石田梅岩の心学に学ぶ
この講義シリーズは第2話まで
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
全てが悟りに至る道…日本は茶や花や野球にも「道」がある
石田梅岩の心学に学ぶ(6)禅から茶道へ
田口佳史(東洋思想研究家)
道元の『辨道話』には「修証一等」の言葉がある。修行も悟りも同じことであり、修行は特別なことではないことを説く。坐禅だけでなく茶をふるまうのも花を活けるのも、生きることそのものが修行になる。ただし、ただ生きるのと修行として生きることには違いがある。その精神が茶道や花道にも継承された。それは道元の教え「一つひとつを丁寧に、真心込めて」である。(全9話中第6話)
時間:15分57秒
収録日:2022年6月28日
追加日:2024年5月13日
≪全文≫

●修行と悟りは同じこと?


 この『辨道話』の中には、もう一箇所、必ず読んでおいたほうがいいところがありますので、そこも少し読んでみたいと思います。その次の(資料です)。

 「それ修証はひとつにあらずとおもへる、すなはち外道の見なり。仏法には、修証これ一等なり。いまも証上の修なるゆゑに、初心の辨道すなはち本証の全体なり。」

 ここで言っているのは、「修行をするということと、その末に悟るということは一つではない、分かれていることなのだと思えるような見方は、外道の見方だ」ということです。ここは道元が最上級の力を込めたところで、「修証これ一等なり」と言っています。「修証一等」という考え方がここに出てくるわけですが、「一等」は今、一等~三等などというときの一等ではなく、「一に等しい」です。だから、修行することも悟ることも同じこと。したがって修行する上で「悟りのために修行する」というのはまったく間違いであるということになります。

 これは逆にいえば、悟った後の修行が重要だといっているわけです。大灯国師が悟った後、「五条橋の下で20年間修行してこい」と大応国師から言われ、「私は悟りました」と返すと、「悟ったから修行するのだ」と言われたのと、まったく同じことです。簡単にいうと、「悟った」などということは誇るべきものではない。もともと人間の持っているものに帰っただけで、それをもっと磨かなければいけないということです。それが「修証一等」の意味するところです。

 「いまも証上の修なるゆゑに」、証上の修は悟りの上の修行ということで、そうなっていれば「初心の辨道すなはち本証の全体」ということになる。「かるがゆゑに」、だからこそ「修行の用心をさづくるにも、修のほかに証をまつおもひなかれとおしふ」。悟ることのために修行するのではない、そんなちっぽけなことを思ってやるべきものではないということを言っています。

 「直指の本証なるがゆゑなるべし」。「直指人心」といいますが、「すでに修の証なれば、証にきはなく、証の修なれば、修にはじめなし」。これはすごいことで、修も証も、つまり悟るのも修行もまったく同じことなのだから、修行を始めることが悟るということだし、悟ったということは修行をこれからなお一生懸命やりますということである。証も修もまったく同じ...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「哲学と生き方」でまず見るべき講義シリーズ
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博
「アメリカの教会」でわかる米国の本質(1)アメリカはそもそも分断社会
「キリスト教は知らない」ではアメリカ市民はつとまらない
橋爪大三郎
「ホメロス叙事詩」を読むために(1)ホメロスを読む
2700年前のホメロスの叙事詩が感動を与え続ける理由
納富信留
仏教とキリスト教が照らし出す日本の宗教(1)神とは何か、そして天皇とは?
日本と世界の「神と信仰」の違いは?…そして天皇の大切な役割
橋爪大三郎
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
神話の「世界観」~日本と世界(1)踊りと物語
世界の神話の中で異彩を放つ日本神話の世界観
鎌田東二

人気の講義ランキングTOP10
『「甘え」の構造』と現代日本(1)「甘え」のインパクト
「甘え」は現代においてダメなものなのか…名著『「甘え」の構造』への2種類の誤解とは?
與那覇潤
ロシア人の見る「ロシアの歴史」(1)会ってみたプーチン…その実像
ロシア人の見る「ロシアの歴史」を知るとロシアがよくわかる・・・実際に会ってみたプーチンの印象とは?
上月豊久
仏教とキリスト教が照らし出す日本の宗教(1)神とは何か、そして天皇とは?
日本と世界の「神と信仰」の違いは?…そして天皇の大切な役割
橋爪大三郎
中国春秋戦国時代と始皇帝(序)映画『キングダム』の中国史監修
中国古代史の真実と『キングダム』…史実がわかれば物語はもっと面白い
鶴間和幸
近現代史に学ぶ、日本の成功・失敗の本質(6)東條内閣で行われた行政改革
悲惨な末路につながった東條英機内閣での兼職と省庁再編
片山杜秀
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(6)認知症予防と健康寿命の延伸に向けて
フレイル・サイクルは回り出したら抜けられない!?負のスパイラルへの対処法
小川純人
現代人に必要な「教養」とは?(1)そもそも教養とは何か
教養とは…本質を捉える知、他者を感じる力、先頭に立つ勇気
小宮山宏
『万葉集』と律令社会~官僚の心得と歌宴(2)「出挙」と国司の仕事
地元の有力者の力を借りるために大伴家持が詠んだ歌とは?…今も奈良時代も変わらない中央官僚と地元有力者の関係
上野誠
「満洲」から考える日本とアジア(5)ロシアのシベリア征服と日清日露戦争
「満洲利権」はなぜ日本の手に渡ったか?…ロシアの極東征服、そして朝鮮の混乱が日本を日清・日露戦争へ
宮脇淳子