重職心得箇条~管理職は何をなすべきか
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
リーダーたるもの「忙しい、忙しい」は恥ずべき禁句
重職心得箇条~管理職は何をなすべきか(10)職責と職権の関係を心得よ
田口佳史(東洋思想研究家)
東洋思想研究者・田口佳史氏の手引きで読む『重職心得箇条』の第8条と第9条は、特に人の上に立つものの心得の奥義に入っていく。まずは、ついつい誰もが口にしてしまいがちなある言葉について、田口氏が解説する。(全15話中第10話)
時間:11分57秒
収録日:2016年2月3日
追加日:2016年6月6日
≪全文≫

●「忙しい」と言えば言うほど冷静さを失うことに


 さあ、次が第8条です。

 「重職たるもの、勤め向き繁多と云ふ口上は恥ずべき事なり。仮令(たとえ)世話敷くとも世話敷いと云はぬが能きなり、随分手のすき、心に有餘(ゆうよ)あるに非れば、大事に心付かぬもの也。重職小事を自らし、諸役に任使する事能はざる故に、諸役自然ともたれる所ありて、重職事多きになる勢いあり。」

 これは、皆さんも聞かれたことがあると思う、有名な『重職心得箇条』の文章です。つまり、重職ぐらいになったらどういうことになるかと言えば、「勤め向き繁多」、忙しいんだよ、忙しいんだよ、という口上、そういうことを言うのは恥ずかしいことですよ、ということです。

 「仮令世話敷くとも」、これは、上に行くということは、これはもう当然いろいろな問題を抱え、問題が矢継ぎ早に飛んでくるというのがありようですから、間違いなくせわしいのです。しかし、そのときにその人間の本領が出るのであって、せわしいときも、せわしくないような余裕綽々の涼しい顔でずっといるということが重要だということですね。「世話敷いと云はぬが能きなり」、これは、「本当に忙しくってね、もう弱っちゃうよ、大変なんだよ」と言えば言うほど、そういう雰囲気に自分の心がなってしまう。したがって、沈着冷静さを失うということを、ここで言っているのです。


●心の余裕が大局観を可能にする


 「随分手のすき、心に有餘あるに非れば」、つまり、余裕というものがなければ、「大事に心付かぬもの也」。大きなことやものというのは、それだけ引いて、大きく見ないと見ることができません。当たり前のことなのですが。そういう意味で、手元の小さいことばかりを見ていれば、大きなことを見ることができないのです。

 今、私が皆さんに申し上げているのは国際情勢でありまして、今年に入ってからドンドーンと非常に荒れ模様になってきました。言ってみれば、お隣の中国はこれからどうなるのかということもあるし、アメリカは世界の警察国家と言わんばかりだったあの勢いもない。そうすると、そこにロシアが入って復権を果たそうとする。IS(イスラム国)、またイスラムの中でも宗派対立が起こってくるという、大変なときです。

 特に日本の企業のように海外に全てを付託しているような状況下、これは一旦緩急何かあってもしかるべき...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「経営ビジネス」でまず見るべき講義シリーズ
組織心理学~若者とのコミュニケーション(1)「Z世代」の特徴と接し方
Z世代は傷つきやすい!?…昔の世代との相違点、共通点とは
山浦一保
本質から考えるコンプライアンスと内部統制(1)「法令遵守」でリスクは管理できない
「コンプライアンス=法令遵守」ではない…実例が示す本質
國廣正
運と歴史~人は運で決まるか(1)ソクラテスが見舞われた「運」
歴史における「運」とは?ソクラテスの「運」から考える
山内昌之
生き続ける松下幸之助の経営観(1)今も生きている幸之助
松下幸之助の考え方には今と昔を貫くものがある
江口克彦
メンタルヘルスの現在地とこれから(1)「心を病む」とはどういうことか
なぜ「心の病」が増えている?メンタルヘルスの実態に迫る
斎藤環
オリエント 東西の戦略史と現代経営論に学ぶ(1)ビジネスのヒントは歴史にあり
『失敗の本質』、中国古典…ビジネスのヒントを歴史に学ぶ
三谷宏治

人気の講義ランキングTOP10
独裁の世界史~未来への提言編(1)国家の三つの要素
未来を洞察するために「独裁・共和政・民主政」の循環を学べ
本村凌二
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIは間違いが分からない…思考で大事なのは訂正可能性
中島隆博
歌舞伎はスゴイ(4)歌舞伎のサバイバル術(後編)
江戸時代の歌舞伎にも大波乱が…どうやって生き残ったか
堀口茉純
「進化」への誤解…本当は何か?(6)木村資生の中立説
欧州では不人気…木村資生の中立説とダーウィンとの違い
長谷川眞理子
渡部昇一の「わが体験的キリスト教論」(1)古き良きキリスト教社会
古き良きヨーロッパのキリスト教社会が克明にわかる名著
渡部玄一
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(2)秀吉の実像と「太閤神話」
秀吉・秀長の出自は本当は…実像は従来のイメージと大違い
黒田基樹
株価と歴史…トランプ関税の影響を読む(2)株価リターンの歴史から考える
株式リターンの歴史検証…大きな構造変化の影響を見抜く
養田功一郎
逆境に対峙する哲学(1)日常性が「破れ」て思考が始まる
逆境にどう対峙するか…西洋哲学×東洋哲学で問う知的ライブ
津崎良典
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(2)バイアスの正体と情報の抑制
『100万回死んだねこ』って…!?記憶の限界とバイアスの役割
今井むつみ
平和の追求~哲学者たちの構想(1)強力な世界政府?ホッブズの思想
平和の実現を哲学的に追求する…どんな平和でもいいのか?
川出良枝