」のススメ(1)選食の提唱と「食の多様性」
肥満、認知症、低栄養…飽食の時代に大事な「選食力」3カ条
堀江重郎
ウェルビーイングを高めるDE&I(6)エクイティ実現と特権性の理解:前編
改札、公衆トイレ、在宅勤務…構造的格差とエクイティの意味
青島未佳
AI大格差~最新研究による仕事と給料の未来(1)最新研究から見えてくる未来像
AI大格差…なぜ日本の雇用環境では「ショックが大きい」のか?
宮本弘曉
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
AI時代と人間の再定義(2)仏法僧の三宝と対話による道徳的進歩
考えるとは相手の頭を使って考えること…共同で思考する意義
中島隆博
なぜ働いていると本が読めなくなるのか問答(1)読書と教養からみた日本の近現代史
『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』で追う近現代史
三宅香帆
イラン戦争と終末論(1)イラン戦争の戦略的背景と米国の政策
なぜイラン戦争がこのタイミングなのか?戦略的背景に迫る
東秀敏
昭和の名将・樋口季一郎…キスカ・占守島編(1)キスカ島撤退作戦
5200人の将兵を救え…米軍も称賛した「キスカ島撤退作戦」の奇跡
門田隆将