重職心得箇条~管理職は何をなすべきか
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
シンプルな手順こそ、仕事の加速力を倍加する
重職心得箇条~管理職は何をなすべきか(13)「実政」と「虚政」
田口佳史(東洋思想研究家)
『重職心得箇条』第14条には、「実政」と「虚政」という言葉が出てくる。毎日忙しく働いているようでも、無駄な作業を取ってつけたり、無意味な指示に終始していることはないだろうか。東洋思想研究者・田口佳史氏に解説いただきつつ、日常を振り返ってみよう(全15話中第13話)。
時間:7分30秒
収録日:2016年2月3日
追加日:2016年6月28日
≪全文≫

●「拵え事」にエネルギーを費やしていないか


 今回は第14条を読んでいきます。

 「政事と云へば、拵(こしら)へ事繕い事をする様にのみなるなり。何事も自然の顕れたる儘にて参るを実政と云ふべし。役人の仕組事皆虚政也。老臣など此風を始むべからず。大抵常事は成べき丈は簡易にすべし。手数を省く事肝要なり。」

 「政事と云へば」と始まりますが、何回も申し上げているように「経営は」と考えていただいていいです。その経営が、「拵へ事繕い事をする様にのみなる」とは、よく読んでいますね。佐藤一斎という人はやはりそういう経験が非常に豊富だったのでしょう。

 「こしらえ事」とは、わざとらしい、取ってつけたようなこと、「繕い仕事」の方は、その場しのぎです。そういうことばかりになりがちで、一日を振り返って考えてみると、それらに終始しがちである。仕事そのものに率直に向かわず、何かの前提となるべき「こしらえ事」を行い、一時逃れの指示を出して一日が終わっていくことになりがちだということです。

 仕事にダイレクトに向かわないところでは、非常にエネルギーが必要です。そして、上に立つ人がこういう状態だと、下にはそれが倍加されてどんどん負荷がかかっていきます。悪い意味で言う「根回し」に力を消費して、社内を説得することに疲れてしまう。そのため、本来説得しなければいけない社会までは、手がまわらなくなる。私の見たところでは、ほとんどの社員のエネルギーが社内で落とされているような会社もあります。そのようなものはなるべく切っていけということです。


●「実政」を忘れた「役人の仕組事」になっていないか


 「何事も自然の顕れたる儘にて参るを実政と云ふべし」。嘘偽りのない、本当に心の底から出てくる政治をやっているのが「実政」です。見栄や外聞、見てくれなどのようなものは一切ありません。「あるべきよう」をストレートに皆が語り、皆がそれを引き受ける。そういうものでなければ、組織はなかなか動かないということです。

 「役人の仕組事皆虚政也」。「実政」ではなく、偽りの政治になっているということです。これは結局、他人、特に上司の評価が第一義にある弊害を言っているのです。例えば政治で言えば、「国民のためになるか」ではなく、一から十まで万事「どういう評価をいただくか」に終始している。そういう人のことを、ここでは仮...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「経営ビジネス」でまず見るべき講義シリーズ
認知バイアス~その仕組みと可能性(1)認知バイアス入門
誰もが陥る「認知バイアス」…その例とメカニズム
鈴木宏昭
プロティアン~最先端の自律的キャリア形成(1)変幻自在のキャリア論
なぜ第二の人生のためにキャリアの棚卸しが必要か~組織から自律へ
田中研之輔
経験学習を促すリーダーシップ(1)経験学習の基本
成長を促す「3つの経験」とは?経験学習の基本を学ぶ
松尾睦
生き続ける松下幸之助の経営観(1)今も生きている幸之助
松下幸之助の考え方には今と昔を貫くものがある
江口克彦
野獣の経営、家畜の経営(1)経営センスが育つ土壌
ファーストリテイリングで経営者が育つ理由
楠木建
これから必要な人材と人材教育とは?(1)人手の供給不足とマクロ経済への影響
ごく一部の人手不足が「致命的」になる…Oリング・セオリー
柳川範之

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(12)自転車の青切符と「法と自粛」
【10minで考える】自転車の青切符と「法と自粛」
テンミニッツ・アカデミー編集部
『「甘え」の構造』と現代日本(1)「甘え」のインパクト
『「甘え」の構造』への誤解…甘えはダメなものなのか?
與那覇潤
もののあはれと日本の道徳・倫理(1)もののあはれへの共感と倫理
本居宣長が考えた「もののあはれ」と倫理の基礎
板東洋介
お金とは何か?…金本位制とビットコイン(5)ゴールドや暗号通貨への評価
ゴールドやビットコインへの評価は?…現代社会の写し鏡
養田功一郎
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
インフレの行方…歴史から将来を予測する(1)インフレの具体像を探る
270年の物価の歴史に学べ…急激な物価上昇期の特徴と教訓
養田功一郎
イラン戦争とトランプ大統領の戦争指導(3)戦争終結シナリオと大統領選挙の行方
MAGA連合に亀裂!?イラン戦争が及ぼす大統領選への影響
東秀敏
天皇のあり方と近代日本(1)「人間宣言」から始まった戦後の皇室
皇室像の転換…戦後日本的な象徴天皇はいかに形成されたか
片山杜秀
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫
日本人とメンタルヘルス…心のあり方(6)日本人の当たり前と山本七平の違和感
日本の異様さ…フィリピンから復員した山本七平が驚いたこと
與那覇潤