石田梅岩の心学に学ぶ
この講義シリーズは第2話まで
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
道元『辨道話』の教え「修行こそわが仏門」とは
石田梅岩の心学に学ぶ(5)根本としての仏教と道元の教え
田口佳史(東洋思想研究家)
石田梅岩の思想の根本をさかのぼると、最澄の説く「本来本法性 天然自性身」、またその言葉から修行への疑問を呈した道元に行き着く。最澄は「人間は本来仏性を持つ、生まれながらに悟った身だ」と言う。仏教とはそうした存在への教えだというのだが、道元は「では修行の意味はどこにあるのか」と考えたのである。そこで今回は道元が著した『辨道話』の教えを解説する。(全9話中第5話)
時間:11分27秒
収録日:2022年6月28日
追加日:2024年5月6日
≪全文≫

●最澄の言葉に梅岩の淵源をたずねる


 梅岩思想について、その流れの根本はまずどこに尋ねるべきかというと、「(仏法とは)本来本法性 天然自性身」という言葉から始めるべきだと私は思っています。

 これは、伝教大師最澄の言葉です。最澄の言葉というのは、だいたいの僧侶はどういう宗旨であろうと、叡山の横川(よがわ)へ行って修行するのが通例でしたから、だいたいの修行者がそこへ行って接した言葉です。

 横川でまず習うのは、当然ながら「仏法とは何か」ということです。横川といえば叡山、叡山といえば天台宗、天台宗といえば伝教大師最澄です。したがって、最澄のこの言葉は、仏教というのは「本来本法性 天然自性身」というところから始まるのだと言っているわけです。

 これは何を言っているのかというと、「人は本来すでに法性である」。つまり、仏性を持っている。後年、白隠という人が『坐禅和讃』で言っている「衆生みな仏なり」という言葉に通じます。ですから、人間はもう仏である。それから「天然自性身」は。生まれながらにして悟った身なのだと言っています。

 いってみれば、仏法というのは、普通の人間に説くのではなく、もう仏であり、悟りに至った人に対して説くものだということです。万人みんなが仏性を持っている。言葉をかえれば、人間の仏性や悟った部分に対して説いていくのが仏法の根本なのだ、ということをここでまず言っているのです。


●「修行」に対する道元禅師の疑問


 (横川へは)仏教を修行する何千人もの若い人々が山を上ってくるわけで、そういう人は最初にこれを聞くと、「ははぁ、ありがとうございます」と、それなりに納得して修行を進めていったと思います。

 しかし、やはり天才というか、そういう人は違うわけですね。その中でただ一人、この言葉に疑問を持った人がいる。そういうところがまたすごいところで、それが道元禅師でした。道元の言ったのは、「人間が仏で、悟っているのだったら、なぜそういう存在が修行をしなければならないのか」。修行の意味はどこにあるのかということに、とてもこだわったわけです。

 一つひとつをしっかりしていかなければならないというのが道元の性格でしたから、そういうところをなおざりにできない。「そういうものだから」と...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「哲学と生き方」でまず見るべき講義シリーズ
『還暦からの底力』に学ぶ人生100年時代の生き方(1)定年制は要らない
仕事をするのに「年齢」は関係ない…不幸を招く定年型思考
出口治明
現代の小児科学と最高の子育て(1)現代の小児科学の役割
困難の克服と幸せな人生の獲得、それが小児科学の目的
高橋孝雄
今こそ問うべき「人間にとっての教養」(1)なぜ本を読むことが教養なのか
『人間にとって教養とはなにか』に学ぶ教養と本の関係
橋爪大三郎
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
日本人が知らない自由主義の歴史~後編(1)ニューリベラリズムへの異議
ハーバート・スペンサーとダイシー…20世紀の危機の予言者
柿埜真吾
デカルトの存在論に学ぶ(1) 「我思う、ゆえに我在り」
「我思う、ゆえに我在り」はデカルトの専売特許ではない
津崎良典

人気の講義ランキングTOP10
「満洲」から考える日本とアジア(10)戦後の「五族」の運命
「五族協和」の真実と満洲国崩壊後の五族の悲劇…満洲人、朝鮮人、露人、蒙古人、漢人らの戦後悲史を直視せよ
宮脇淳子
文明語としての日本語の登場(1)古代日本語の復元
なぜ「てふてふ」が蝶々?日本語の変遷を追う…まずは万葉仮名から
釘貫亨
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
本番に向けた「心と身体の整え方」(1)ディテールにこだわる
トップアスリートが実践する「自分の高め方」とは…まず集中のスイッチを入れる方法は?
為末大
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(4)認知症と共生社会の実現に向けた対策
その物忘れ、認知症かも…加齢による物忘れとの違いと一番大事なこと
小川純人
資本主義の再定義…哲学で考える(1)アダム・スミスの「市場と感情」
資本主義を哲学する…まずアダム・スミスの見えざる手と道徳感情論
中島隆博
大国主神に学ぶ日本人の生き方(8)求婚の歌と縁結びの力
大国主神が詠んだ歌…『古事記』の歌の意味と縁結びの力
鎌田東二
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫
現代人に必要な「教養」とは?(1)そもそも教養とは何か
教養とは…本質を捉える知、他者を感じる力、先頭に立つ勇気
小宮山宏
『源氏物語』を味わう(3)形容詞からの楽しみ方
美しい形容詞の使い分け…『源氏物語』の表現を味わう
林望