中国共産党と人権問題
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
中華人民共和国憲法は人権型ではない
中国共産党と人権問題(5)そもそも人権思想と憲法とは?
橋爪大三郎(社会学者/東京科学大学名誉教授/大学院大学至善館教授)
中国の国際社会でのプレゼンスが高まると同時に、西欧諸国との思想的なズレも浮き彫りになっている。その原因として挙げられるのが、人権に対する位置づけの違いである。そもそもヨーロッパ・キリスト教社会で考えられてきた「人権思想」の基本的な考え方とは、どのようなものなのか。(全6話中第5話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:11分28秒
収録日:2021年10月15日
追加日:2022年1月21日
≪全文≫

●毛沢東路線に回帰しようとする習近平政権に厳しい世界の目


―― 共産党は、もともとは階級闘争として「悪い資本家を倒して、人民が豊かになるために、われわれが指導するのだ」ということで、社会を豊かにしようとしてきました。それをさらに進めるために「中華」という概念を固めたり、あるいは「中華ナショナリズム」を高めたりして、国としての一体感を持ちつつ共産党の延命を考えていくということでもあるのでしょうか。

橋爪 はい。近代化だけすればいいのであれば、共産党にやってもらわなくたっていいわけです。アメリカの支援を十分に受けられて、国際社会から十分に納得と協力を得られるやり方を取り入れて、国際協調しながらそういうことをすれば、もっとスムースで問題ないはずでした。

 ところが、習近平の政権はそういうやり方からむしろ背を向けて、毛沢東のようなやり方に帰ろうとしています。これが大変不可解で、なぜそう思っているのかよく分かりません。

 トウ小平の時代には両面があって、多少西側世界に歩み寄る姿勢を示しているように見えました。そのため、西側世界は信頼して、今までの共産党と違った新しい中国のリーダーということで支援しました。しかし、いろいろあって習近平になってみたら、どうもそうではないようなので、中国に対する見方を訂正しなければならないのです。


●大日本帝国憲法と日本国憲法では人権の位置づけが異なる


橋爪 そこで、先ほど憲法の話を少ししましたが、大日本帝国憲法と日本国憲法の違いから、人権と政治の関係について、少しだけお話ししてもいいですか。

―― はい。

橋爪 時間があったら大日本帝国憲法を読んでいただくといいのですが、「臣民権利義務」というチャプターがあります。それを見てみると、同じような文言が並んで書いてあります。例えば、言論の自由があるか、所有権があるか、それから集会・結社の自由があるかです。いろいろな自由があるのですが、そこに書いてあるのは「日本国の臣民は、法律の許すかぎりにおいて、何々の自由を有する」ということです。「法律の許すかぎりに」というのは「法律の範囲において」という意味です。

 法律は立法府である議会で制定します。そのため議会が認めなければ、そういう権利はありません。あるいは、そういう自由を取り上げる法律が議会で可決されてしまえば、そういう自由はなく...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
台湾有事を考える(1)中国の核心的利益と太平洋覇権構想
習近平政権の野望とそのカギを握る台湾の地理的条件
島田晴雄
日本人が知らないアメリカ政治のしくみ(1)アメリカの大統領権限
権限の少ないアメリカ大統領は政治をどう動かしているのか
曽根泰教
中国共産党と人権問題(1)中国共産党の思惑と歴史的背景
深刻化する中国の人権問題…中国共産党の思惑と人権の本質
橋爪大三郎
グローバル環境の変化と日本の課題(1)世界の貿易・投資の構造変化
トランプ大統領を止められるのは?グローバル環境の現在地
石黒憲彦
教養としての「人口減少問題と社会保障」(1)急速に人口減少する日本の現実
毎年100万人ずつ減少…急降下する日本の人口問題を考える
森田朗
クーデターの条件~台湾を事例に考える(1)クーデターとは何か
台湾でクーデターは起きるのか?想定シナリオとその可能性
上杉勇司

人気の講義ランキングTOP10
新しい循環文明への道(1)採掘文明から循環文明へ
2026年頭所感~循環文明の「三つの柱」…いよいよ実現へ
小宮山宏
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(5)羽柴軍団の戦い方
長期包囲戦が得意!?“軍事的天才”秀吉の戦い方の特徴
黒田基樹
逆境に対峙する哲学(6)分別からの超越
ネガティブ・ケイパビリティとは?信じて待つことの意味
津崎良典
「進化」への誤解…本当は何か?(1)進化の意味と生物学としての歴史
実は生物の「進化」とは「物事が良くなる」ことではない
長谷川眞理子
折口信夫が語った日本文化の核心(1)「まれびと」と日本の「おもてなし」
「まれびと」とは何か?折口信夫が考えた日本文化の根源
上野誠
過激化した米国~MAGA内戦と民主党の逆襲(1)米国の過激化とそのプロセス
MAGA内戦、DSAの台頭…過激化が完了した米国の現在地
東秀敏
生成AI「Round 2」への向き合い方(1)生成AI導入の現在地
生成AIの利活用に格差…世界の導入事情と日本の現状
渡辺宣彦
内側から見たアメリカと日本(1)ラストベルトをつくったのは誰か
日本でも中国でもない…ラストベルトをつくった張本人は?
島田晴雄
生成AI・大規模言語モデルのしくみ(3)言語モデルと「自己教師あり学習」
正解がタダ!?大規模言語モデルの「自己教師あり学習」とは
岡野原大輔
「アメリカの教会」でわかる米国の本質(1)アメリカはそもそも分断社会
「キリスト教は知らない」ではアメリカ市民はつとまらない
橋爪大三郎