資産運用の思考法…経済や市場の動きをどう読むか
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
市場予測のポイント…短期・中期・長期の視点と歴史的洞察
資産運用の思考法…経済や市場の動きをどう読むか
政治と経済
養田功一郎(元三井住友DSアセットマネジメント執行役員/YODA LAB代表/金融・経済・歴史研究者)
資産運用は身近なテーマだが、実際の運用において何を判断材料にすればいいのかを知る機会は少ない。養田功一郎氏は、その時の短期的な社会情勢や経済状況を見ていればいいというわけではないと語る。短期、中期、長期の3つの視点で考え、歴史的視点から洞察することが重要なのである。今回は、30年余りに渡って運用に携わり金融市場を見続けてきた養田氏から、市場の動向を的確に見通すための思考法について学ぶ。
時間:11分21秒
収録日:2023年6月5日
追加日:2023年7月2日
≪全文≫

●運用者の思考パターンを資産運用や生活のヒントに


 テンミニッツTVをご覧の皆様、こんにちは。養田と申します。私は、三井住友DSアセットマネジメントという運用会社において、債券、マルチアセット、クオンツ運用などを統括しております。どうぞよろしくお願いいたします。

 私はこれまで、前職での三井住友銀行における市場取引、運用経験も含め、30年余りグローバルな金融市場の動向を見てまいりました。

 その間、日本のバブル崩壊、金融機関の破綻に始まり、米国同時多発テロ、リーマンショックなど数々の危機、アベノミクスに代表される超金融緩和政策、あるいは中国の台頭と米中対立、ロシア紛争などの国際政治の変化、そして、少子高齢化や財政支出の拡大などの構造的問題を目の前にし、その都度、最適な運用とは何かと考えてまいりました。

 今回、このような機会をいただいたことで、私は、運用者としての思考パターン、頭の中を再整理し、どんな事を考えて対応してきたか、これからどう考えていくかを皆様にお伝えすることにチャレンジしたいと思います。

 もちろん運用者の頭の中は多種多様です。私よりも優秀な運用者はこの世にたくさんいらっしゃいます。よって、私が申し上げることが全て正しいわけでは無いことには疑いがありません。

 ただ、こうした試みを通じて、皆様が金融経済政治動向から生じるさまざまな情報を処理し、資産運用だけでなくビジネスや生活におけるヒントをつかむことに、少しでも貢献できればと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。


●運用を考える際の3つの視点


 それでは早速、このイメージ図をご覧ください。上段の囲みは、運用を考える上での材料をどのように仕分けしながら考えるかの整理です。

 大きく短期、中期、長期の3つの視点で考えます。

 短期的なものは、いわゆる相場のイベントのようなもので、例えばアメリカ雇用統計のような重要指標やFOMC(アメリカ連邦公開市場委員会)などの金融政策決定イベントです。さらには米大統領選、日本の総選挙の予測や結果、また今欧米でも発生している金融機関や企業破綻、そして、同時多発テロのような規模の大きな事故や紛争、大地震などの災害、最近では新型コロナウイルスなどの疫病も、市場に大きな影響を与えるイベントといえましょう。...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
アンチ・グローバリズムの行方を読む(1)世界情勢の転換
強まるアンチ・グローバリズムの動きをどう見ればいいか
岡本行夫
独立と在野を支える中間団体(1)「中間団体」とは何か
なぜ中間団体が重要か…家族も企業も学校も自治会も政党も
片山杜秀
危機のデモクラシー…公共哲学から考える(1)ポピュリズムの台頭と社会の分断化
デモクラシーは大丈夫か…ポピュリズムの「反多元性」問題
齋藤純一
マルクス入門と資本主義の未来(1)マルクスとはどんな人物なのか
マルクスを理解するための4つの重要ポイント
橋爪大三郎
クライン『ショック・ドクトリン』の真実(1)ショック・ドクトリンとは何か
100分de名著!?『ショック・ドクトリン』驚愕の印象操作
柿埜真吾
デジタル全体主義を哲学的に考える(1)デジタル全体主義とは何か
20世紀型の全体主義とは違う現代の「デジタル全体主義」
中島隆博

人気の講義ランキングTOP10
「アカデメイア」から考える学びの意義(4)学びの3つのキーワード
より良い人生への学び…開かれた知、批判の精神、学ぶ主体
納富信留
ヒトは共同保育~生物学から考える子育て(1)動物の配偶と子育てシステム
ヒトは共同保育の動物――生物学からみた子育ての基礎知識
長谷川眞理子
未来を知るための宇宙開発の歴史(7)米ソとは異なる日本の宇宙開発
日本の弾道ミサイル開発禁止!?米ソとは異なる宇宙開拓の道
川口淳一郎
「集権と分権」から考える日本の核心(1)日本の国家モデルと公の概念
日本は集権的か分権的か…地理と歴史が作る人間の性質とは
片山杜秀
編集部ラジオ2025(19)堀口茉純先生の「講義録」発刊!
著者が語る!『『江戸名所図会』と浮世絵で歩く東京』
テンミニッツ・アカデミー編集部
数学と音楽の不思議な関係(1)だれもがみんな数学者で音楽家
世界は音楽と数学であふれている…歴史が物語る密接な関係
中島さち子
モンゴル帝国の世界史(2)チンギス・ハーンのカリスマ性
自由な多民族をモンゴルに統一したチンギス・ハーンの魅力
宮脇淳子
定年後の人生を設計する(1)定年後の不安と「黄金の15年」
不安な定年後を人生の「黄金の15年」に変えるポイント
楠木新
知識創造戦略論~暗黙知から形式知へ(1)イノベーションと価値創造
価値創造において重要なのは未来から現在を見るという視点
遠山亮子
日本のエネルギー政策大転換は可能か?(1)原発最大限活用の根拠と可能性
第7次エネルギー基本計画とは?原発活用方針の是非を問う
鈴木達治郎