重職心得箇条~管理職は何をなすべきか
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
部下にノリノリで仕事をさせる、一斎流リーダーシップ
重職心得箇条~管理職は何をなすべきか(6)部下を使う要点
田口佳史(東洋思想研究家)
「大臣の心得」の前半はトップに立つものの心がけだったが、後半は一気にビジネスの現場に寄ってくる。組織の成績を左右することもある「上司と部下」の関係がテーマなのだ。多くの経営者や政治家を育ててきた東洋思想研究者・田口佳史氏の解説で、幕末の名著が身についてくる。(全15話中第6話)
時間:10分42秒
収録日:2015年12月22日
追加日:2016年5月9日
≪全文≫

●部下の意見に不足を感じたときの上司の対処法


 「もし有司の了簡より一層能き了簡有りとも、さして害なき事は、有司の議を用ひるにしかず。」

 「もし有司の了簡より」は、目の前の案件に対する腹案が自分にあって、これはこうやればいいのではないかと思いつつ、部下に「君たちはどうだい」と聞いてみる。「そこは、こうされては」と、出てきた答えがどうもいま一つよくなく、自分の方が「一層能き了簡」を持っていたなら、という話です。

 「さして害なき事」とは、自分の案よりは多少落ちるとはいえ、部下が考えてきたものを採用して実施しても、そう大した害や差はないと考えられ場合を指します。こういう時は、「有司の議を用ひるにしかず」ですから、自分の考えは引っ込め、部下の意見を「A君、君の考えはなかなかいいじゃないか」と取り入れて、「じゃあ、A君の案でいこうか」と言うのがよい。

 もし、そうできなければ、どうなるか。「こんな意見やアイデアしか出せないなんて、君たちは駄目だな。私はこう考えてきたよ。このぐらいの考えは持たなければ駄目じゃないか」という具合に解決する。部下は上司には従わなければいけないから、表面は「ははーっ」となっていますが、心の中では「なんてつまらない上司だろう」と思う。そういうふうになりかねない。

 こういうときは、その後の上司と部下の関係性も考えてみて、さほど害がないようなら、「君の意見でいこう。大いにやってくれ」と花を持たせてやる。「ただし、この部分が弱いから、もう少しこのようにした方がいいね」と、自分の意見も少し加えてやらせればいいわけです。「有司の議を用ひるにしかず」は、そういう文意です。


●職場のモチベーション向上は、上司の務め


 「有司を引立て、気乗り能き様に駆使する事、要務にて候。」

 部下を引き立てて、気乗りよくさせてやる。気乗りがいいかどうかは、その仕事に対する士気に関わります。ファイト満々、「大いにやります!」というのと、渋々やるというのでは、結果にも響きます。その意味が「気乗り能き様に駆使する」に込められている。

 部下というのは、「使われてなんぼ」ですから、上司が駆使できなければしようがない。部下も機嫌良くやってくれなければいけないので、「気乗り能きように駆使する事」は人使いのコツです。そういうことも、この人はよく知っているという...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「経営ビジネス」でまず見るべき講義シリーズ
「逆・タイムマシン経営論」で磨く経営センス(1)人口問題の本質
「逆・タイムマシン経営論」は本質を見抜くための方法論
楠木建
優れた経営者の条件(1)スキルとセンスの違い
経営者のセンスは担当者のスキルとは全く違う
楠木建
オリエント 東西の戦略史と現代経営論に学ぶ(1)ビジネスのヒントは歴史にあり
『失敗の本質』、中国古典…ビジネスのヒントを歴史に学ぶ
三谷宏治
認知バイアス~その仕組みと可能性(1)認知バイアス入門
誰もが陥る「認知バイアス」…その例とメカニズム
鈴木宏昭
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス
重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ
三谷宏治
不便益システムデザインの魅力と可能性(1)「便利・不便」「益・害」の関係
便利を求めるだけのいいの?…「不便益」で発見できる新たな魅力
川上浩司

人気の講義ランキングTOP10
徳川将軍と江戸幕府~井伊直弼編(4)官僚集団の問題と井伊直弼のジレンマ
井伊直弼のジレンマ…政治家の実力と同居した致命的な矛盾
山内昌之
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
仏教とキリスト教が照らし出す日本の宗教(2)教義の宗教と覚りの宗教
キリスト教は教義の宗教、仏教は覚りの宗教…仏教はなぜ普遍宗教か
橋爪大三郎
中国史概説~『皇帝たちの中国』を読む(3)全皇帝の4分の3は「非漢族」
6000万人の漢人が、三国志の戦乱後に400万人台に…衝撃の人口変動
宮脇淳子
中国春秋戦国時代と始皇帝(序)映画『キングダム』の中国史監修
中国古代史の真実と『キングダム』…史実がわかれば物語はもっと面白い
鶴間和幸
資本主義の再定義…哲学で考える(1)アダム・スミスの「市場と感情」
資本主義を哲学する…まずアダム・スミスの見えざる手と道徳感情論
中島隆博
AI大格差~最新研究による仕事と給料の未来(1)最新研究から見えてくる未来像
AI大格差…なぜ日本の雇用環境では「ショックが大きい」のか?
宮本弘曉
地政学入門 歴史と理論編(1)地政学とは何か
地政学をわかりやすく解説…地政学の「3つの柱」とは?
小原雅博
もののあはれと日本の道徳・倫理(1)もののあはれへの共感と倫理
本居宣長が考えた「もののあはれ」と倫理の基礎
板東洋介
日本の財政の真実を検証する(7)AIと長寿化&質疑応答
AI時代にこそ「熟達者の経験」が生きる&現状の日本経済の実情は
宮本弘曉