重職心得箇条~管理職は何をなすべきか
この講義は登録不要無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
自己鍛錬を目指す人に知ってほしい数々の名言
重職心得箇条~管理職は何をなすべきか(2)一途と覚悟で道を究める
経営ビジネス
田口佳史(東洋思想研究家)
東洋思想研究者・田口佳史氏が『言志四録』なども手がかりに佐藤一斎の思想に分け入っていく。田口氏は、これから自己鍛錬に精進しようとしている世代にこそ、佐藤一斎に学んでほしいと力説する。その一斎が主張し実践したこととは何か?(全15話中第2話)
時間:13分42秒
収録日:2015年12月22日
追加日:2016年4月11日
≪全文≫

●佐藤一斎の人と思想を語る『言志四録』


 私も『言志四録』について著作(『超訳 言志四録 佐藤一斎の「自分に火をつける」言葉』、知的生き方文庫)を出していますが、この書物を佐藤一斎がずっと書いています。これはもう亡くなる数年前まで、過去40年間にわたって、自分の思うところを書いたものです。まさにいろいろな意味合いを持ち、人生観を語っているし、人生論でもあるし、仕事論でもあるし、中でも死生論、生き死にというものについてはこうやって思うべきだとか、そういうことが綿々と書かれている書物です。特に皆さまご存知のことを言えば、西郷南洲が島流しになった時に、この『言志四録』を持っていき読みふけって、その中から101カ条を抜き書きして私書を作ったというような逸話がありますが、そういうことをしたいと思わせるぐらいの名言がざーっとあるのです。

 幕末の儒者で非常に名前が挙がっている人も、著作があまりないと、非常に残念なことですが、その人の人となりや、特に思想や哲学を解明しようにも解明できないのです。江戸は、それこそいわば学問立国と言ってもいいぐらいに北は松前藩から南の鹿児島まで、「この人あり」という藩儒がもうごろごろしていました。そういう人たちの学問の跡をお訪ねするというのが、後人である私の仕事であろうということで、いちいち出向いたその地域が、江戸時代の藩に移し替えるとどういう藩になるのか調べて、その藩の藩儒の2、3人を必ずご紹介するというのが、私が各地域に伺うときの講義の慣例になっているのです。ですが、存外、この佐藤一斎のようには著作を残してくれていないので、その人がいて、いろいろな書を残しているとか、漢詩を残しているということは分かるけれど、これほど詳細に自分の考え方を述べていませんので、なかなかその人の思想哲学を解明するということはできないのです。

 非常に幸いにも、この佐藤一斎はここまで残していてくださるわけで、佐藤一斎という人がどういう考え方で、どのような信条を持って人生を送られたかということが、非常にはっきり、明確につかむことができるのです。これはありがたいことです。


●エネルギーを一途に学問に振り向けた一斎


 したがって、佐藤一斎というのはどういう人だったか、特徴だけをまず申し上げます。前回お話ししましたが、「学問の家系である」と言うと、とかく青白...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「経営ビジネス」でまず見るべき講義シリーズ
イノベーションの本質を考える(1)イノベーションの定義
イノベーションの定義はパフォーマンスの次元が変わること
楠木建
ウォーレン・バフェットの成功哲学(1)「世界一の投資家」の実像
世界一の投資家ウォーレン・バフェット…賢人と呼ばれる理由
桑原晃弥
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス
重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ
三谷宏治
重職心得箇条~管理職は何をなすべきか(1)時代に請われ、時代に応えた佐藤一斎
部下を育てるには、まず佐藤一斎に学べ!
田口佳史
ストーリーとしての競争戦略(1)当たり前の重要さ
柳井正氏の年度方針「儲ける」は商売の本筋
楠木建
会社人生「50代の壁」(1)“9の坂”とまさかの坂
サラリーマン人生「50代の壁」を乗り越える生き方
江上剛

人気の講義ランキングTOP10
数学と音楽の不思議な関係(4)STEAM教育でつくる喜びを全ての人に
世界で最もクリエイティブな国は? STEAM教育が広がる理由
中島さち子
続・日本人の「所得の謎」徹底分析(2)政府債務と預金残高の背景
なぜ日本の所得水準は低いのに預金残高は大きいのか
養田功一郎
経験学習を促すリーダーシップ(2)経験から学ぶ力
米長邦雄のアンラーニング、弟子の弟子になってV字成長
松尾睦
戦前日本の「未完のファシズム」と現代(8)満州事変と世界大恐慌
「100年戦争」と考えて戦争に突入した日本の現実
片山杜秀
「集権と分権」から考える日本の核心(5)島国という地理的条件と高い森林率
各々の地でそれぞれ勝手に…森林率が高い島国・日本の特徴
片山杜秀
海底の仕組みと地球のメカニズム(1)海底の生まれるところ
地球上の火山活動の8割を占める「中央海嶺」とは何か
沖野郷子
50代からの親の介護~その課題と準備(1)突然やってくる介護の問題
「親の介護」の問題…優しさだけでは続かない
太田差惠子
弥生人の実態~研究結果が明かす生活と文化(1)弥生時代はいつ始まったのか
なぜ弥生時代の始まりが600年も改まった?定説改訂の背景
藤尾慎一郎
編集部ラジオ2025(20)納富信留先生の「アカデメイア」講義
プラトンのアカデメイアからテンミニッツ・アカデミーへ
テンミニッツ・アカデミー編集部
第2の人生を明るくする労働市場改革(1)日本の労働市場が抱える問題
シニアの雇用、正規・非正規の格差…日本の労働市場の問題
宮本弘曉