禅とは何か~禅と仏教の心
この講義シリーズは第2話まで
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
坐禅で自分を「非社」にして、あらゆる機会を学びにする
禅とは何か~禅と仏教の心(7)非社とオーガニック・ラーニング
藤田一照(曹洞宗僧侶)
坐禅をするのは「非社」になること――非社とは、社会を否定しているわけではなく、名刺にあるような社会的次元を超えている状態を指す。例えば、XとYの座標でいえば、自分の状態をその中に位置づけることができるのは座標上の原点があるからで、その原点が非社だという。よって、今の置かれた立ち位置からいったん離れてみる、自由になることが大事で、その体験ができるのが禅の修行である。禅は学びであり、あらゆる機会が学びになるという「オーガニック・ラーニング」の考え方につながるのだ。(全7話中第7話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:11分31秒
収録日:2024年8月9日
追加日:2025年2月24日
カテゴリー:
≪全文≫

●一般人を禅にいざなう「非社」と「帰家穏座」


―― (これまで語っていただいたような)坐禅や禅の世界を、働いていたりする「普通の人たち」が取り入れるための話として、先生の言葉で非常に印象深かったのが「非社」というものです。禅や坐禅をするというのは、その非社になることだといわれた。

藤田 「反社」をもじって付けたのですが、反社ではない。「非」は「非ず」で「超越している」という意味です。向こうにあるものに反対するのは「反」ですが、「非」というのは、「AかBか」「きれいか汚いか」という次元を一つ超えている。「メタ」といってもいいのですが、別に(社会を)否定しているわけではありません。

 普通、私たちは社会的な次元で「自分はこういう人間だ」と思っているのではないでしょうか。しかし、それとは違う次元で存在している自分もいる。そういう本体のようなものへ帰るのが坐禅だと私は思っています。「本当の家に帰る」という意味で、坐禅の異名(ニックネーム)を「帰家穏坐」といいます。それは、「私たちが家だと思っているのは仮の家だ」ということです。

 例えば、社会の中の藤田一照は曹洞宗の僧で、70歳で男である。そのような履歴書に書く事柄(属性)を私だと思っているわけです。多くの人は名刺にいろいろ書いて、「こういうものです」と言って出している。それに対して、本当は「え、紙? これがあなたですか」と問わなければいけません。「あなたは、これだけですか」と問わなければいけない。これは今までのヒストリーかもしれないが、今はどうなのか。例えば、禅の人であれば、「これに書いていない自分を見せてみろ」というわけです。そういうことはあります。

―― なるほど。

藤田 例えば、山の中に一人ポツンと置かれたときのあなたは、ここにありますかと問う。こういう山奥は、肩書きがいっさい通用しない場所ですし、そこまでいかなくても、そこ(の裏山)に入ったら、○○会社の△△部長という肩書きは意味がないじゃないですか。


●原点としての「非社」なしに、自分の位置は定まらない


藤田 先ほどのこれ(火箸)と同じで、ここにポンと置いたとき、私が火箸として使わないときの「これは何か」というような問いです。答えがあるのではなく、「何? 何だ?」と問うしかない、なんとも名付けようのないものが、「非社」ということばで指し示そうとして...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「哲学と生き方」でまず見るべき講義シリーズ
禅とは何か~禅と仏教の心(1)アメリカの禅と日本の禅
「禅とは何か」藤田一照師が禅と仏教の心を説く…自発性を重んじる
藤田一照
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(1)サイバー・フィジカル融合と心身一如
なぜ空海が現代社会に重要か――新しい社会の創造のために
鎌田東二
徳川家康と貞観政要(1)徳川家康が太宗から学んだ治世の要諦
『貞観政要』とはいかなる書か?家康は何を学んだのか?
田口佳史
「学びたい」心のための環境づくり
人間だけが大人になっても「学び」を持続できる
長谷川眞理子
『タテ社会の人間関係』と文明論(1)誤解を招いた「タテ社会」の定義
誤解された『タテ社会の人間関係』…日本社会の本質に迫る
與那覇潤
『還暦からの底力』に学ぶ人生100年時代の生き方(1)定年制は要らない
仕事をするのに「年齢」は関係ない…不幸を招く定年型思考
出口治明

人気の講義ランキングTOP10
核DNAからさぐる日本のルーツ(1)人類の起源と広がり
核DNAデータで日本人のルーツを探る…アフリカから日本まで来た行程と時期は?
斎藤成也
「満洲」から考える日本とアジア(5)ロシアのシベリア征服と日清日露戦争
「満洲利権」はなぜ日本の手に渡ったか?…ロシアの極東征服、そして朝鮮の混乱が日本を日清・日露戦争へ
宮脇淳子
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
編集部ラジオ2026(33)鎌田東二先生の法華経講義解説-2
【10min名作探訪】大丈夫だよと励ましてくれる『法華経』…鎌田東二先生の講義
テンミニッツ・アカデミー編集部
仏教とキリスト教が照らし出す日本の宗教(1)神とは何か、そして天皇とは?
日本と世界の「神と信仰」の違いは?…そして天皇の大切な役割
橋爪大三郎
アメリカの理念と本質(1)西洋文明の行き着いた先と三つの建国
アメリカの理念と本質とは?…まず「三つの建国」から原点に迫る
中西輝政
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
資本主義の再定義…哲学で考える(1)アダム・スミスの「市場と感情」
資本主義を哲学する…まずアダム・スミスの見えざる手と道徳感情論
中島隆博
モンゴル帝国の世界史(1)日本の世界史教育の大問題
なぜ日本の「世界史」はいびつなのか…東洋史と西洋史の違い
宮脇淳子
「ホメロス叙事詩」を読むために(7)オデュッセウスの冒険
ホメロスの『オデュッセイア』が描く苦難と誘惑の冒険譚
納富信留