ドンロー・ドクトリンの台頭
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ドンロー・ドクトリンの正体は脱地政学論…日本の進む道は
ドンロー・ドクトリンの台頭(3)脱地政学論と日本への影響
東秀敏(米国大統領制兼議会制研究所(CSPC)上級フェロー)
ドンロー・ドクトリンは協力の募集と拡大の原則に立脚するものの、軍事的および経済的圧力・領土的野心・選択的同盟関係から成立する。西半球から競合勢力を排除し、脱地政学を図った後の目的は宇宙進出である。この歴史的転換期、日米同盟はいつ破棄されてもおかしくなく、日本は厳しい選択を迫られている。最終話では、2026年1月のベネズエラ侵攻の意義、トランプ政権内で急速に台頭しているカナダ併合論、そしてドンロー・ドクトリンの脱地政学論について解説し、講義を締めくくる。(全3話中第3話)
時間:7分31秒
収録日:2026年1月20日
追加日:2026年3月7日
カテゴリー:
≪全文≫

●ドンロー・ドクトリンの構成要素とベネズエラ侵攻の意義


 このような歴史背景があって、今回のモンロー・ドクトリンのトランプ系論、つまりドンロー・ドクトリンというものが出てくるわけです。NSSを見ると、ドンロー・ドクトリンは「協力の募集と拡大の原則」に立脚しています。

 (これは)聞こえはいいものの、実はドンロー・ドクトリンは以下の要素から構成されています。第一に軍事的圧力、第二に経済的圧力、第三に領土的野心、そして第四に選択的同盟関係というものです。ドンロー・ドクトリンの中短期目標は、西半球から中露、NATO、イラン等の非西半球競合勢力の排除で、実はNATOも西半球における排除の対象になっています。

 今回のベネズエラ侵攻において最も重要な意義としてあるのは、トランプがこの電撃作戦に成功してしまったがために、世界のエネルギー地政学が根本的に転覆されたことです。(これで)中露およびイランに究極の圧力を突きつけることになります。

 例えばロシアは、もう石油産業の主導権を完全に喪失しています。アメリカだけで、ベネズエラの埋蔵量を合わせると世界の55パーセントの石油をコントロールすることになりました。ロシアは石油ガスが経済の支えとなっていますから亡国まっしぐらで、これはもう軌道修正できないと思います。

 これに対して中国はどういう状況かというと、中国に関しては、重油供給の最重要拠点が実はベネズエラだったわけで、これを完全に喪失してしまいました。残るはカナダとイランに頼るしかないのですが、これもかなり厳しい状態だと思います。


●NATO解体からカナダ併合へ


 今、グリーンランド問題がかなり話題になっていますが、これがめざすところとして、北極航路をその支配下に置くという地政学的な議論も間違ってはいないのです。中国・ロシアの影響を排除するという議論も間違っていないのです。しかし、グリーンランド問題に付け込むことによって、実はNATO解体を加速化させているわけです。

 NATO解体のためにグリーンランドは併合し、とどめとしての「カナダ併合論」も、今トランプ政権の中で急速に台頭しています。実はカナダこそが西半球における英国(イギリス)の影響圏であって、今やカナダはアメリカに侵略される恐怖感から急速に対中シフトしています。先日もカーニー首...

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