平和の追求~哲学者たちの構想
この講義は登録不要無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
次の動画も登録不要で無料視聴できます!
「コスモポリタニズム」の理想と「国家連合」というプラン
第2話へ進む
平和の実現を哲学的に追求する…どんな平和でもいいのか?
平和の追求~哲学者たちの構想(1)強力な世界政府?ホッブズの思想
川出良枝(東京大学名誉教授/放送大学教養学部教授)
平和は、いかにすれば実現できるのか――古今東西さまざまに議論されてきた。リアリズム、強力な世界政府、国家連合・連邦制、国連主義……。さまざまな構想が生み出されてきたが、ここで考えなければならないのは「平和」だけで良いのかという問題である。いかなる平和が望ましいのか。平和と自由をどう両立できるか。今回の講義では、哲学者たちが平和実現のためにどのような構想を考えたのかを追っていく。まず17世紀の哲学者トマス・ホッブズの思想から導き出される「平和」を考える。(2025年8月2日開催:早稲田大学Life Redesign College〈LRC〉講座より、全7話中第1話)
※司会者:川上達史(テンミニッツ・アカデミー編集長)
時間:13分32秒
収録日:2025年8月2日
追加日:2025年12月8日
≪全文≫

●現在の国際関係に通底する「リアリズム」


―― 本日でございますが、川出良枝先生に「平和の追求」というテーマでお話をいただきます。本当にこのままで国連は大丈夫なのか、世界の平和がどうなるのかといったことがいま、非常に大きな問題になっています。そもそもこの平和について、平和をいかに維持するかということについて、例えばヨーロッパの哲学者をはじめ皆さんがどのように考えてきたのかということを中心にお話をいただく、講義をしていきたいと思います。

 川出先生は『平和の追求:18世紀フランスのコスモポリタニズム』(川出良枝著、東京大学出版会)という本もお書きになっていて、この本の内容もベースにしながら、今日は分かりやすくご説明をいただく形です。川出先生、どうぞよろしくお願いいたします。

川出 ありがとうございます。皆さん、こんにちは。日本と関連する諸国にとって、平和の問題、戦争の問題を考える機会でもございますので、こういうテーマでお話しさせていただけるのは非常に光栄に思っています。

 私の専門は、現在の国際連合についてバリバリ研究しているかというと少し違いまして、あくまでも西洋政治思想史です。ただ、西洋政治思想の流れの中で、平和はどうやって実現すべきかということについて、いろいろな考え方を練り上げてきました。それが、今日の問題を考えるときにも大きな示唆を与えるものではないかと思っています。そういった観点から今日のお話をさせていただきたいと思います。

 さて、まずちょっとした質問です。

 すでに皆さんの中には、社会的にもご活躍し、あるいは国際的に海外でお仕事をされている方がいらっしゃるかもしれません。かつて大学のときに国際政治学、国際関係論などを勉強したことがあるかもしれません。勉強したことがなくても、外交といったことに関心がある方であれば聞いたことあるであろう概念に、「リアリズム」があります。「リアリズム」はいろいろなところで使われる概念ですが、国際政治にまつわる概念として「リアリズム(現実主義)」「リアリスト(現実主義者)」というタームがよく用いられます。国際政治におけるリアリズムとはどんなものか、どなたか回答にチャレンジしてください。

[回答]
理想主義と現実主義(リアリズム)がよくいわれます。理想主義は話し合いによって解決を図ろうとするものに対し、リアリ...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「哲学と生き方」でまず見るべき講義シリーズ
禅とは何か~禅と仏教の心(1)アメリカの禅と日本の禅
自発性を重んじる――藤田一照師が禅と仏教の心を説く
藤田一照
「幸福とは何か」を考えてみよう(1)なぜ幸せになりたいのですか
「幸福」について語り合う「哲学カフェ」を再現
津崎良典
「心から幸せになるためのメカニズム」を学ぶ(1)心理学研究と日本の幸福度
実は今、「幸せにも気をつける」べき時代になっている
前野隆司
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博
小林秀雄と吉本隆明―「断絶」を乗り越える(1)「断絶」を乗り越えるという主題
小林秀雄と吉本隆明の営為とプラグマティズムの格率
浜崎洋介
「教養」と「リベラルアーツ」の違いとテンミニッツ・アカデミー
教養とリベラルアーツの違い…一般教養からWhy、Howへ
曽根泰教

人気の講義ランキングTOP10
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か(1)AIに置き換わる仕事と人間がやる仕事
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か…人間がやるべきこととは?
橋爪大三郎
AI大格差~最新研究による仕事と給料の未来(8)AI時代の人間の価値
労働市場改革を妨げる労組や、不登校を救えぬ文科省こそが邪魔だ
宮本弘曉
編集部ラジオ2026(17)「過剰な良かれ」の落とし穴
【10minで考える】巨人・阿部監督の辞任と「過剰な良かれ」
テンミニッツ・アカデミー編集部
地政学入門 歴史と理論編(1)地政学とは何か
地政学をわかりやすく解説…地政学の「3つの柱」とは?
小原雅博
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博
オリエント 東西の戦略史と現代経営論に学ぶ(2)失敗の本質
『失敗の本質』初版から30年…同じ失敗を繰り返す日本組織
三谷宏治
ビジョン講座「直観と論理をつなぐ思考法」(2)ビジョンにまつわる課題
世の中で一番知られていない「ビジョンの真実」とは何か
佐宗邦威
認知症とは何か(1)疾患の種類と対応
多くの認知症の原因は「脳のゴミ」の蓄積
遠藤英俊
高市政権の進むべき道…可能性と課題(1)高市首相の特長と政治リスク
歴史的圧勝で仕事人・高市首相にのしかかるリスク要因
島田晴雄
イラン戦争と終末論(1)イラン戦争の戦略的背景と米国の政策
なぜイラン戦争がこのタイミングなのか?戦略的背景に迫る
東秀敏