ドンロー・ドクトリンの台頭
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ドンロー・ドクトリンとは?トランプ系論と西半球の重要性
ドンロー・ドクトリンの台頭(1)トランプ系論と2025年度版NSS
東秀敏(米国大統領制兼議会制研究所(CSPC)上級フェロー)
2026年1月、ベネズエラ侵攻の直後にトランプ大統領がSNS発信した「ドンロー・ドクトリン」。これは2025年度版NSSに基づくもので、西半球における米国の圧倒的優位を確立するため、軍事力行使を辞さないと宣言されている。その目的は地政学からの脱却であり、宇宙帝国主義への歴史的一歩とみなされる。ドンロー・ドクトリンについてトランプ系論と脱地政学論を絡めながら解説する本シリーズ。第1話は2025年度版NSSとトランプ政権のミッションを中心に解説する。(全3話中第1話)
時間:9分28秒
収録日:2026年1月20日
追加日:2026年3月6日
カテゴリー:
≪全文≫

●「ドンロー・ドクトリン」の普及と目的


 本日もよろしくお願いします、東秀敏です。本日は「ドンロー・ドクトリンの台頭」、モンロー・ドクトリンとトランプ系論というサブタイトルでお話しさせていただきます。

 まず問題提起として、トランプ政権の西半球回帰はどこに向かうのか。

 これはあるいは地政学からの「逆説的な」脱却が目的であり、宇宙に向かうための土台作りなのか(と思われます)。ただ、そこまで達するにはかなりのステップを踏まないといけないので、今後どういう流れになっていくのか(をお話しします)。

 モンロー・ドクトリンのトランプ版であるドンロー・ドクトリンとトランプ系論の背景にあたる「2025年度版NSS(国家安全保障戦略)」、そして「モンロー・ドクトリンの血統」という歴史をおさらいしていく。そして、「トランプ系論とは何か」「ドンロー・ドクトリンとは何か」(を明らかにします)。そこで注目したいのが、「ベネズエラ侵攻の戦略」と「カナダ併合論」です。そして、最終的に必ず起こり得る「宇宙への野望」について説明していきたいと思います。

 まず要旨ですが、2025年度版米国国家安全保障戦略(NSS)において、モンロー・ドクトリン(Monroe Doctrine)というものが復活しました。ここでトランプ系論(Trump Corollary)が打ち出されたことが非常に特徴的です。

 2026年1月、年始早々にベネズエラ侵攻というサプライズがあったわけですが、この直後に「ドンロー・ドクトリン(Donroe Doctrine)」という用語が台頭しました。これは、モンロー・ドクトリンとドナルド・トランプをもじったものです。特に大統領自身が「自分のやったことはドンロー・ドクトリンの発揚だった」と言及したこともあり、ドンロー・ドクトリンという言葉がかなり普及しました。

 その中で、「西半球をNSSの最優先地域に指定した」ということが特徴であり、西半球諸国の「協力の募集と拡大の原則」を打ち出しました。これを英語でいうと、「エンリスト・アンド・エクスパンド(Enlist and Expand)」となります。

 どちらかというと、これは「国益遂行のための軍事力も辞さない行為」を隠すためのきれいごとであって、実際に行っている...

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