禅とは何か~禅と仏教の心
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
酔っぱらった自分から覚めよ…悪魔が降参したブッダの悟り
禅とは何か~禅と仏教の心(6)目覚めの宗教とブッダの遺言
藤田一照(曹洞宗僧侶)
私たちは現実に痛みをもたらす「苦」は感じても、おおもとの「惑」は見えない、私たちの認識は欲望に曇らされ、真実の姿が見えないからだ。それは、いわば酔っ払った状態だと一照師はいう。そのままで修行を続けるより、まずは「覚める」訓練を重ねるのが禅であり、「目覚めの宗教」ということだ。ブッダの遺言は「覚醒者」として、後世に「後に続け」と促すものだった。(全7話中第6話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:10分56秒
収録日:2024年8月9日
追加日:2025年2月17日
カテゴリー:
≪全文≫

●「第一ボタン」を直さない限り「惑→業→苦」のサイクルは続く


藤田 私たちはふつう「苦」しか見ないので、「業」ぐらいは振り返るけれど、「惑」がなかなか分からないのです。私が今まで「第一ボタン」といってきたのは、このことです。これを直さないかぎり、また「惑」が「業」を生んで「苦」になるサイクルがずっと続くわけです。

―― 前回の先生のお話でいえば、「惑」というのは、例えば好きなものに執着してしまったり、嫌いなものを排斥しようとしたりすることですか。

藤田 そうです。好きなものについては、「好きなものと嫌いなものがある」といっているけれど、これを「好きなもの」と「嫌いなもの」に見ている「私」があるわけです。

 これ(=火箸)を「火箸」にする私の行為があるように、これ自体がいいものを持っているのではなく、これをいいものだと思う、思い込んでいる「私」が問題になっているのです。

 だから、このもの自体に問題があるのではない。私たちはだいたい「こいつが悪い」「あいつが悪い」と原因を外に探し、「こいつをなくそう」あるいは「これがあれば、もっと幸せになれるだろう」と引き寄せたりしています。そういう基準を持っている「ここ=私の心」にこそ問題があるのですが、この「惑」は近すぎて見えないのです。

―― そうですね。

藤田 また、「惑」自体は痛くもかゆくもない。「業」になって初めて痛みや苦しみが浮かぶので、そこで分かるのです。怒りや悲しさは分かりやすいから、なんとかしようと思うのですが、「惑」自体は痛くもかゆくもない。これに気づくというのはなかなかレベルが高いし、難しいのです。


●現世の現象で「酔っ払っている」私たち


―― 坐禅によって、それ(惑)に気づくきっかけが得られるわけですか。

藤田 そうですね。でも、私たちはある意味、「のぼせた状態」で手や足を動かしたり、口を動かしたりしている。つまり、酔っぱらっている。けれど、本当に酔っぱらっている人は、自分が酔っぱらっていることも分からないぐらいに酔っぱらっているでしょう。

―― そうですね。

藤田 だから、友だちが「おまえ、もうずいぶん飲んでいるから、それはもうやめとけ」と言ったら、「全然大丈夫。酔っぱらっていない」と。それが、酔っぱらっている証拠ではないですか。

 人間はみんな、いろいろな思い、自分の考えという...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「哲学と生き方」でまず見るべき講義シリーズ
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か(1)AIに置き換わる仕事と人間がやる仕事
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か…人間がやるべきこととは?
橋爪大三郎
老子の神髄(1)「絶対自由の境地」を求めて
『老子』が求める「絶対自由の境地」とは?…そして創造長寿へ
田口佳史
今こそ問うべき「人間にとっての教養」(1)なぜ本を読むことが教養なのか
『人間にとって教養とはなにか』に学ぶ教養と本の関係
橋爪大三郎
ムハンマドを知る(1)その役割と人物像
ムハンマドは神の啓示を受けた預言者で共同体の最高指導者
山内昌之
【入門】日本仏教の名僧・名著~空海編(1)空海と最澄
空海と最澄の関係に大きな影響を与えた「密教」の位置づけ
賴住光子
神話の「世界観」~日本と世界(1)踊りと物語
世界の神話の中で異彩を放つ日本神話の世界観
鎌田東二

人気の講義ランキングTOP10
老子の神髄(1)「絶対自由の境地」を求めて
『老子』が求める「絶対自由の境地」とは?…そして創造長寿へ
田口佳史
日本の財政の真実を検証する(1)膨らむ借金の知られざる実態
日本の財政の「真実」をデータで徹底検証…国際機関の分析は?
宮本弘曉
ギリシア神話の基本を知る(1)「ゼウス以前」の神々の戦い
ギリシア神話…ゼウスの「父親殺し」とオリュンポス十二神
鎌田東二
ラカンの精神分析~心の謎を解き明かす(4)欲望と欲求と欲動
ほしいものが、ほしいわ。…欲望の無限運動が資本主義の基盤
斎藤環
キケロ『老年について』を読む(1)キケロの評価と「老年の心構え」
幸福な老年への智恵をキケロに学ぶ…惨めな老年の4つの理由とは
本村凌二
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か(7)自分の人生のために
AI時代こそAIでなく「生きた学び」で自分の人生を膨らませる
橋爪大三郎
AI大格差~最新研究による仕事と給料の未来(1)最新研究から見えてくる未来像
AI大格差…なぜ日本の雇用環境では「ショックが大きい」のか?
宮本弘曉
日本神話の基本を知る~世界・人間・文化のはじまり
「国生み・国作り・国譲り・国治め」と「むすひ」の力
鎌田東二
地政学入門 歴史と理論編(1)地政学とは何か
地政学をわかりやすく解説…地政学の「3つの柱」とは?
小原雅博
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫