禅とは何か~禅と仏教の心
この講義は登録不要無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
次の動画も登録不要で無料視聴できます!
「ブッダに帰れ」――禅とは己事究明の道
第2話へ進む
自発性を重んじる――藤田一照師が禅と仏教の心を説く
禅とは何か~禅と仏教の心(1)アメリカの禅と日本の禅
藤田一照(曹洞宗僧侶)
大学院を中退して禅の道に進み、アメリカ東海岸で18年間禅堂を開いた藤田一照師に、禅と仏教の心について話を聞いていく。アメリカの禅にはすでに百年近い歴史があり、最初に鈴木大拙が伝えたといわれている。その後、一時はカウンターカルチャー世代に、現在は全ての年代に「神秘的で魅力的な教えと実践。また美的要素を併せ持つ東洋の伝統」と捉えられているという。その禅の特徴として、「自発性」の強調を説く。どういうことなのか。アメリカの禅と日本の禅、それぞれの成り立ちと特徴について解説する。(全7話中第1話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:13分00秒
収録日:2024年8月9日
追加日:2025年1月13日
カテゴリー:
≪全文≫

●18年間のアメリカ禅修行はどう始まったか


―― 皆さま、こんにちは。本日は藤田一照先生に「禅と仏教の心」についてお話をいただきたいと思っています。藤田先生、どうぞよろしくお願いいたします。

藤田 よろしくお願いします。

―― 今回は禅のお話ということですが、禅をたしなむような経験のない(禅をやったことがない)一般の人からすると、どういうイメージを持てばいいのかというところがあります。しかし、藤田先生が大変分かりやすいご本をお書きになっていて、こちらに 『現代坐禅講義──只管打坐への道』(KADOKAWA)という本と 『ブッダが教える愉快な生き方』(NHK出版)という本があります。

 特にこちら(『ブッダが教える愉快な生き方』) の本は、非常に簡潔に書かれていますが奥が深く、ゴーダマ・シッダールタ(ブッダ)の生涯を解説しつつ概説しつつ、仏教とはどういうものかというお話が書かれた、大変印象深い本でした。 このあたりのことも含めて、お聞きしたいと思います。

 まず藤田先生は大学を卒業後、博士課程まで進まれた後に大学院を中退されて、禅に入門されています。そして、その後アメリカで18年。

藤田 そうですね。まず、日本で禅の道場に入って6年間修行しました。私はずっと続けるつもりだったのですが、師匠から「おまえの先輩が建てた小さな坐禅堂が、アメリカの東海岸の雑木林の中にあるから、そこに行って修行を続けろ」と言われた。私が計画していたことではないのですが、そういうお誘いというか指示があったので行ったら、結果的に18年ぐらいそこにいることになってしまったということです。


●アメリカ人の禅への関心とアメリカにおける禅の歴史


―― 一般に海外の方は、日本について「禅」を一つのイメージとして持たれる場合も多いということですし、先生が(地元の方と)一緒にアメリカで禅をされたということで、かなり関心も高かったのだろうと思いますが。

藤田 そうですね。アメリカの仏教にも歴史は結構あって、100年以上ぐらいになると思います。最初のころは鈴木大拙さんという方がおられ、本を通して「禅の悟りはこういうものだ」「悟った人は、このような振る舞いをし、こういう考え方をしている人だ」ということをアメリカの人たちに伝えました。 それが1950年代ぐらいで、鈴木大拙の本を手に取るような知的レベルの高い人たちが、まず興味...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「哲学と生き方」でまず見るべき講義シリーズ
小林秀雄と吉本隆明―「断絶」を乗り越える(1)「断絶」を乗り越えるという主題
小林秀雄と吉本隆明の営為とプラグマティズムの格率
浜崎洋介
「アメリカの教会」でわかる米国の本質(1)アメリカはそもそも分断社会
「キリスト教は知らない」ではアメリカ市民はつとまらない
橋爪大三郎
キリスト教とは何か~愛と赦しといのち(1)「イエス」とは一体誰なのか
「イエス・キリスト」という名前の本当の意味は?
竹内修一
今こそ問うべき「人間にとっての教養」(1)なぜ本を読むことが教養なのか
『人間にとって教養とはなにか』に学ぶ教養と本の関係
橋爪大三郎
禅とは何か~禅と仏教の心(1)アメリカの禅と日本の禅
自発性を重んじる――藤田一照師が禅と仏教の心を説く
藤田一照
北欧神話の基本を知る(1)世界でもっとも悲観的な神話
世界滅亡を予言!?人類史上もっとも悲観的な北欧神話とは
鎌田東二

人気の講義ランキングTOP10
中国共産党と人権問題(1)中国共産党の思惑と歴史的背景
深刻化する中国の人権問題…中国共産党の思惑と人権の本質
橋爪大三郎
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(1)サイバー・フィジカル融合と心身一如
なぜ空海が現代社会に重要か――新しい社会の創造のために
鎌田東二
内側から見たアメリカと日本(7)ジャパン・アズ・ナンバーワンの弊害
ジャパン・アズ・ナンバーワンで満足!?学ばない日本の弊害
島田晴雄
歴史の探り方、活かし方(7)史料の真贋を見極めるために
質疑編…司馬遼太郎の「史料読解」をどう評価する?
中村彰彦
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
熟睡できる環境・習慣とは(2)酒、コーヒー、ブルーライトは悪者か
ブルーライトは悪者か?近年分かった「第3の眼」との関係
西野精治
習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(1)習近平の歴史的特徴とは?
一強独裁=1人独裁の光と影…「強い中国」への動機と限界
垂秀夫
習近平―その政治の「核心」とは何か?(1)習近平政権の特徴
習近平への権力集中…習近平思想と中国の夢と強国強軍
小原雅博
経験学習を促すリーダーシップ(1)経験学習の基本
成長を促す「3つの経験」とは?経験学習の基本を学ぶ
松尾睦
エンタテインメントビジネスと人的資本経営(2)日本人が知らない世界エンタメ市場
実は「コンテンツ世界収益ベストテン」に日本勢が5つも!
水野道訓