重職心得箇条~管理職は何をなすべきか
この講義シリーズは第2話まで
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
「秒に生きて思考する人」こそがリーダーの定義だ!
重職心得箇条~管理職は何をなすべきか(8)リーダーの条件は「機」を読む想像力
田口佳史(東洋思想研究家)
東洋思想研究者・田口佳史氏が、現代のわれわれにも理解しやすいように身近な例をひきながら、江戸期の『重職心得箇条』を読み解く。救急医、シェフ、マラソンランナーに共通するリーダーの条件とは?(全15話中第8話)
時間:10分35秒
収録日:2016年2月3日
追加日:2016年5月23日
≪全文≫

●非常時前提がリーダーのあり方


 さあ、第5条です。

 「応機と云ふ事あり肝要也。物事何によらず後の機は前に見ゆるもの也。其の機の動き方を察して、是れに従ふべし。物に拘りたる時は、後に及んでとんと行き支へて難渋あるものなり。」

 この「物事」ですが、緊急を要することはたくさんあります。大体がこの佐藤一斎の『重職心得箇条』だけでなく、もっと言えば、江戸期のリーダーシップはどこを前提に立案されているかと言えば、これは、非常時です。平時は、それこそ決まり、企業では職責と言いますが、職責をしっかり自覚して、この職責を守って、全員がちゃんとやっていれば、つつがなくずっと組織や企業は動くものです。しかし、一旦緩急、とんでもない事態になるとか、そういうことはありがちでして、そのようなときにこそリーダーシップは重要なのです。非常時のためにリーダーというものがいるということ、つまり、非常時対応の人間なんだということです。

 したがって、非常時に対応できないようなリーダーというのは、なんでもないということになり、価値がないのです。ですから、佐藤一斎流に言えば、「常に平時は有事の、有事は平時の備えにあり」であり、いつも有事を前提に訓練を繰り返しているのがリーダーのあり方だということを説いているのです。


●応機が肝要-リーダーは秒で思考する


 したがって、非常時ですから、すぐに何かをやらなければいけないということがあったときはどうするのか? ということに対して、ここで答えてくれています。

 まず、「応機と云う事あり肝要だ」の「応機」とは何か。「機」とは今、弓に矢をつがえて、キリキリキリと引き絞り、ばっと離す。この「ばっ」というのが「機」です。マシーンを「機械」と名付けましたが、なぜこの「機」という字が入っているかいうと、機械というのは、ガチャガチャガチャガチャと、秒単位に動きます。ああいう動きが「機」なのです。もっと言えば、オポチュニティとかチャンスという機会、それも「機に会う」と書いてあります。なぜかというと、タイミングというものは、もう絶対に外しては駄目なのです。「はい、今このとき」というものがある。つまり、人間というのは、そもそもリーダーとしてはやはり、分で生きていてはしょうがない。秒で生きるぐらい、このカチカチカチカチッという秒単位で思考していき、物事を見...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「経営ビジネス」でまず見るべき講義シリーズ
営業の勝敗、キリンの教訓(1)やる気のない社員になる理由
なぜ「やる気のある社員」が日本では6%しかいないのか?
田村潤
優れた経営者の条件(1)スキルとセンスの違い
経営者のセンスは担当者のスキルとは全く違う
楠木建
認知バイアス~その仕組みと可能性(1)認知バイアス入門
誰もが陥る「認知バイアス」…その例とメカニズム
鈴木宏昭
本質から考えるコンプライアンスと内部統制(1)「法令遵守」でリスクは管理できない
「コンプライアンス=法令遵守」ではない…実例が示す本質
國廣正
ソニー流「人的資本経営と新規事業」成功論(1)人を真に活かす人事評価とは
ソニー流の「人材論」「新規ビジネス論」を具体的に語ろう
水野道訓
メンタルヘルスの現在地とこれから(1)「心を病む」とはどういうことか
なぜ「心の病」が増えている?メンタルヘルスの実態に迫る
斎藤環

人気の講義ランキングTOP10
「満洲」から考える日本とアジア(10)戦後の「五族」の運命
「五族協和」の真実と満洲国崩壊後の五族の悲劇…満洲人、朝鮮人、露人、蒙古人、漢人らの戦後悲史を直視せよ
宮脇淳子
文明語としての日本語の登場(1)古代日本語の復元
なぜ「てふてふ」が蝶々?日本語の変遷を追う…まずは万葉仮名から
釘貫亨
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
本番に向けた「心と身体の整え方」(1)ディテールにこだわる
トップアスリートが実践する「自分の高め方」とは…まず集中のスイッチを入れる方法は?
為末大
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(4)認知症と共生社会の実現に向けた対策
その物忘れ、認知症かも…加齢による物忘れとの違いと一番大事なこと
小川純人
資本主義の再定義…哲学で考える(1)アダム・スミスの「市場と感情」
資本主義を哲学する…まずアダム・スミスの見えざる手と道徳感情論
中島隆博
大国主神に学ぶ日本人の生き方(8)求婚の歌と縁結びの力
大国主神が詠んだ歌…『古事記』の歌の意味と縁結びの力
鎌田東二
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫
現代人に必要な「教養」とは?(1)そもそも教養とは何か
教養とは…本質を捉える知、他者を感じる力、先頭に立つ勇気
小宮山宏
『源氏物語』を味わう(3)形容詞からの楽しみ方
美しい形容詞の使い分け…『源氏物語』の表現を味わう
林望