中国共産党と人権問題
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
中国が暴走しないように日本がやるべきこと
中国共産党と人権問題(6)米中対立で問われる日本の姿勢
橋爪大三郎(社会学者/東京科学大学名誉教授/大学院大学至善館教授)
中国の人権問題について考えるには、中華思想を背景とした統治システムを理解する必要がある。日本は中国の文化から多大な影響を受けつつ、西洋から人権の尊さを学んできた。米中の対立が激化する中、日本はどうあるべきか。(全6話中第6話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:8分55秒
収録日:2021年10月15日
追加日:2022年1月28日
≪全文≫

●中華思想にみる、統治システムの淵源


―― 旧約聖書だと「神が人をつくった」とあります。中国の(古典的な)「革命思想」では、人民が幸せになるために、天が王様を選んで、王様に統べさせます。そして、その王様に徳がなくなった場合には、その王様が革命で倒れて、今度は新しい王様(皇帝)が立てられるというのが中華思想だと思います。やはりそういう発想がもとになっているのでしょうか。

橋爪 一神教だったら、人間がいる理由は「神がつくったから」です。儒教を見てみると、なぜ人間がいるかの説明がありません。よく分かりませんが、動物や何かと同じで、人間は自然にいるのです。しかし、あまり出来が良くなく、政府がないと無秩序状態で非常に身勝手に行動します。

 そこで政治秩序が必要になって、天が「お前は王様になりなさい」と特定の人に王様になるように命じました。そうしたら、王様はおそらく武力を使って政府をつくり、「これが正しいのだから、これが法律だ。私の命令に従いなさい」と言って、皆に言うことを聞かせ、中国ができたという話です。

 順序で考えてみると、人間は自分勝手にやっているだけなのでもともと無権利状態です。そして、そこから社会秩序は生まれません。王様が政府をつくったときに社会秩序が生まれます。契約はありません。このようにできているのです。

 王様が皆に言うことを聞かせるとそれが法律になるのですが、これは王様の命令です。そうすると、王様が「君には権利があるよ」と言ってくれたときだけその人に権利があります。しかし、その権利は「なしにしよう」と言われた途端になくなってしまいます。取り上げる手続きがあるのは「人権」ではありません。「人権」には取り上げる手続きが存在しません。


●弱者がやるべきことは、大国について勉強して肝に銘じること


―― いわゆる西洋諸国からすれば、人権を認めないような国が覇権国家になっては困ると。要するに、今までの自分たちのつくり上げてきたものと全く違うものが世界を率いていく立場に立ったとすると、「これはとてもじゃないが、かなわん」となります。

 中国からすれば、伝統的にそういう思想があるので「いやいや、それは西洋の方々がおっしゃることですよ」「東洋には東洋の道があるのです」と主張するだろうし、現に今もそうしてい...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
中国共産党と人権問題(1)中国共産党の思惑と歴史的背景
深刻化する中国の人権問題…中国共産党の思惑と人権の本質
橋爪大三郎
外交とは何か~不戦不敗の要諦を問う(1)著書『外交とは何か』に込めた思い
外交とは何か…いかに軍事・内政と連動し国益を最大化するか
小原雅博
為替レートから考える日本の競争力・購買力(1)為替レートと物の値段で見る円の価値
ビッグマック指数から考える実質為替レートと購買力平価
養田功一郎
緊急提言・社会保障改革(1)国民負担の軽減は実現するか
国民医療費の膨張と現役世代の巨額の「負担」
猪瀬直樹
ポスト国連と憲法9条・安保(1)国連の構造的問題
核保有する国連常任理事国は、むしろ安心して戦争できる
橋爪大三郎
デジタル全体主義を哲学的に考える(1)デジタル全体主義とは何か
20世紀型の全体主義とは違う現代の「デジタル全体主義」
中島隆博

人気の講義ランキングTOP10
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(6)秀吉との信頼関係と秀長の軍事能力
文武両道の名将…秀吉に怒られなかったのは秀長と家康だけ
黒田基樹
「進化」への誤解…本当は何か?(3)進化学説史と近代の生物実験
ラマルクの進化論…使えば器官が発達し、それが子に伝わる
長谷川眞理子
「次世代地熱発電」の可能性~地熱革命が拓く未来
地熱革命が世界を変える――次世代地熱の可能性に迫る
片瀬裕文
戦略的資本主義と日本~アメリカの復活に学ぶ5つの提言
戦略的資本主義とは?日本再生へアメリカに学ぶ5つの提言
片瀬裕文
逆境に対峙する哲学(8)白隠の覚悟
宮本武蔵「型を捨てろ」と「守破離」が教えてくれること
津崎良典
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
メンタルヘルスの現在地とこれから(1)「心を病む」とはどういうことか
なぜ「心の病」が増えている?メンタルヘルスの実態に迫る
斎藤環
新しい循環文明への道(2)都市鉱山のデジタルツイン
都市鉱山のデジタルツイン…金やレアアースの宝庫がわが国に
小宮山宏
百姓からみた戦国大名~国家の本質(1)戦国時代の過酷な生存環境
戦国時代、民衆にとっての課題は生き延びること
黒田基樹
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(1)サイバー・フィジカル融合と心身一如
なぜ空海が現代社会に重要か――新しい社会の創造のために
鎌田東二