法隆寺は聖徳太子と共にあり
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仏国土は水平的世界だが「浄土に登る」―日本的仏教観
法隆寺は聖徳太子と共にあり(4)仏国土はどこにあるか
大野玄妙(法隆寺第129世住職、聖徳宗第6代管長)
私たち日本人は、外からの諸物をそのまま受け入れるのではなく、自分たちの基準に従って取捨選択し、自分たちに都合よく組み上げてしまうことを得意とする。そしてそれは、典型的な経典解釈すら、日本風にアレンジしてしまうことにもなった。法隆寺管長・大野玄妙氏が、その一例を説明した。(全8話中第4話)
時間:11分47秒
収録日:2016年3月9日
追加日:2016年10月22日
≪全文≫

●日本人の日常に取り込まれた仏教用語の数々


 では、私たちはどうでしょうか。例えば私たちは、普段、いろいろなことに接します。そのときに、新しいことをきちんと受け止められますか。まず受け止めません。それはなぜか。そこには、私たち日本人の精神性、宗教観、あるいは認識など、あらゆるものが関係しています。その視点から物事を見ているのです。そういう視点から、都合の良いものだけを引きずり出してくる。これが日本人です。そういうものを引きずり出して、それを上手に組み立て直して、新しい文化をつくっていく。これが和の文化です。

 新しい物は、時代時代によってどんどん入ってきます。その当時の外国というのは大陸ですが、そこから入ってくるものを、先ほどのような形でどんどん日本ナイズしていく。その繰り返しがずっと行われてきました。実際、日頃の皆さんが使っている言葉の中に、仏教用語がどれほどあるかを考えてみましょう。知らず知らずに使っている言葉は、いっぱいあります。これは皆さんの宿題にしたいと思いますが、思い当たる言葉をずっと書いてもらうと、非常によく分かると思います。

 一例を出しましょう。ものすごく喜んでいる人、出世して喜んでいる人を指して「有頂天」と言います。これは、世界の一番上の部分をいう言葉です。あるいは「もう二度とこんなことはしない」という場合に使う「金輪際」です。あるいは「お釈迦になる」という言葉があります。なぜお釈迦になったらいけないのか。これは、仏師の人が阿弥陀さんや観音さんなど、他の仏さんの注文を受けてこしらえたはずなのに、お釈迦さんができてしまった。これでは商売にならない。だから「お釈迦になった」といいます。

 このように、仏教由来の言葉を非常にたくさん使っています。そういう日本人的な要素があります。新しい物事を日本人の目で見るのです。ですから仏教が入ってきても、その仏教を日本人は日本人の目で見ていくわけです。


●仏国土はどこにあるか


 別の例でいいますと、「仏国土」という言葉あります。仏さんの国土です。仏教の世界では、東の方には薬師さんの仏国土があり、西の方には阿弥陀さんの仏国土があるといいます。東と西で、しかもこれらは当然水平線上です。西十万億土のずっと彼方に阿弥陀さんのお宿があるのだと。確かに経典にはそのように書いてあります。しかも、浄土の表現...

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