法隆寺は聖徳太子と共にあり
この講義シリーズは第2話まで
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
仏国土は水平的世界だが「浄土に登る」―日本的仏教観
法隆寺は聖徳太子と共にあり(4)仏国土はどこにあるか
大野玄妙(法隆寺第129世住職、聖徳宗第6代管長)
私たち日本人は、外からの諸物をそのまま受け入れるのではなく、自分たちの基準に従って取捨選択し、自分たちに都合よく組み上げてしまうことを得意とする。そしてそれは、典型的な経典解釈すら、日本風にアレンジしてしまうことにもなった。法隆寺管長・大野玄妙氏が、その一例を説明した。(全8話中第4話)
時間:11分47秒
収録日:2016年3月9日
追加日:2016年10月22日
≪全文≫

●日本人の日常に取り込まれた仏教用語の数々


 では、私たちはどうでしょうか。例えば私たちは、普段、いろいろなことに接します。そのときに、新しいことをきちんと受け止められますか。まず受け止めません。それはなぜか。そこには、私たち日本人の精神性、宗教観、あるいは認識など、あらゆるものが関係しています。その視点から物事を見ているのです。そういう視点から、都合の良いものだけを引きずり出してくる。これが日本人です。そういうものを引きずり出して、それを上手に組み立て直して、新しい文化をつくっていく。これが和の文化です。

 新しい物は、時代時代によってどんどん入ってきます。その当時の外国というのは大陸ですが、そこから入ってくるものを、先ほどのような形でどんどん日本ナイズしていく。その繰り返しがずっと行われてきました。実際、日頃の皆さんが使っている言葉の中に、仏教用語がどれほどあるかを考えてみましょう。知らず知らずに使っている言葉は、いっぱいあります。これは皆さんの宿題にしたいと思いますが、思い当たる言葉をずっと書いてもらうと、非常によく分かると思います。

 一例を出しましょう。ものすごく喜んでいる人、出世して喜んでいる人を指して「有頂天」と言います。これは、世界の一番上の部分をいう言葉です。あるいは「もう二度とこんなことはしない」という場合に使う「金輪際」です。あるいは「お釈迦になる」という言葉があります。なぜお釈迦になったらいけないのか。これは、仏師の人が阿弥陀さんや観音さんなど、他の仏さんの注文を受けてこしらえたはずなのに、お釈迦さんができてしまった。これでは商売にならない。だから「お釈迦になった」といいます。

 このように、仏教由来の言葉を非常にたくさん使っています。そういう日本人的な要素があります。新しい物事を日本人の目で見るのです。ですから仏教が入ってきても、その仏教を日本人は日本人の目で見ていくわけです。


●仏国土はどこにあるか


 別の例でいいますと、「仏国土」という言葉あります。仏さんの国土です。仏教の世界では、東の方には薬師さんの仏国土があり、西の方には阿弥陀さんの仏国土があるといいます。東と西で、しかもこれらは当然水平線上です。西十万億土のずっと彼方に阿弥陀さんのお宿があるのだと。確かに経典にはそのように書いてあります。しかも、浄土の表現...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「哲学と生き方」でまず見るべき講義シリーズ
日本人が知らない自由主義の歴史~前編(1)そもそも「自由主義」とは何か
消極的自由と積極的自由?…なぜ自由主義がわかりづらいか
柿埜真吾
日本人が知らない自由主義の歴史~後編(1)ニューリベラリズムへの異議
ハーバート・スペンサーとダイシー…20世紀の危機の予言者
柿埜真吾
資本主義の再定義…哲学で考える(1)アダム・スミスの「市場と感情」
資本主義を哲学する…まずアダム・スミスの見えざる手と道徳感情論
中島隆博
おもしろき『法華経』の世界(1)法華経はSFだ!
法華経はSFだ!…心を元気にしてくれる法華経入門
鎌田東二
『「甘え」の構造』と現代日本(1)「甘え」のインパクト
『「甘え」の構造』への誤解…甘えはダメなものなのか?
與那覇潤
『孫子』を読む :計篇(1)「戦わずして勝つ」の意味
「戦わずして勝つ」ことを唱える『孫子』が注目される理由
田口佳史

人気の講義ランキングTOP10
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(3)孤食リスクと加齢に伴うホルモン変化
「孤食」が危ない…独身男性の一人の食事はうつのリスク2倍以上に
小川純人
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
現代人に必要な「教養」とは?(1)そもそも教養とは何か
教養とは…本質を捉える知、他者を感じる力、先頭に立つ勇気
小宮山宏
「進化」への誤解…本当は何か?(1)進化の意味と生物学としての歴史
実は生物の「進化」とは「物事が良くなる」ことではない
長谷川眞理子
「満洲」から考える日本とアジア(8)日貨排斥と満洲事変の原因
なぜ満洲事変が起きたか…激烈な日本排斥と朝鮮人迫害、さらに一方的な条約無効化に直面した日本人の決断と失敗
宮脇淳子
仏教とキリスト教が照らし出す日本の宗教(1)神とは何か、そして天皇とは?
日本と世界の「神と信仰」の違いは?…そして天皇の大切な役割
橋爪大三郎
進化生物学から見た「宗教の起源」(1)宗教の起源とトランス状態
私たちにはなぜ宗教が必要だったのか…脳の働きから考える
長谷川眞理子
大統領に告ぐ…硫黄島からの手紙の真実(1)ルーズベルトに与ふる書
奇跡の史実…硫黄島の戦いと「ルーズベルトに与ふる書」
門田隆将
心と感情の進化(1)そもそも「心と感情」とは何なのか
「心と感情」とは何か、行動生態学から考える大事な問題
長谷川眞理子
日本の財政の真実を検証する(1)膨らむ借金の知られざる実態
日本の財政の「真実」をデータで徹底検証…国際機関の分析は?
宮本弘曉