昭和の名将・樋口季一郎…ユダヤ人救出編
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オトポール事件と極東ユダヤ人大会の真相…失脚覚悟の決断
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毅然として人道を貫き、命を救う…樋口季一郎のユダヤ人救出
昭和の名将・樋口季一郎…ユダヤ人救出編(1)決断と信念のユダヤ人救出
「昭和の名将」の条件とは何か。ノンフィクション作家である門田隆将・早坂隆両氏が、困難な時代を生き抜く「信念と勇気」の物語として、稀代の仁将・樋口季一郎の激動の半生をひも解くシリーズ講義。まず、樋口季一郎がナチスの圧政下で多くのユダヤ人難民を救った「オトポール事件」の真相に迫っていく。軍の規律と人道の間で、樋口はなぜ孤高の決断を下せたのか。第1話では、ロシア語が堪能な語学の天才として社交界でも異彩を放った彼の素顔と、盟友・石原莞爾とのエピソードについて語る。(全5話中第1話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツ・アカデミー編集長)
時間:16分45秒
収録日:2019年7月30日
追加日:2026年5月7日
≪全文≫

●「名将」とはいかなる人物たちか


―― 皆様、こんにちは。今日は門田隆将先生と早坂隆先生を招いて、「令和の今こそ語り継ぎたい昭和の名将」の実像に迫っていきたいと思っております。

 皆様、ご案内のことかと思いますけれど、両先生ともノンフィクション作家でいらっしゃいまして、門田隆将先生は『この命、義に捧ぐ 台湾を救った陸軍中将根本博の奇跡』(文庫版はKADOKAWA、単行本は集英社)で根本博中将のご生涯に迫っておられます。また、こちらは『太平洋戦争 最後の証言』(第1部 零戦・特攻編、第2部 陸軍玉砕編、第3部 大和沈没編、いずれも小学館)ですが、実際に戦った現場の方々のご苦労というか、そういうものに迫っていらっしゃいます。

 早坂隆先生は『指揮官の決断 満州とアッツの将軍 樋口季一郎』(文春新書)で樋口季一郎中将のご生涯に迫っておられて、『ペリリュー玉砕 南洋のサムライ・中川州男の戦い』(文春新書)では、ペリリュー島で非常に勇敢な戦いをされた中川州男大佐のご生涯について書いていらっしゃいます。

 この番組(テンミニッツ・アカデミー)ですが、よく昭和の名将ということになると、あの人が良かった、この人が悪かったというような品評会的なものというのもあるのですけれども、せっかくノンフィクション作家の先生でいらっしゃるお二方にお越しいただきましたので、その人となりの真実というか、人間として苦境に立ったときにどう決断するべきなのか、どう生きていくべきかという視点から、ぜひ描いていっていただきたいと思っております。

 まず最初に、タイトルが「名将」ということなのですけれど、名将の条件、そもそも名将とはどういう人なのかという部分から、少し簡単にお話をいただければと思います。まず門田先生はどのように思われますか。

門田 名将はものすごく難しいと思うのですよ、定義づけが。なぜかというと、軍政家として立派だったのか、実戦の将軍として立派だったのか。

 例えば山本五十六という人は、軍政家として非常に立派な人だったのだけれども、その現実の戦いの中で本当にすごかったのかというと、それはまったく違うわけです。だから、真珠湾攻撃で、あそこで打撃だけ与えてパッと逃げても、相手を怒らせるだけで、自分がそれをやられたことを考えれば分かるわけです。あれはハワイを占領する作戦を取らなければいけないのに、...

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