教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
ユダヤ人を巡る「陰謀論」の裏を読む…ロシア革命とユダヤ人
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(6)陰謀論とユダヤ人
鶴見太郎(東京大学大学院総合文化研究科 地域文化研究専攻 准教授)
ロシア革命はユダヤ人による革命!? そんな話も飛び交うように、ユダヤ人をめぐっては歴史的に多くの陰謀論が巻き起こってきた。陰謀論は、そのときの社会状況や人間としての性質にも関連してくるため、「隠されたメッセージを読み取ろう」という欲望はなかなか防げるものではない。では陰謀論にハマらないためにはどうしたらいいのだろうか。(全9話中第6話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツ・アカデミー編集長)
時間:8分33秒
収録日:2025年12月5日
追加日:2026年4月27日
≪全文≫

●陰謀論は社会状況の変数


―― このあたりはユダヤ人を巡っても本当に多くの陰謀論があります。陰謀論に対してはどう考えればいいのですか。

鶴見 そうですね。だから、そういう意味では本当に昔からあったということなのです。それは本当に社会構造とか社会の状況の変数なのです。みんなが幸せなときは、そんなに陰謀論は起こりません。格差が広がると、自分はこんなに頑張っているのになぜなかなかお金が貯まらないのだとかになったとき、誰かがそれを全部くすねているからだろうみたいな発想は、いつの時代もおそらく起こるのです。

 実際、そういうことはまったくないというわけでもないかもしれない。たまにはそういうことがあるかもしれないのですけれど、そうすると少しそういうことがあったらもう全部がそうなのだと考えがちになってしまうという雰囲気が特に不況とか、格差が広がるときは、そういう不安が広がりがちだと思うのです。

 でも、それこそ陰謀は確証がなかなか取れないことなので、分からないからこそ想像はどんどん膨らんでいくので、ユダヤ人はそのときに陰謀を企んでいる側として、想像されてしまう側として、よく登場してしまうのです。

―― これは、(テンミニッツ・アカデミーに)ご登場いただいている、ある先生がおっしゃっていたのですけれど、その先生のご友人の、教養もあり社会的地位もある方が、何か知らないけれど陰謀論にハマってしまったということですが、そこで、ものの見方として、例えば1つの例としてユダヤ人の歴史を学ぶことの意味はすごくあるように、この本を読んで思いました。

鶴見 そうですね。ただ、なかなか陰謀論は根強いというか、例えばこの本を読んでも、「いや、そうは言っても」というのは、もう絶対出てくるのです。それこそ私が何か隠してそういうことを書かないのではないかとか。そういうことはいくらでも出てきてしまいます。


●「裏を読み取ろう」という意識と陰謀論


鶴見 何か物事の裏を読み取ろうという意識も、ある意味人類にたぶん普遍的なことなのかなというのはあります。実はユダヤ人自身も、何か隠されたメッセージを読み取ろうという流れはあるのです。この(本の)中で出てきたものでいうと、カバラーです。あるいはもう少し手前でいうと、神秘主義的なユダヤ教といわれるハシディズムという流れです。

 公式的なというか、正統...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
最初の日本列島人~3万年前の航海(1)日本への移住 3つのルート
最初の日本列島人はいつ、どうやって日本に渡ってきたのか
海部陽介
昭和の名将・樋口季一郎…ユダヤ人救出編(1)決断と信念のユダヤ人救出
毅然として人道を貫き、命を救う…樋口季一郎のユダヤ人救出
門田隆将
新撰組と幕末日本の「真実」(序)『ちるらん 新撰組鎮魂歌』の魅力と史実の絶妙さ
新撰組と『ちるらん 新撰組鎮魂歌』…群像劇としての魅力の源泉に迫る!
堀口茉純
独裁の世界史~ギリシア編(1)世界史の始まり
「独裁政から始まる」という世界史の諸相に迫る
本村凌二
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(序)時代考証が語る『豊臣兄弟!』の魅力
織田家中一の武略者…『豊臣兄弟!』秀吉と秀長の知られざる実像
黒田基樹
百姓からみた戦国大名~国家の本質(1)戦国時代の過酷な生存環境
戦国大名と民衆の過酷な課題…飢饉の常態化をどう生き延びるか
黒田基樹

人気の講義ランキングTOP10
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か(1)AIに置き換わる仕事と人間がやる仕事
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か…人間がやるべきこととは?
橋爪大三郎
飽食時代の「選食」のススメ(1)選食の提唱と「食の多様性」
肥満、認知症、低栄養…飽食の時代に大事な「選食力」3カ条
堀江重郎
AI大格差~最新研究による仕事と給料の未来(8)AI時代の人間の価値
労働市場改革を妨げる労組や、不登校を救えぬ文科省こそが邪魔だ
宮本弘曉
ウェルビーイングを高めるDE&I(6)エクイティ実現と特権性の理解:前編
改札、公衆トイレ、在宅勤務…構造的格差とエクイティの意味
青島未佳
編集部ラジオ2026(17)「過剰な良かれ」の落とし穴
【10minで考える】巨人・阿部監督の辞任と「過剰な良かれ」
テンミニッツ・アカデミー編集部
オリエント 東西の戦略史と現代経営論に学ぶ(2)失敗の本質
『失敗の本質』初版から30年…同じ失敗を繰り返す日本組織
三谷宏治
いま夏目漱石の前期三部作を読む(1)夏目漱石を読み直す意味
メンタルが苦しくなったら?…今、夏目漱石を読み直す意味
與那覇潤
睡眠と健康~その驚きの影響(1)睡眠が担う5つのミッション
睡眠不足が生活習慣病や精神疾患を招く…睡眠の5つのミッション
西野精治
不便益システムデザインの魅力と可能性(1)「便利・不便」「益・害」の関係
「不便益」とは何か――便利の弊害、不便の安心
川上浩司
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫