ラフカディオ・ハーン『神国日本』を読む
この講義は登録不要無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
ラフカディオ・ハーンが解明した「美しい日本」の秘密と未来
ラフカディオ・ハーン『神国日本』を読む(1)なぜ『神国日本』なのか?
賴住光子(東京大学名誉教授/駒澤大学仏教学部 教授)
なぜラフカディオ・ハーンは、『怪談』とほぼ同時期に『神国日本』を書き、日本の倫理性の秘密に鋭く迫ったのか? 実は、『怪談』と『神国日本』の2冊を併せ読むと、ハーンが見た「仙境のような日本」が真の姿を現わす。しかも、この『神国日本』にハーンは、驚くべき「予見」を記していた。資本主義の波に飲まれ、伝統的な倫理性を失った日本が、やがて外国資本に搾取されたり、無謀絶望の戦争を始めたりしてしまうのではないか──。日本人の美しい倫理性の後ろに「先祖崇拝」があることを見出し、それを「死者の魔術にかけられている」と表現したハーンが見たものとは?(全8話中第2話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツ・アカデミー編集長)
時間:15分23秒
収録日:2026年2月20日
追加日:2026年3月23日
≪全文≫

●なぜハーンは原稿の扉に「神国」と掲げたのか?


―― 皆様、こんにちは。

頼住 こんにちは。

―― 本日は頼住光子先生に、ラフカディオ・ハーン――小泉八雲の遺作となります、『神国日本 解明への一試論』という本について、お話をいろいろ伺ってまいりたいと思います。頼住先生、どうぞよろしくお願いいたします。

頼住 こちらこそ、よろしくお願いいたします。

―― この『神国日本』という本ですが、まずタイトルが今の日本では、ややちょっと奇抜といいますか、エキセントリックに感じてしまう方もいらっしゃるかもしれません。これは一言で言うと、どのような本なのでしょうか。

頼住 はい。まず「神国」という言葉ですが、「日本が特別な国である」としたり、軍国主義や国家主義などを背景に「神国」ということが言われていたりするような印象があると思います。けれども、ラフカディオ・ハーンは、そういうことは一切、意図していないのです。

―― 英語のタイトルは、今画面に出ているように『JAPAN: An Attempt at Interpretation』となっています。ただ、こちらの資料にもありますとおり、ハーン自身の意図で、原稿の扉に「神国」という文字を入れているわけですよね。

頼住 そうですね。今映していただいているのはハーンの自筆原稿ですが、もう原稿の段階から「神国」という言葉を入れたいと考えていたようです。「神国JAPAN」というように、ラフカディオ・ハーンの意図として題名がついている。

 それは、「神々をお祀りすること、そして神を尊崇するということが、日本人のいちばんの核にあるのだ」という彼のこの本(『神国日本』)における考え方を、ひと言で表わしているということになるかと思います。

―― 今回、この『神国日本』を取り上げるにあたりまして紹介したいのが、頼住先生がお書きになった『日本倫理思想の考え方』という本です。今、ご説明いただいたように、『神国日本』自体が、日本の思想史についてアメリカの大学生に講義するというシーンのために書かれた本でもあるので、ある意味ではまさに「日本倫理思想史」の本になっているとも言えます。

 頼住先生の『日本倫理思想の考え方』は2025年12月に発刊された本です。よくある倫理思想の本だと、いろいろな思想家列...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「哲学と生き方」でまず見るべき講義シリーズ
「怒り」の仕組みと感情のコントロール(1)「キレる高齢者」の正体
「キレやすい」の正体とは?…ヒトの「怒り」の本質に迫る
川合伸幸
メソポタミア神話の基本を知る(1)メソポタミア神話の神々と人間との関係
メソポタミア神話は、ギリシア神話はじめ世界の神話の原点
鎌田東二
日本人が知らない自由主義の歴史~後編(1)ニューリベラリズムへの異議
ハーバート・スペンサーとダイシー…20世紀の危機の予言者
柿埜真吾
インド神話の基本を知る(1)インドの特性と神話の成り立ち
インド神話…『リグ・ヴェーダ』『マハーバーラタ』の壮絶な物語
鎌田東二
プラトンの哲学を読む(1)対話篇という形式の哲学
ヨーロッパ哲学の伝統はプラトン哲学の脚注だ
納富信留
『タテ社会の人間関係』と文明論(1)誤解を招いた「タテ社会」の定義
誤解された『タテ社会の人間関係』…日本社会の本質に迫る
與那覇潤

人気の講義ランキングTOP10
テロメアから考える「アンチエイジング」(1)老化とテロメアの関係
テロメアの長さが「がんリスク」と「老化」のカギを握る
堀江重郎
ピアノでたどる西洋音楽史(1)ヴィヴァルディとバッハ
クラシック音楽の歴史をピアノ演奏で辿る~ヴィヴァルディ四季
野本由紀夫
「満洲」から考える日本とアジア(4)蒙古襲来と清朝建国
実は元寇はモンゴル人ではなかった?満洲をめぐる民族興亡史と「漢族」との関係…蒙古襲来から清朝建国まで
宮脇淳子
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(6)世界の英雄神話とその構造分析
知恵か腕力か?…オデュッセウス、スサノオ、アルジュナなど世界の英雄たちの栄光と悲劇
松村一男
仏教とキリスト教が照らし出す日本の宗教(2)教義の宗教と覚りの宗教
キリスト教は教義の宗教、仏教は覚りの宗教…仏教はなぜ普遍宗教か
橋爪大三郎
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
「ホメロス叙事詩」を読むために(7)オデュッセウスの冒険
ホメロスの『オデュッセイア』が描く苦難と誘惑の冒険譚
納富信留
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
大統領に告ぐ…硫黄島からの手紙の真実(2)翻訳に込めた日米の架け橋への夢
アメリカ人の心を震わせた20歳の日系二世・三上弘文の翻訳
門田隆将
バッハで学ぶクラシックの本質(1)リベラルアーツと音楽
音楽の父バッハ…なぜ「音楽」が西洋でリベラルアーツなのか?
樋口隆一