教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
金融業にユダヤ人が多い理由、そして大国興亡史の裏面のユダヤ人
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(4)ユダヤ人と金融
鶴見太郎(東京大学大学院総合文化研究科 地域文化研究専攻 准教授)
ユダヤ人の間で金融業が発達したのはなぜか。そこには、共通の信仰を実践する仲間としての信頼が大きく関わっていた。さらにはタルムードの読解を通じた読み書きの能力も、その発達に貢献していたようだ。ユダヤ人と経済の単純ならざる関係をひも解いていく。(全9話中第4話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツ・アカデミー編集長)
時間:8分05秒
収録日:2025年12月5日
追加日:2026年4月20日
≪全文≫

●ユダヤ人が金融に長けているワケ


―― そのあたりの蓄積があるのと、これも非常に興味深かったのが、なぜ金融業に携わる方が多かったのかというところです。これは聖書(の規定)でしょうか、要するに同胞というか、同じ信仰の人から利子を取るのはけしからんということだけれど、異教徒ならばいいだろうみたいなことで。その中でいうと、キリスト教徒が多い社会やイスラム教徒が多い社会の中で、違う宗教を信じているユダヤ教の人たちは、その利子をつけた商売がしやすかったというのもまた1つの理由になるわけですよね。

鶴見 そうですね。ただ、それだけが理由というわけでは必ずしもなくて、同胞同士でも、本当は金融みたいなものはしたいわけなのです。

 あと、異教徒であればいくらでも利子を取っていいというほどまでには、実際にはなっていなくて、基本的には利子はあまり取らないほうがいいという考え方ではあって、裏技的に利子ではない形で実質的に利子といえるようなやり方をしていたという部分があるのです。

 それでもユダヤ人の間で金融が発達したのは、そういう教義上のものというよりは、まずいろいろな世界にネットワークを持っていて、かつ、信頼ができる。同じユダヤ人として同じものを信仰して実践をしていますので、それを見せているわけです。(つまり)ちゃんと実践しているかどうかということです。

―― 外形的にも、ユダヤ教の人はそれぞれ、(例えば)特徴のある帽子を被られる人とか、いろいろございますよね。

鶴見 そうですね。もちろん、一瞬では変装しているだけかもしれないわけですけれど、日々その金融業の付き合いの中で、あの人はちゃんといつもユダヤ教を実践しているということでだいたい分かってくるので、それで信頼が置けるということで、(それが)各地にそういうネットワークが作られて、文字通りお金を融通しやすい場所でやりとりをするということができるという条件です。

 もう1つ、金融はまさに帳簿をつけるということとセットです。頭の中でどんぶり勘定でやっていては、利益がなかなか出せない(分からない)ということになってくるわけです。帳簿が管理できるためには文字が読めるし、書けるということが非常に重要です。

 今日では帳簿をつけるぐらい――もちろん専門的なのは難しいにしても――(つまり)少し数字を書くぐらいだとどうということはないわ...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
中国春秋戦国時代と始皇帝(序)映画『キングダム』の中国史監修
中国古代史の真実と『キングダム』…史実がわかれば物語はもっと面白い
鶴間和幸
独裁の世界史~ギリシア編(1)世界史の始まり
「独裁政から始まる」という世界史の諸相に迫る
本村凌二
古代中国の「日常史」(1)日常史研究とは何か
『古代中国の24時間』英雄だけでなく無名の民に注目!
柿沼陽平
『昭和16年夏の敗戦』と『昭和23年冬の暗号』
『昭和16年夏の敗戦』『昭和23年冬の暗号』が映す未来とは
猪瀬直樹
昭和の名将・根本博…台湾での恩義の戦い(1)危機の台湾への密航
「国共内戦」危機の台湾…根本博の密航と涙で迎えた中国人将軍
門田隆将
核DNAからさぐる日本のルーツ(1)人類の起源と広がり
人類の祖先たちの「出アフリカ」…その時期はいつ頃?
斎藤成也

人気の講義ランキングTOP10
「講義ページ」と「便利機能」の使い方(1)講義ページの便利な使い方
「講義ページ」の便利な使い方…講義テキストの出し方、各話への飛び方、再生速度
テンミニッツ・アカデミー編集部
仏教とキリスト教が照らし出す日本の宗教(1)神とは何か、そして天皇とは?
日本と世界の「神と信仰」の違いは?…そして天皇の大切な役割
橋爪大三郎
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(3)オデュッセウスの冒険譚
知恵の英雄・オデュッセウスの冒険譚…過酷な苦難と試練、誘惑と罠に満ちた10年の全貌
松村一男
人生100年時代の「ライフシフト概論」(1)人生100年時代のインパクト
80歳まで現役でいるために大切なこと…人生100年時代の発想法
徳岡晃一郎
もののあはれと日本の道徳・倫理(1)もののあはれへの共感と倫理
本居宣長が考えた「もののあはれ」と倫理の基礎
板東洋介
経験学習を促すリーダーシップ(1)経験学習の基本
成長を促す「3つの経験」とは?経験学習の基本を学ぶ
松尾睦
資本主義の再定義…哲学で考える(1)アダム・スミスの「市場と感情」
資本主義を哲学する…まずアダム・スミスの見えざる手と道徳感情論
中島隆博
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
日本の財政の真実を検証する(1)膨らむ借金の知られざる実態
日本の財政の「真実」をデータで徹底検証…国際機関の分析は?
宮本弘曉
編集部ラジオ2026(30)AI時代の企業と道徳
【10minで考える】CPO(最高哲学責任者)…AI時代に必須の哲学とは
テンミニッツ・アカデミー編集部