全てが悟りに至る道…日本は茶や花や野球にも「道」がある
石田梅岩の心学に学ぶ(6)禅から茶道へ
道元の『辨道話』には「修証一等」の言葉がある。修行も悟りも同じことであり、修行は特別なことではないことを説く。坐禅だけでなく茶をふるまうのも花を活けるのも、生きることそのものが修行になる。ただし、ただ生きるのと...
収録日:2022/06/28
追加日:2024/05/13
本来本法性、天然自性身…仏性と悟りを道元はどう考えたか
東洋思想の主張~見えないものを見る(3)全ては自分の内にある
仏教では、本来人間は皆、仏であり悟りの要素を持っていると説く。その仏性、悟りを得るためにどうするべきかを、道元、千利休など多くの先人が思索し続けた。仕事にどのような意味を見出すのか、悟りを得るとはどういうことな...
収録日:2014/11/12
追加日:2015/07/20
東大寺大仏建立の理由ー聖武天皇のいう「菩薩の精神」とは
東大寺建立に込められた思い(3)あまねく発展を願う
大仏造立の際に聖武天皇が出した詔では、何が語られているのか。東大寺長老・北河原公敬氏が解説する。聖武天皇は、自らを菩薩になぞらえ、この世の全てを慈しもうとした。菩薩とは、自分以外のものにも手を差し伸べ、一緒に救...
収録日:2016/03/08
追加日:2016/12/10
最澄が『山家学生式』で示した「一隅を照らす」の深い意味
【入門】日本仏教の名僧・名著~最澄編(3)『山家学生式』で示した修行の仕方
最澄が弟子たちに向けて書いた『山家学生式』では、厳しい修行の仕方が規定される。その奥には、仏教を極める僧こそが国宝であるとする考え方とともに、修行を重ねて他にも利益(りやく)を与えることが鎮護国家につながるとい...
収録日:2020/08/20
追加日:2021/01/08
道元『辨道話』の教え「修行こそわが仏門」とは
石田梅岩の心学に学ぶ(5)根本としての仏教と道元の教え
石田梅岩の思想の根本をさかのぼると、最澄の説く「本来本法性 天然自性身」、またその言葉から修行への疑問を呈した道元に行き着く。最澄は「人間は本来仏性を持つ、生まれながらに悟った身だ」と言う。仏教とはそうした存在...
収録日:2022/06/28
追加日:2024/05/06
山上憶良が「沈痾自哀文」で問いかけた因果応報の問題
山上憶良「沈痾自哀文」と東洋的死生観(1)因果応報と日本仏教の課題
『万葉集』にさまざまな歌を残した山上憶良は、8世紀の「知の巨人」と目されている。例えば彼は、「善行を積んできた自分が報われず、老いの醜態をさらす惨めな状況になったのはなぜか」という問いを「沈痾自哀文」に残した。こ...
収録日:2024/04/02
追加日:2024/07/12
菩薩の心が現代社会から薄れた一因は戦後の民主主義にある
東大寺建立に込められた思い(4)建立を支えた知識
現代の日常生活で、他人に手を差し伸べることが減ったのは、困っている人と自分とが無関係だからだ。しかし東大寺の建立を呼び掛けた聖武天皇が目指すのは、他者を思いやる菩薩の精神を行き渡らせることだった。そのために聖武...
収録日:2016/03/08
追加日:2016/12/17
山上憶良が「沈痾自哀文」の中で語った人間の価値とは
山上憶良「沈痾自哀文」と東洋的死生観(2)救済思想と人間の価値
「人の善悪は報われるのか」という山上憶良の問いは、古くは4世紀の中国仏教界を揺るがしたものであり、新しくはミュージカル『キャッツ』にみられる救済思想とも重なっている。ここで難しいのは因果応報思想との関係で、人間の...
収録日:2024/04/02
追加日:2024/07/19
自己鍛錬を目指す人に知ってほしい数々の名言
重職心得箇条~管理職は何をなすべきか(2)一途と覚悟で道を究める
東洋思想研究者・田口佳史氏が『言志四録』なども手がかりに佐藤一斎の思想に分け入っていく。田口氏は、これから自己鍛錬に精進しようとしている世代にこそ、佐藤一斎に学んでほしいと力説する。その一斎が主張し実践したこと...
収録日:2015/12/22
追加日:2016/04/11
聖徳太子は「皇太子」だったことを忘れてはならない
法隆寺は聖徳太子と共にあり(2)神と仏の二人三脚体制
聖徳太子は仏教を日本に取り入れ、そして広めた。そう教えられてきた聖徳太子像に対し、法隆寺管長・大野玄妙氏は注意を促す。聖徳太子について考える上でまず重要なのは、彼が皇太子であることだ。すなわち彼本来の仕事は、日...
収録日:2016/03/09
追加日:2016/10/08
仏国土は水平的世界だが「浄土に登る」―日本的仏教観
法隆寺は聖徳太子と共にあり(4)仏国土はどこにあるか
私たち日本人は、外からの諸物をそのまま受け入れるのではなく、自分たちの基準に従って取捨選択し、自分たちに都合よく組み上げてしまうことを得意とする。そしてそれは、典型的な経典解釈すら、日本風にアレンジしてしまうこ...
収録日:2016/03/09
追加日:2016/10/22
最澄が比叡山での修行の際に『願文』に込めた願いとは
【入門】日本仏教の名僧・名著~最澄編(2)『願文』で立てた志
『願文』は、比叡山12年の修行に入る際に最澄が立てた「志」である。「一切皆苦」の仏教的世界観に立ち、苦しみのもとを考えかたの誤りに求め、一切衆生の悟りと救いを求めていく名文だ。若き最澄がこの文章に込めた願いは、厳...
収録日:2020/08/20
追加日:2020/12/31
困難なときにこそ立ち返るべき聖徳太子の理想と古典の知恵
「万葉集」の聖徳太子――語りかける人(6)古典に蓄積された知
聖徳太子への憧れは政治にも生かされたが、旅などを通じてその徳に触れ、自分を磨くチャンスも与えてくれる。このような「古典」を知っておくことは、人生を生きていく上で大きな力となる。日本社会全体が困難に当たっている現...
収録日:2021/06/04
追加日:2021/08/20
『正法眼蔵』の入り口『弁道話』が述べる「修証一等」とは
【入門】日本仏教の名僧・名著~道元編(3)『弁道話』と修証一等
道元の書に『弁道話』がある。難解といわれる主著『正法眼蔵』の内容を分かりやすくまとめている、いわば導入的位置づけの著作だが、そこで道元の非常に重要な考え方である「修証一等」について語られている。「修証一等」とは...
収録日:2020/09/30
追加日:2022/07/09
議論と秩序…仏教、儒教、法家の影響と十七条憲法の独自性
聖徳太子「十七条憲法」を読む(6)条文を読む…仏教と礼
十七条憲法を読むときに意識したいのは、仏教、儒教、法家など、当時東アジアの先進性を支えていたその教えと、それらによる影響である。しかも、それらにただ従順に従うのではなく、国家の方向性を定めるための舵として利用し...
収録日:2023/08/24
追加日:2024/01/11
「正直」の徳を最初に唱えた鈴木正三『万民徳用』とは
石田梅岩の心学に学ぶ(7)鈴木正三『万民徳用』を読む(上)
鈴木正三は、三河武士から出家して『盲安杖』や『万民徳用』を著した人物である。特に『万民徳用』では、「世法即佛(仏)法」を根拠に、士農工商それぞれの職分を全うすることが仏教修行に当たるとして、在家の教化に務めた。...
収録日:2022/06/28
追加日:2024/05/20
言霊の幸わう国とは?なぜ神様?「好去好来の歌」が描く日本
山上憶良「好去好来の歌」を読む(2)言霊の加護ある国の神様と遣唐使
山上憶良の「好去好来の歌」にはどのようなことが詠われているのか。言霊に加護された大和の国から荒海を旅する遣唐使の危険に対して、海上の道も陸上の道も大和の神々がきっと守ってくれると、その一首には詠まれている。ここ...
収録日:2024/04/02
追加日:2024/05/26