重職心得箇条~管理職は何をなすべきか
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優れたリーダーは、森と木、両方を見る「活眼」を持つ
重職心得箇条~管理職は何をなすべきか(9)常日頃の心得がリーダーをつくる
田口佳史(東洋思想研究家)
東洋思想研究者・田口佳史氏による『重職心得箇条』シリーズ。有事にいかに対応できるかがリーダーの器を決定づけるが、今回は、その有事に備えるための平時の心得を中心に学ぶ。(全15話中第9話)
時間:11分40秒
収録日:2016年2月3日
追加日:2016年5月30日
≪全文≫

●上に立つものはまず公平であること


 第6条です。

 「公平を失ふては、善き事も行はれず。凡そ物事の内に入りては、大体の中すみ見へず。姑く引き除けて、活眼にて惣体之体面を視て中を取るべし。」

 「公平を失ふては」というのは、非常に重要なことです。組織の長としては、何としても公平無比というのがもう非常に重要です。ですから、これはそれこそ自分のモットー、信条とするというぐらいに、公平無比を貫かないといけません。部下の立場になって考えてもらえば、公平さを失っている上司は、とてもやりにくいということになります。そして、「善き事も行われない」ということになります。下から言えば、「頑張ろう」という気になりませんよね。


●客観的かつ全体を見る


 「凡そ物事の内に入りては、大体の中すみ見えず」。これは、例えば、大きな升があるとして、その中へ入ってしまった自分を想定してご覧になると分かると思いますが、升の全体は見えるでしょうか。見えませんよね。要するに、後ろの壁面は見えないし、後ろを見ようと思って移動すると、また次の壁面も見えない。やはり、中へ入ってしまっては全体を見回すということはできないのです。

 これは、何を言っているかというと、あまりにも物事の中に入り過ぎてはいけない。客観というものが非常に重要だということです。中へ入れば入るほど、その物事や問題にしてやられる。使われてしまう、盲目になってしまうのです。ですから、いつも冷静さを保って、客観的に見る。客観的に物事を見るということは、つまり、惣体を見る、全体を見るということで、これが非常に重要だということを言っているのです。


●リーダーの見方として必要な「真ん中の心」


 「姑く引き除けて、活眼にて惣体之体面を視て中を取るべし」。「まさに姑く引き除けて」というのは、要するにぐーっと引いて客観的になって、しかも、「活眼」。これは何かというと、「活き活きした視点」ということなのですが、これは、本当に物事を活かしてやろうとか、いい方向へ解決してやろうとか、善処する、いい方向へ引っ張っていこうとする活き活きした生命力、そういうものを持って物事は対さなければいけないということを言っています。

 そういう視点を持って惣体の体面を視る。惣体、全体を見るのですが、全体をただ見るばかりではない。その全体を見ながら、個々も...

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